こどもをハーネスで繋ぐなんて、ありえない?
危険防止や迷子防止のために、こどもにハーネスを付けるケースについて、あなたはどう思いますか?
ただいま5歳と2歳半の子育て中である私は、これは簡単に答が出ると思っていて、「ハーネスを使ってもいいけれど、あくまで緊急時の保険なんだから、普段は(ハーネスを付けたまま)手を繋いで散歩すればいい」と考えています。
犬じゃねーんだから vs 命の危険を考えれば背に腹はかえられないだろ
フジテレビ『とくダネ!』でこども用セーフティハーネスについて特集されたようです。
とくダネで放送した迷子ひも(ハーネス)特集に賛否両論。みんなのツイートまとめ – NAVER まとめ
大雑把に言えば、犬じゃねーんだから vs 命の危険を考えれば背に腹はかえられないだろということだと思うんですが。
犬を3匹・20年くらい飼っていた私としては、「犬じゃねーんだから」という感覚はすごくわかります。妻も同様です。
が、こっちの立場の方の場合、じゃあ犬みたいなペットがこの世に存在しなかったらどうなのか、それでも拒否反応が生まれるのか、と考えなくては、ただの感情論だと思うんですよね。
逆に、危険防止派の人は、なぜ感情的な批判があるのか、理由を考えなくてはいけないと思うんですよ。危険を防げるかわりに、トレードオフで失うものはないのか、と。
ハーネスで防げる危険は極めて限定的
いちおう、気になる点を潰しておきたいと思うんですけど、どんなにフェアな視点で見ても、私は個人的には、ハーネスを利用する気にはなりません。
なぜなら、ハーネスで防げる危険って、極めて限定的だからです。
ハーネスを付けていても、目を離してしまえば、(自動車には轢かれないかもしれないけど)自転車には轢かれます。
これ、子育て当事者なら、わかりますよね。歩道を歩いているだけで死ねるのが、こどもなんですよ。
一方、目を離さないのであれば、ハーネスはそもそも必要ないわけです(もちろん、障害や病気など個別の事情があるケースは除く)。
怒鳴ろうが、言うことをきかないのであれば担ぎ上げようが、危ないものは危ないんだ、と根気よく伝ていく。
ここは親として何より優先すべきところで、削ってしまうのはうまくないと思うんですよね(詳細な理由は後述します)。
また、その方が早くから街中の危険を覚えてくれるし、危ないと言えば止まってくれるようになるので、長期的に見てもベターなんじゃないかと。
「危ない!」とか言ってハーネスを引っ張るのが常態化しているほうが、怪我させる可能性が高まるんじゃねーの、という感覚です。
まあ人それぞれでしょうが、私は安全に使える自信がないですね……。
ハーネス使ってもいいけど、手も繋げばいい
いろいろな考え方があるので、万が一、百万が一に備えて、ハーネスを使うんだ、という親がいてもいいと思うんですよ。
ただ、その場合に問題になるのは、これですよね。
でも公園やらビル屋内でも迷子紐付けて歩いてる親見ると、安全とかでなく楽さ加減で付けてるとしか感じないな。 RT @dokikoYAMAYOKO: うちはハーネスつかったけど、手をつなぐのは嫌がるし、歩きたいっていうし、飛び出しするし、もうハーネスなかったら怖くて外出できなかっ
— やまもといちろう (@kirik) 2014, 5月 26
迷子ひもを使う様子を奴隷制度と表現した小倉さん。普通は犬みたいと言われるとこをあえてそうしないのは犬好きだからか。そして子育てママは嫌いらしい#とくダネ
— 祭@増量 (@c_na2870) 2014, 5月 26
犬じゃねーんだから。
親、サボってんじゃねーの。
たとえば、誰がどう見ても危険な場所を、どうしても歩かなくてはいけないケースなら、そんなに拒否反応も出ないと思うんです。
同じく、衝動性が強い子で、見ているほうがハラハラするようなケースなんかも。
ただ、「ハーネスなんてあるんだ、じゃあ繋いどけ」くらいに気軽に考えている(ように見える)親が、少なからずいるのも事実で。
だからハーネスなんか撲滅しろというのは極論だとは思うんですけど、ただ「楽している(ように見える)」という見方に一理あるとも思うんですよ。
つまり、ハーネスはあくまでも緊急時用の道具なんだから、何でもない普段から紐だけ持って歩くのを止めればいいだけだと思うんですよ。
ハーネスを付けたままで、たとえば手を繋いで散歩すればいい。
公園で遊んでいるのなら、こどもと視線の高さを合わせて、こどもが見ているものを、親も一緒になって見て、遊べばいい。
こどもたちと手を繋いで歩くのって、すごく幸せ
つい昨日も、ちょっと駅前まで用事を済ませに出かけて、5歳の娘と、2歳半の息子と、手を繋いで歩きました。
ただ手を繋いで歩いているだけなのに、楽しいというか、幸せというか、すっごく満ち足りた気分になるんですよね。
5歳の娘は、もう手を繋がなくても平気なので、いい迷惑そうでしたけど。
2歳半の息子は、親と手を繋いで歩くという行為そのものが楽しいようで、飛び跳ねたり、寄り道をしたり、ウキウキでした。
こんなふうに、こどもたちの成長を実感できる時間こそが、子育ての最大の醍醐味だと私は思うんです。
もちろん、スキンシップだったり、親と子が互いに意識を向け合う時間は、(共働き家庭のようなケースでは)多ければ多いほどいいわけですし。
ハーネスを使うことで、もし見失ってしまうケースがあるのだとしたら、もったいないな、と思います。
なかなかうまく言語化できる人は多くないと思うんですけど、「こどもにハーネスをつける=親が楽をしている」への反感って、本質は「貴重な時間なのに何してんのオマエ!」ということなんですよ。
こどもとちゃんと向き合っている自信があれば、ハーネスは使える
だからね、
迷子ひもとかベビーカーに反対する人ってきまって50代以上のじじばば世代。 「自分達のときはこうだった」だから使うなってこと? 場所をわきまえてルールに基づいて使えば楽したっていいじゃない。 子育てって親がいい意味で楽すれば楽するほど余裕が生まれると思うんだが。#とくダネ
— *まいまい*5歳♀1歳♂ (@nono_chan14) 2014, 5月 26
こういう意見は、ちょっと筋違いだと私は思います。
私も含め、楽している(ように見える)ケースに否定的なのは、単に、こどもと向き合ってるの? くらいの意味なんです。
実際、こどもとしっかり向き合ってる自信がある方は、何を言われようと気にならないと思いますし。
私としては、
・ハーネスを使うのはOK
・ただハーネスは緊急時の保険なんだから、普段はハーネスはないと思ってこどもと接する
これで問題ないんじゃないかなと思います。
まさに今、子育て当事者となっているお父さん、お母さん。こどもをハーネスに繋ぐことについて、どう思いますか?