伊勢に縁の深い神主さんに、定番である『おかげ横丁』以外の伊勢神宮周辺のおすすめスポットを聞いてきました。どれも、伊勢の地元の方々が愛していたり、見応えがあると称賛されていたりするスポットです。
式年遷宮で新調された真新しい神殿を見に行くつもりの方は、ぜひブックマークをどうぞ。
1. 猿田彦神社
「伊勢神宮の内宮から徒歩15分ほどにある神社です。猿田彦大神は、内宮をたてる際に自分の持っている土地を譲った神様です。つまり、内宮の土地はもともと猿田彦大神の土地だったんです。
伊勢神宮との縁が深いだけでなく、天孫降臨の道先案内をつとめた猿田彦大神は、神々を代表する『みちひらき』の神様です。内宮の御垣内(一般の人が立ち入れない垣根の内側)にも祀られています。重要な祭礼があると、御正宮より先に、猿田彦大神への祭礼を行い、神宮の祭礼を守り導いてもらえるように祈りを捧げます。
伊勢神宮へ参拝する前に、猿田彦神社へ参拝するのがおすすめです。内宮は世界平和や国家安泰など大きな祈願をする場と言われています。伊勢神宮に絵馬やおみくじがないのはそのためです。個人的なお参りは、猿田彦神社で祈願してはいかがでしょうか。こちらには絵馬もおみくじもあります。」
2. 神宮徴古館
「伊勢神宮の外宮から東に2kmほどにあります。式年遷宮でお宮を新調するわけですが、古いお宮に納められていた宝物が神宮徴古館に展示されます。つまり、御正宮の中にどんなものが納められているのか、こちらで見ることができます。
以前、東京で式年遷宮を記念した特別展が開催されました。大行列ができていたのですが、神宮徴古館の宝物がたくさんありました。神宮徴古館へ足を運べば、長時間待つことなく、落ち着いてゆっくり見られます。」
3. せんぐう館
「伊勢神宮の外宮にあります。2012年にできたばかりの新施設です。目玉は、外宮の御正宮の1/1スケールの神殿模型です。東側側面の1/4のみではありますが、御正宮の建築を間近で見られるのはここだけです。その他展示が充実していて、伊勢の地元の方々からしても見応えがあるとの声を聞いています。」
4. 白鷹三宅商店
「伊勢神宮の内宮の近く、伊勢おはらい町通りにあります。有名な “おかげ横丁” は、伊勢おはらい町通りの一部です。
伊勢神宮の神さまへお供えするものは、野菜も果物もお酒も魚も、ほとんどは神宮が自前で用意しています。ただし清酒に関しては、兵庫・灘の『白鷹』を使用しています。神宮にお供えされる『白鷹』は市販品とはまったく異なるのですが、唯一神宮にお供えされているものと同じ『白鷹』を購入できるのが、この三宅酒店です。試飲もでき、非常におすすめです。」
5. 魚春
「こちらも伊勢おはらい町通りにあります。伊勢神宮のお供え物には、いくつか珍しいものがあります。その中の一つ “さめのたれ” を購入できます。鮫は通常、フカヒレくらいしか食用にしませんが、 “さめのたれ” は鮫の肉を干したものです。
『魚春』は、猿田彦神社をはじめ、周辺神社に鯛などお供え物の魚をおろしてきた、由緒ある魚屋です。」
6. 利休饅頭、へんば餅
「伊勢の地元の方々の多くは、赤福を買いません。かわりに、藤屋窓月堂の利休饅頭などを好んでいるようです。こちらも、伊勢おはらい町通りです。」
伊勢銘菓 『利休饅頭』 『守武の松』 でおなじみの藤屋窓月堂オンラインショップ
「また個人的にも好きでおすすめなのが、へんば餅です。その昔、街道を馬で旅をしてきても、宮川はさすがに馬では越せず、渡し船を利用していました。宮川で馬を返していたわけです。つまり “へんば” とは “返馬”、付近にあった茶店の銘菓というわけですね。
伊勢のお餅には大きく2種類あります。一つは、お餅の上に餡子をのせた、ぼた餅。赤福が代表ですね。もう一つが、逆に餡子をお餅でくるんだもの。両側に焼き目を付けるのが特徴です。太閤出世餅、二軒茶屋餅など種類がありますが、その中でもおすすめなのが、へんば餅。餅米でなくうるち米で作っていて、独特の食感があります。」
7. 武雷庵
「志摩名物・無菌牡蠣で有名な “的矢かき” や、松阪牛の串焼きが食べられるお店です。おはらい町通りのお店は夕方早々に店じまいになりますが、武雷庵は夜遅くまで営業しています。おはらい町の地元の方々や、周辺神社の神主も通っているお店です。うまいこと居合わせれば、地元ならではの話も聞けるかもしれません。」
カフェ武雷庵 – 五十鈴川/レストラン(その他) [食べログ]
千勝神社の千勝満彦さん、ありがとうございました!