8歳(当時)の娘が、我が家が通うasobi基地のイベント中に、自力でポップコーンを販売しました。
仕入れは、全額、自分のお金。
商品開発(ベーシックな塩味に加え、きなこシナモン、バター醤油、オレオ&てんさいオリゴ糖の3種を考案。どれもなかなか美味しい)、看板制作、容器デザイン、当日の調理・味付け、広告、接客・販売まで。
一部、親が手伝ったり、アドバイスしたりはしたものの、すべて自分でやりました。
売上は、2800円。
仕入れは1397円だったので、彼女の利益は、差し引き1403円。
事前準備もろもろに6時間は掛かっているので、時給で考えれば、8歳の子どもの儲けとしては、まあまあと言ったところでしょうか。
お金の教育レベル1:給料を支給して好きに使わせる
以前、「こどもに仕事を手伝ってもらってお給料を支給すると、お金でダダをこねなくなる」という記事を書いているとおり、
もともと我が家では、お小遣いは一切与えず、何かしらお仕事をしてもらって、対価としての報酬を渡していました。
原則として全額を自分で管理させています。
(お年玉や、おじいちゃんからの旅行時の餞別なども含む。大金は、落としたら後悔するかどうかを判断させ、おうち銀行に預け、原則いつでも引き出せるようにしています)。
子どもに大金を持たせたら、無駄遣いしちゃうでしょ、と心配する方もいるかと思います。
ええそのとおり、当然のように、無駄遣いします。
特に、最初の1年・2年くらいは、お菓子やジュースを買ったり、ガチャガチャをやりまくったり、玩具を買ったりして、あっというまになくなります。
これはこれで別にいい、と私は思っています。
なぜなら、この段階で重要なのは、
- お金とは、価値を提供する対価としてもらうものである
- お金は無限ではなく、使うとなくなってしまう
- お金で物をどう買うのか、どう計算するのか
あたりを、知ってもらったり、学んでもらったりすることだと考えているからです。
特に、お金の計算は、「今持っている300円以内で、どのお菓子が買えるのか……」と、コンビニの床に座り込むような勢いで、真剣に頭を悩ませるので、思わず苦笑せずにはいられません。
お陰さまで、足し算・引き算は、親が促さなくとも、学ぶ意欲に事欠かないので、ごくごく自然に身につけます。
お金の教育レベル2:社会の仕組みを疑似体験させる
お金の計算が当たり前のようにできるようになったら、次のステップへ。
社会における、経済活動の仕組みを、なるべく本物に即した形で、体験させるということが、何よりも肝要だろうと感じています。
レベル1の段階では、この仕事をしたら500円あげるよ、と言われても、500円がどれくらいのものなのか、いまいちわからないはずです。
それもそのはず、500円というのは言い値であって、根拠も実態もありません。
そんなちょっとしたことでお金がもらえるんなら、と、そりゃ無駄遣いもするでしょう。
でも、本物の経済活動においては、ポップコーンを一つ売るだけでも、
- 材料の仕入れ
- 試作
- 商品ラッピング(ポップコーンを入れる器づくり)
- 調理
- 店舗づくり(看板やメニュー、お釣りの用意)
- 広告宣伝(チラシづくり、お客さんへの声掛け)
- 販売(注文を受ける、ポップコーンを盛る、お金をもらってお釣りを渡す)
- 後片付け
- 収支計算
と、これだけの手間が発生します。
今回、売上2800円で、1403円の利益だったわけですが、この1403円の価値がどれほどのものか、身をもって実感できるわけです。
よくわからないから使ってしまう → 買いたいから買うへ
これできっぱり無駄遣いはなくなる……かと思いきや。
そう綺麗にはいきません。
まあ、当然ですよね、私たち大人も、給料日直後など、お金があると、ついつい気分が大きくなってしまい、贅沢な食事をしたり、大きな買い物をしたり、積極投資してしまいますから。
それでも、1403円を稼ぐために、どれくらいの労力が掛かったのか、彼女の中に実感としてあるので、使う500円の重みが違います。
お金の価値がよくわからないから使ってしまう
のではなく、
お金の価値をわかったうえで、買いたいから買う
に変化しています。
レベル3は一人で事業
この先ですが、中学生くらいのうちには、大人がべったり付いて見なくても、ひとりで事業が回せるようになってほしいな、と思います。
現在でも、お小遣いは一切渡していないわけですが、もちろんそれはそのまま継続。
一般的なお小遣いなんかよりも、遙かに大きい金額を手にできますから。
やりたいこと、自分らしい有意義な活動に、たくさん投資しながら、思うままに社会に漕ぎ出していく。
そんな態勢を整えてあげることができれば、親としてのお金の教育は成功かな、と考えています。