4歳(もうすぐ5歳)の娘を、ちょくちょく取材の仕事に同伴させています。
社会の多様性を見せる目的で積極的に連れ回しているんですけど、せっかくなので何かしら手伝ってもらって、お給料(という名のお小遣い)を支給することにしました。
たとえば、こちらの「夢の国は“糖質”だらけ! TDLで「糖質制限ダイエット」できるか試してみた – ウレぴあ総研」
こんな感じで、撮影助手をしてもらっています。
娘がいないと成り立たないような仕事にしてしまうと、児童労働になってしまうので、「手伝ってくれたら助かるけど、いなくてもなんとでもなる」感じの役割で、なおかつ「本人がやりがいを感じる」あるいは「楽しんでやれる(遊びと変わらない)」仕事がベスト。
重要なのは、本物の仕事を手伝ってもらうこと。
家のお手伝いをしてお小遣いをもらう、なんてものじゃダメなんです。
こどもにお金について教えるのは難しい
そもそも、なぜ「仕事を手伝ってもらってお給料を支給しよう」なんてことを思いついたかというと、そろそろ娘にお金について教えないといけないと感じていたからです。
娘は、体操とスイミングのスクールに通っています。
すると帰り際に、「自動販売機のアイスクリームを買って」とせがんできます。
これが稀なことであれば、(夕飯前なのでなるべく避けたいとはいえ)買ってあげないこともない。
けれど近頃、行く先々で「あれ買って」「これ買って」となってきているものだから、要求をすべて聞いていたらお金がいくらあっても足りません。
だから、体操とプールのあとは、自宅でなにか、お菓子でないものを食べさせることにして、頑として買っていません。
もちろん娘は、それで納得するわけもなく、だだをこねます。
周囲には買ってもらっている子もいるから余計です(私はまったく気にしませんが)。
親に買ってもらっている限りは “お金” を理解できない
娘には(というか、大半のこどもには)、以下の2つの概念がありません。
・お金には限りがあるという概念
・お金は価値を提供する(労働の)対価として得るものであるという概念
せがめば買ってもらえるのでは「使ったらなくなる」という事実がわかりません。
自分の手元からはなくなっても、親からは無尽蔵に出てくるように見えるからです。
また、「お金のやりとりとは、価値の交換である」という事実もわかりません。
大人である私たちは、「1日10時間働いて月に●●万円もらっている。だから必要なアレは5,000円で買ってもいい、がこっちは無くても済むから500円でも買わない(300円だったら買ってもいいかも)」という判断を日常的にしています。
労働という指標があってこそ、お金の価値、お金と交換する物の価値を決められます。
お小遣いでは解決しない
では、お小遣いをあげればいいかというと、お小遣いでは全然ダメなんです。
お金の管理の仕方や、やり繰りは学べますが、せいぜいその程度でしかありません。
お金を使ったらなくなるという事実はわかっても、親から無尽蔵に出てくるように見える点では何ら変わりません。
また、「ここでオモチャを買ってしまったら、マクドナルドでハッピーセットを買えなくなってしまう」とは理解できても、それは相対的な価値判断でしかありません。
単にお金があるから買う、無いから買えない、というだけで、「そもそも、そのオモチャは買う価値があるのか?」という判断ができないんです。
ならば、こどもが思うのは「もっとお金をちょーだい」というだけのこと。
何ら解決になっていません。
お給料を支給すると、お金でダダをこねなくなる
今のところ、我が家のケースでは、1回の取材につき500円を支給しています。
4歳で持て余すほど多くはなく、やり繰りを体験できるくらいには少なすぎず、貯めればそれなりのものを買うこともできます。
これっぽっちじゃ割に合わないと言い出したら、そのときは相談です。
そこまで含めてお金の教育。
ちなみに、お給料帳(お小遣い帳)もつけてます。
すると、外出をするときに、嬉しそうにお財布を持って出かけて、たとえば駅の売店で目に止まった『じゃがりこ』を買ったりしています。
娘のお金なので、親は何も言いません。
「お菓子買って」「ダメ」「なんで!もう大嫌いだから!!」というやり取りがなくなりました。
もし「あれ買って」と言い出したときは、「自分のお金で買いなさい」の最強の一言で済みます。
足りないときは、「じゃあ頑張ってお仕事をして、貯めないとね」で問題なし。
しぶしぶではあるけれど、納得します。
お金がどうやって生まれているのかを、理屈というよりも、体で理解しつつあるからでしょう。
お金は、好きなことや楽しいことをしてもらうものだと教えたい!
実は、仕事を手伝ってもらってお給料を支給しようと思った理由は、もう一つあります。
お金は、好きなことや楽しいことをしてもらうものだと知ってほしかったんです。
世の中、好きなことを仕事にできていない人がたくさんいます。
これ、なぜかというと、単に親からそういうふうに教わってこなかったからだと私は考えています。
たとえば、一昔前にテレビや小説で描かれていた一般的なサラリーマン像は、理不尽な職場で我慢をして働き、居酒屋で愚痴を言い合ってストレスを発散するイメージです。
実際、毎晩のように夜遅く疲れ果てて帰ってきて、休日には家でゴロゴロしているというお父さんもいたかもしれません。
そういう親の姿を見ていれば、無意識のうちに、「仕事とはそういうものだ」と思い込んでしまうわけです。
そして何の疑問も抱かずに大学を卒業し、働きたくもない会社で働くために就職活動に励む。
逆に私が、“趣味” や “遊び” と仕事を直結させてお金をもらっている姿を見せたらどうか。
娘はきっと「仕事とは、楽しいことをしてお金をもらうことだ」と思い込むはず。
我が子に自分らしい人生を歩んでもらう意味でも、仕事を手伝ってもらってお給料を支給するのはおすすめです。
会社勤めでなかなか難しいという方は、楽しんで仕事をしている友人・知人に、機会を作ってもらえるよう頼むのもアリだと思います。
【賛否両論の反響をいただいたので、まとめました。「守銭奴になるのでは」という意見も】
【当記事にピンときた方は、こちらも面白いかも。すごくいい企画でした】