asobi基地は、自宅でも簡単にできます。
2012年7月の第1回開催からasobi基地に遊びに行っている、常連ファミリー寄金家(※)が、asobi基地のやり方、コツ、注意点などを、たっぷり紹介します。
※2017年現在、asobi基地事務局、およびasobi基地アウトドア部・部長&あそび隊長として活動中です!
子どもは市販のオモチャにすぐ飽きる
どんな名作映画も、名作小説も、二度目には魅力が目減りします。
すでにストーリーを知っているので、先が読めてしまうからです。
もちろん、名作なのだから、ストーリー以外の部分を、じっくり味わうこともできるでしょう。
でも、やっぱり、「未知」という要素は、他に代えがたい魅力があるのも事実です。
さて、市販のオモチャは、どんなに手の込んだ作りでも、子どもは割とすぐに飽きてしまいます。
理由は簡単で、遊び方が決まっているからです。
うちの息子(3歳)は、保育園のお友達の多くがそうであるように、戦隊モノが大好きです。
でも、トッキュウオーを買ってあげても、ロクに遊びませんでした。
子どもは、「このオモチャでは、どんなことができるかな?」と一通りいじくり回してみて、把握してしまうと、途端に興味を失うんです。
asobi基地が飽きないのは、子どもが自らストーリーを作り出すから
午前中から夕方まで遊び通しても、「いや!まだ帰らないから!!」と絶対に納得しない子が、珍しくありません。
うちの娘(6歳)も、何度「まだ遊び足りない\\٩(๑`ȏ´๑)۶//」と言って、泣いたでしょうか。
asobi基地が、こんなにも子どもたちを惹きつけるのは、子どもたちが自ら、遊びを作り出しているからです。
ストーリーは、ほとんど無限に変化し、一度として同じにはなりません。
常にマルチストーリー、常にマルチエンディング。
これは間違いなく、この世で最高のエンターテイメントの一つです。
子ども時代はTVゲームをやり尽くし、学生時代は作家を志し、いまはディズニーを仕事にしている私は、asobi基地で遊ぶ子どもたちを見ていて、確かにそう思います。
asobi基地とは「子どものやりたい!という意欲が豊かに引き出されている場」
asobi基地は、保育士の小笠原舞さん、こども精神科医の小澤いぶきさん、子育てアドバイザーのよしおかゆうみさんの3人によって、2012年に設立されました。
asobi基地 オトナもコドモも平等な場所
今でこそ、団体名、あるいはコミュニティ全体の名称となっていますが、大元は、特徴的な子どもたちの遊び場の名前です。
“子どもたちの遊び場” としてのasobi基地は、子どもの自由な発想や、「やりたい!」という意欲が、豊かに引き出されている場を指します。
物理的な特徴は、はさみ、のり、セロテープなどの「シンプルな道具」と、紙コップ、ダンボール、画用紙などの「素材」しかない、ということです。
そんなもんで遊べるのか、と思うのが、大人の感覚ですが、子どもの想像力、固定観念に縛られていない自由さというのは、本当に凄いんです。
好きに遊んでいいとわかると、子どもは次から次へと遊びを作り出します。
子どもに「ダメ」と言ってはいけない
子どもの「やりたい!」という意欲が引き出されるようにするには、どうしたらいいか。
いくつかポイントがあるのですが、第一に「否定しない」「禁止しない」ということが重要です。
大人だってそうですよね。
会社の上司に「会社の不利益になることはするな」と頭ごなしに叱責されたら、やる気がなくなります。
有能な上司は、「それはいい。会社の不利益にならないように、どういうやり方があるか、アイデアを出してみてくれ」と、肩をポンと叩く。
asobi基地では、子どもの自由な発想を引き出すために、子どもに対して否定的な言葉を使わない、というルールがあります。
「ダメ! あなたにはまだ危ないから、ハサミは触らないで!!」
我が子に、こんなことを言っていませんか?
「こういうふうに持ってごらん。じゃあ、一緒に切ろうか」
同じ「安全に遊ぶ」という目的でも、禁止するかどうかで、こんなにも印象が変わってきます。
たった2,000円で立派なasobi基地ができる
asobi基地は、近所に100円ショップさえあれば、2,000円程度で、誰でも自宅で簡単にできます。
- はさみ(2つ)
- のり
- セロテープ
- クレヨン
- 色画用紙
- 折り紙
- 紙テープ
- 洗濯ばさみ
- パステルカラーのふせん
- 紙コップ
- 割り箸
- リース(玄関の飾り)の原型
- スポンジトレイ
- パーティ飾り
- ふとんたたき
- シューズハンガー
上の写真にあるものは、以上の17アイテム。
100円ショップなので、税込1,836円です。
【ポイント】
- 遊び方が決まっているもの(オモチャ)は除外する
- 何を買っていいかわからなかったら、子どもたちに選ばせる
- 大人の感覚で「こんなもの、つまらない」「遊びの道具じゃない」と決め付けない(この日の一番人気は、ふとんたたきとシューズハンガー。大人の感覚ではまず選べないアイテム)
- 床のシートは必須ではないけれど、あると特別感が出て、子どもたちが喜ぶ
- なるべく禁止しないで済むように、「場所選び」や「準備」を万全に
- たとえば、壁に絵を描きそうだったら、最初から壁に模造紙を貼っておこう
asobi基地らしい場を作るための、親の心構え
asobi基地には、4つのルールがあります。
これを噛み砕いて、具体的にどうすればいいか、私なりに「親の心構え」を解説すると、以下となります。
- 子どもの「やりたい」という意欲を最優先に尊重する。「まだ小さいからできない」「危ない」でなく、「どうしたらやらせてあげられるかな?」と考える
- 禁止・否定する言葉は使わず、うまく言い換える(例:ハサミは危ないからダメ! → 手を切ったら痛いから、一緒にやろうか)
- 子どものやりかた、遊び方が変でも、口出ししないで見守る。大人の自分には考えつきもしない遊びを連発する我が子を、褒め称えよう
- 親の価値観で、正解を押しつけない。asobi基地はテストじゃない。「ちゃんとできるか」ではなく、「楽しいかどうか」が何よりも大切
おうちでasobi基地のススメ
とまあ、偉そうに書いていますが、私も普段からこんなにゆったり構えていられるわけじゃありません。
ほとんど毎日のように、子どもたちを叱り飛ばしていますし、「ダメ」と言うことも多々あります。
そんな中、自宅でasobi基地をやってみると、不思議といろいろ諦められます。
どんなにメチャクチャな遊び方をして、散らかしても、まあasobi基地だから仕方ないか、と。
子どもたちの自由さや、個性を、見つめ直す機会にもなります。この子はあんな感性を持っているんだ、こんな遊びが好きなんだ。
何より、夢中で遊ぶ子どもたちを見ていると、豊かな気持ちになれるんですよね。
まずは、Facebookページでasobi基地のイベントを探して、「なるほど、こういう感じなのか」と肌で感じる。
次は、自宅でやってみる。
本当に、誰でも簡単にできてしまうので、おすすめです。