選挙公約・マニフェストは、「選挙前だから」と、マーケティング的に、有権者ウケする内容を並べているだけの、単なるリップサービスです。
政治家が悪い、という話ではありません。
単なる努力目標なのだから、なるべく選挙に有利になるように理想を掲げるのは、当然なんです。
選挙の直前になって、「この政党は自分の考えに近いな」なんて投票先を決めるのは、いいカモではないでしょうか。
選挙結果に納得している人は、問題ないと思います。
もし自分の投票に満足した経験がないのなら、改めたほうがいい結果につながる、と私は思います。
各政党の方向性さえ理解できれば十分
私はそもそも、細かい政策なんか、どうでもいいという考えです。
経済政策であれば、具体的にこういうことをしますと言われても、私には是非を正確に判断できません。
その領域を専門に勉強したり、強い興味があったり、という人でない限り、基本的にみな同じであるはずです。
だから、経済成長を推進するかわりに貧富の差を社会保障でカバーする社会を目指すのか、みんなで貧乏になるかわりに平等な社会を目指すのか、くらいの違いがわかれば充分だと思います。
言うまでもなく、ちょっとだけ政治に関心を向けていれば、特別なことをしなくても理解できる違いです。
政治に文句を言い続ける人たちの2つの特徴
私見ですが、細かな政策に、あれこれ意見を言う人には、大きく2種類います。
- 鼻先のニンジンが大好きな人
- 政治には正解があると思っている人
前者は、
「●党に投票すれば、毎月■万円もらえる政策をやってくれるそうだ。それはいいな」
というタイプ。
メリットのみに目がいって、どんなデメリットが発生するのか、考えない。
後者は、
「アベノミクスなんかうまくいくはずがない。バカじゃないのか」
というタイプ。
専門家でも評価が分かれる事柄なのに、自分にだけは正解が分かっていると思っている。
もちろん、このような反応が悪い、というわけではないんですよ。
でも、きっと、これらの方々の圧倒的大多数は、政治に不満を持って、いつまでも文句を言っているのではないかと思います。
基本的に、自分の思い通りになることは稀だからです。思い通りになったとして、運がいいだけです。
信頼できる人を国会に送り出して、腹を据えて結果を待つ
われわれ国民にできるのは、ただ一つだと私は思います。
信頼できる人を国会に送り出して、腹を据えて結果を待つこと。ときどき、必要性を感じれば、政治家に意見を直接伝えること。
※当然ながら、目の前の暮らしにくさだったり、生きにくさだったりを解決するためには、自ら行動する必要があるわけですが、ミクロな課題の解決は、いまや、国政の役割ではないという前提です
どうしたら国が良くなるのか、正解なんか誰にもわからない。
ならば、国を良くしようと働いてくれる人のうち、信頼できる誰かに、託すしかない。
託せないのなら、投票せずに諦めるか、自分が政治をやるしかない。
政策ではなく、信頼できる候補者を見極める
民主党政権を引き合いに出すのは、ちょっと卑怯かもしれませんが、選挙公約・マニフェストの多くは、実現されません。
自民党だって、個々の候補者はさまざまな政策を掲げていますが、努力はするものの、実現するかどうかは未知数です。
そのときどきの党内の力関係や、政治状況、公明党との関係などで、結果は変わってくるからです。
だから、我々がやるべきは、長い時間をかけて、選挙区の候補者の発信を見続けて、信頼できる人かどうかを見極めることです。
2年、3年と見ていれば、「この人は言うことがコロコロ変わっている」だとか、「自分の意見をちっとも言わないんだよなあ」だとか、判断できるようになります。
逆に、「党の方針に反しても、ダメなものはダメと貫く人だ」だとか、「しっかりした国家観、政権運営ビジョンを持っている」だとかも見えてきます。
選挙が決まったら、もう投票先も決まっているのが理想
私は実際にそうしています。
私は今回も、神奈川2区で、官房長官に投票してきます。
自民党支持者ではありませんが、菅義偉支持者ではあります。時間をかけて、発言を見続けてきた結論です。
民主党の元職・三村和也さんが6区に鞍替えしましたが、2区から立候補したとしても、投票先は変わりませんでした。
直前になって政権公約・マニフェストと睨めっこしているみなさん。
「選挙が決まったら、もう投票先も決まっている」
そういう選挙に臨んでみませんか。今回はもう遅いですが、2年後や4年後に、またその時はきます。