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186月

もしあなたが日本社会に違和感を覚える若者ならば必読|『レイヤー化する世界』佐々木俊尚著 書評

佐々木俊尚著『レイヤー化する世界 – テクノロジーとの共犯関係が始まる』の書評です。日本社会に違和感を覚える若者たちが、日々感じているストレスの理由を論理的に理解するために、現時点で最高の書物です。

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『レイヤー化する世界』はそもそも誰が手に取るべき本か?

『レイヤー化する世界 – テクノロジーとの共犯関係が始まる』の価値は、冒頭の一行に凝縮されています。

この本は、いま新しい世界の構造がつくられようとしている、ということを解説した本です。

しかしながら、これでもまだ、ピンとこない人は多いだろうと想像します。『キュレーションの時代』や『当事者の時代』を書いた佐々木俊尚さんの最新作だから気になるが、どうにも一歩を踏み出すべきなのか確信が持てない。なぜなら、新しい世界の構造がつくられる事実を知ったところで、自分にどんなメリットがあるのか、想像しにくいからです。

たとえばこれが、“国民国家が終焉を迎える時代の行動指針”だとか、“富が増えない時代に私たちはどうすべきか”というタイトルであれば、世の中の最新の動向を把握したいと欲するビジネスパーソンを中心に、躊躇なく手に取る人はもっと多かったでしょう。

でも、別のタイトルが付けられました。具体的には、内容の要約です。本書を読み終えた後なら、タイトルの言わんとする内容が理解できます。ソーシャルメディアで影響力を持ち、読者との関係性構築に注力する佐々木俊尚さんでなければ、まったく売れなかっただろうと想像します。メインターゲットすら、タイトルからはうかがい知れないのですから。

おそらくジャーナリストとしての立ち位置、「煽動ではなく、事実を提示するのが役割」との倫理観や価値観が理由ではないでしょうか。

 

働き盛り層の圧倒的大多数は、読めば息苦しくなるだけ

本書を読んで一つ確実なのは、働き盛りの40代前後はメインターゲットではない事実です。「次の時代のサバイバル術」的なタイトルをつける必然性はなかったと言えます。

佐々木俊尚さんはいつも、ほんの少しだけ未来に見えている事実を、誰よりも早く体系的論考にまとめて世の中に発信します。ちょっとだけ敏感な人々が薄々感づいている世の中の状況を、わかりやすく形にして提示してくれるのです。

個人的には、情報社会の構造を描き出してみせた『キュレーションの時代』から受けた納得感は尋常ではありませんでした。いろいろな立場のいろいろな人が、今までのやり方がうまくいかなくなった原因を糾弾していましたが、どうしても違和感が拭えませんでした。『キュレーションの時代』を読んで、すべてがつながり、違和感が解消できた経験があります。

佐々木俊尚さんが語るのは、いつも、現在の延長線上の必然です。未来予測や、ましてや予言ではありません。実際にいま目の前で起きている事実を統合すると、自然と見えてくる、近い将来を描き出しているだけです。

だからこそ問題になるのは『レイヤー化する世界』が紡ぎ出す一歩先の未来像が、旧来的社会システムの残滓で生きている圧倒的大多数にとっては、絶望的な内容である事実です。誰だって「あなたのやっていることは限界で、そのうち上手くいかなくなるよ」と言われれば、気分を害するし、とうてい納得できないでしょう。

おまけに崩壊するのは、音楽業界や地方行政といった限定的なものではなく、国民国家であり民主主義です。あまりに根底的かつ大きな概念が対象であるため、「そんなはずがあるわけはない!」と驚き憤り、「阿呆だ」「ほら吹きだ」「浅慮すぎる」と罵倒し、「議論に値しない」と無視しようとする人は少なくありません。(現時点では数は少ないですが)Amazonの書評にも現れています。個人的に、彼らの心情は痛いほどに理解できます。

 

あなたが日本社会に違和感を覚える若者ならば溜飲を下げる

佐々木俊尚さんはTwitterで「10代が想定読者層」と明言しています。

私は上記ツイートの存在を、本書を読んだ後で知りました。が、読みながら「『レイヤー化する世界』を読むべきなのは、これから社会に踏みだそうとする若者か、子育てをする親だろう」と考えていました。

私は仕事や活動の関係で、学生と接する機会がふつうの社会人よりは多いのですが、彼ら若者は等しく日本社会に、矛盾や、もどかしさを感じています。

実は若者たちは、『レイヤー化する世界』に描かれる、新しい社会に適応した生き方を、すでに自然に行いつつあります。しかしながら彼らがひとたび社会に出ようとすると、いまだ影響力が残り続ける旧来的な社会システムとの衝突が避けられません。例えば、就職にポジティブになれない若者の存在や、就活自殺は、彼ら若者が本能的に覚える日本社会への違和感が大きな原因の一つになっている、というのが、学生に触れていての実感です。

日本社会に違和感を覚える若者たちが、日々感じているストレスの理由を論理的に理解するために、『レイヤー化する世界』は現時点で最高の書物です。学生や、社会に出て間もない若者は、深く頷いて納得し、溜飲を下げるに違いありません。働き盛りのビジネスパーソンが反感を覚え、「いや、でもそれは」と言いたくなるような要素も、彼ら若者にとっては当たり前の状況でしかないはずです。

また、これから子供を育て社会に出す親にとっても、明確に読む価値のある本です(私自身、4歳と1歳の子育て中です)。自分自身は旧来的社会システムの残滓で逃げ切れても、子供の世代はそうはいかない可能性が高いからです。具体的にどんな子育てをするべきなのかは、親それぞれが試行錯誤するしかありません。が、『レイヤー化する世界』は、決断において、重要な材料になってくれるでしょう。

 

気になるのなら、手に取らない理由は見当たらない

10代を想定読者にしている、わかりやすい本です。

誰にとっても読む価値があります。一歩先の未来を的確に描き出しています。『レイヤー化する世界』を読まずに、現在進行形で起きている世の中の変化を理解するのは、間違いなく骨が折れるでしょう。

内容に反感を覚えるか、納得するかは、旧来的社会システムへの依存度次第です。ビジネスパーソンの圧倒的大多数にとっては楽しい本ではないでしょう。若者にとっては、キャリアを考えるうえでの又とない材料になります。

同時に、タイトルの影響で、つまらなそうに見えてしまっている本でもあります。もし、「ピンとこない」程度の不確かな理由で手に取るのを躊躇っているのなら、心配はいりません。いつもの佐々木俊尚さんの本と同じように、手に取った者の洞察を広げ、決断の糧になる種類の本です。

【Kindle版】

【書籍版】

301月

今の学生にも読んでほしい名作小説10冊(文学編)

売れ筋、知名度には関係なく、主に10代後半〜20代前半に読んで心を動かされた小説を紹介します。

たまには、スマートフォンのかわりに、文庫本を手にとってはいかがですか?

 

1. 楽しいムーミン一家 – トーベ・ヤンソン

アニメのムーミンしか知らない人は、ぜひ手にとってください。あのうすら寂しい、どこか心惹かれる世界観は、小説でこそ味わえるんです!

実はこれ、中学生くらいからむさぼるように読んでいました。

 

2. カモメのジョナサン – リチャード・バック

短い本です。文庫本で130ページ、文字も大きく、読書に慣れていない人でも読み切れるはずです。

いかに速く飛ぶか? を追求して異端扱いされたカモメの話。名作です。

 

3. ライ麦畑でつかまえて – サリンジャー

好き嫌いが分かれるサリンジャーの名作ですが、僕は大好きです。

今で言えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)でしょうか。普通の集団生活にどうにも馴染めない少年が主人公。

行動や言動は支離滅裂、ムチャクチャなんだけれど、なぜか痛いほどにわかるんですよね。

 

4. カラマーゾフの兄弟 – ドストエフスキー

名著と名高いですが、これは本当に凄い小説です。

読んでいて、神経が昂ぶるというか、血圧が上がるというか。

最近の文章に慣れている人には、ちょっと読みにくいかもしれません。が、慣れの問題なので(これ、本当)、本格的な文学が読みたいならば、絶対に読むべき。

 

5. 春琴抄 – 谷崎潤一郎

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谷崎 潤一郎 新潮社 1951-02-02
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谷崎潤一郎のエロティシズムは比類がないものです。

その中でも最高峰と言える名作が、この『春琴抄(しゅんきんしょう)』。とある下男が、盲目の春琴に折檻され続けるという話です。

とは言え、エロティックなシーンが描写されているわけではありません。直接書かないほうが、官能の世界は深まるんです。文学の奥深さを感じられる一作。

 

6. 鏡子の家 – 三島由紀夫

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三島 由紀夫 新潮社 1964-10-07
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鏡子の家に集った、4人の若者の話。

ひ弱な文学青年だった三島由紀夫が、ボディビルで体を筋肉で覆ったのは何故だったのか? 自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺したのはどうしてなのか?

4人の若者がそれぞれ意識し続けた対象と、迎える結末に、多くを考えさせられます。

三島由紀夫の小説なら、『仮面の告白』でも『金閣寺』でもなく、『鏡子の家』を読むべき。

 

7. 桜桃 – 太宰治

太宰治も好き嫌いがはっきりわかれる作家です。

好きならこの短編集に満足できるし、嫌いならブチ切れて投げ捨ててしまえばいいと思います。

 

8. ノルウェイの森 – 村上春樹

言わずと知れた大ベストセラーですが、売れた事実はオマケみたいなもんだと思っています。現代文学の金字塔。

本来、村上春樹の小説は、大衆ウケするような読みやすい文学ではないですし。

個人的には、未だ村上春樹と肩を並べる才能は、出てきていないと思っています。それほどの衝撃でした。

 

9. さようなら、ギャングたち – 高橋源一郎

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高橋 源一郎 講談社 1997-04-10
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最後に二つ、ちょっと変わった小説を紹介します。

みなさんは小説というと、カッチリとしたストーリーがあって、それを順に追っていけば安心して物語が理解できると思っていませんか?

でも、そんなのは思い込みであって、別にルールが決まっているわけじゃないんです。

とても読みやすい小説です。でも、一般的な意味では、理解不能です。

僕は大好きなんですけどね。

 

10. 一人の男が飛行機から飛び降りる – バリー・ユアグロー

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バリー ユアグロー 新潮社 1999-08-30
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ショート・ショートという、文庫本2・3ページしかない短い物語の短編集です。

夢を見ているかのような支離滅裂な話が次から次へと出てきます。でも、めちゃくちゃに書いていているのとは、どこかが違う。

今のところ、世界で一番好きな本です。

 

歴史の評価に耐えた、価値ある小説を読もう!

一般人が現代小説を読む理由はほとんどない、というのが持論です。

メジャーな題材は書き尽くされており、おもしろい物語の型も決まっています。

現代の世相を反映した小説が読みたい場合や、50年に一度の天才が出現した場合は話が別ですが、そうでなければ、わざわざ評価の定まっていない現代小説を読もうとするのは、よほどのマニアだけです。

小説には、時代と共に古びてしまうものと、歴史の評価に耐えてますます価値を高める名作とあります。

過去の偉人たちがたくさんの名作を残しているのですから、これから何か読もうと考えている人は、過去の名作を優先するのをおすすめします。

ただ一つ、現代小説のほうが遙かに読みやすいのは注意点です。

情報量が比較にならないほど増えた現代では、リーダービリティを無視していては、商業的に話にならないからです。

人によっては、『カラマーゾフの兄弟』なんかは、かなり読みにくいかもしれませんね。



301月

学生時代に世の中の見方を変えてくれた色褪せない名著16冊

大学を卒業するまでに、様々な文化や事柄に興味を持って、たくさんの本を読むべきだと思います。なぜなら、知識の幅を広げておかないと、何かしらの課題に取り組む際に、手詰まりになりやすくなるからです。

今回は、多くの「知」の引き出しを得るための、色褪せない名著を紹介します。多くは僕が学生時代に読んだ本ですが、今の学生にも自信を持って薦められるものばかりです。

いったん社会人になってしまえば、直接的なメリットに繋がらない読書をする余裕は、なかなか生まれません。ぜひ今のうちに読んでください。

 

文化・風俗

1. ヤクザの文化人類学

母国・日本について、どの程度、知っておくべきか。個人的には、「外国人に尋ねられて、答えられなかったら後悔するかどうか?」を基準にすればいいのではないかと思っています。

ヤクザは日本風俗の象徴であり、日本人ならば誰でも知っています。でも、その実態や文化については驚くほど知らないはずです。なぜなら、記者や研究者が入り込んで調べ上げるわけにはいかない世界だからです。

この本は、イスラエル人の文化人類学者が残した、5年間のフィールドワークの成果です。外国人だからこそ、ヤクザの世界に入り込むことを許されたんですね。

 

2.男達(おとこだて) 現代が失ったオトコの神髄

これは学生時代に読んだのではないのですが、ヤクザ関連本として紹介。九州誠道会理事長、村上一家四代目総長・浪川政浩氏が、作家・明石散人を相手に、自らの生き様を語った貴重な本。

知らないに世界に足を踏み入れる高揚感が半端ないです。ヤクザの信念や考え方、存在意義など、なるほどそういう仕組みだったのかと納得させられることもしばしば。

 

3. 象徴天皇と皇室

天皇はご存じの通り、太平洋戦争の敗戦を経て、日本国憲法において、「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と位置づけられています。

本書の著者は、「象徴天皇」こそが旧来的な天皇のあり方であり、大日本帝国憲法における天皇制のほうが異質なのだと主張しています。天皇の存在について改めて考えさせられる一冊。

 

4. 日本人とユダヤ人

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イザヤ・ベンダサン,Isaiah Ben-Dasan 角川書店 1971-09
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日本人論としては有名な本ですね。

個人的には、都合のいい事実のみを抜き出して持論を補強しているところが目に付き、主張そのものにはあまり賛同していません。学生時代にレポートを書いたんですけど、批判ばかりだった記憶があります。

が、「外国人と比較して日本人がどう見えるのか」を知っておくのは役立ちます。

 

5. 日本人のこころと神道

僕は國學院大學の神道科を卒業しているので、一般よりは神道に詳しいんですが、これは神社を理解するには最適の書です。

みなさんの地元にも小さな神社があると思いますけど、なぜそこにあるのか、理由がわかりますか? 実は、自分たち(みなさんの祖父や曾祖父の世代ですかね)が必要としたから、そこにあるんです。

現代の僕たちには、「自分たちのもの」という感覚はありませんよね。どうしてギャップが生まれたのか? これから神社がどうなっていってしまうのか? 古い本ですが、本質を知れる良書です。

 

6. 日本史鑑定

学校でならった日本史がいかにつまらないものだったか、が『日本史鑑定』を読めばよくわかります。

トンデモ本か、「目から鱗」の希有な論考か。判断するのはみなさんですね。

 

7. 新宗教の解読

オウム真理教事件を覚えていますか。日本の近代史の中で、最もインパクトの大きかった事件の一つです。今一度、振り返って整理してはいかがでしょうか。

あの衝撃の事件が起きる以前から新宗教を研究していた井上順孝氏による本書は、『天理教』や『創価学会』から『オウム真理教』に至るまでの新宗教の歴史が網羅されています。

 

美学・哲学

8. ソフィーの世界

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ヨースタイン・ゴルデル NHK出版 2011-05-26
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哲学って、おもしろいんですよねー。足を踏み入れたのは、(確か)祖母からもらった『ソフィーの世界』でした。

定番ですが、物語形式で進むみ、入門にはぴったり。

 

9. 哲学ファンタジー

絶版ですが、Amazonの中古で買えます。

あるとき、ソウル・ゴーンが、彼の禁欲主義理論を教えてくれた。「楽しみを後に延ばせば延ばすほど、最後にそれを得たときの喜びが大きいのは知っているね。したがって、もし楽しみを永遠に延ばせば、その楽しみは無限大になるはずだ。」

最近、星占いを信じているかどうかを、私に尋ねた人がいる。私が、「自分は双子座の人間だからそんなものは信じない」と言ったところ、その人はかなり困惑したようだ。

会社役員のパラドックスをご存じだろうか? これは、コライヤー著作協会のリサ・コライヤーが発明したものである。ある会社の社長が、会社の出費を抑えるような提案をした社員には、百ドルの賞金を提供することにした。これを聞いて、社員の一人が提案した。「その賞金をなしにする!」

本書からの引用です。思わず吹き出した人は、買いましょう。

 

10. 鏡と皮膚

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谷川 渥 筑摩書房 2001-04
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美学って知っていますか? 絵画や美術品の歴史を学び、作品に込められた寓意を読み解く、美術の学問のことです。

おもしろいのは、正解がないことなんです。僕が学生時代、最も尊敬したのが著者の谷川渥教授なんですが、博覧強記の鬼才の手にかかると「深読みだったとしても、そんなことはどーでもいい!」と思わせる素晴らしい知的ゲームになるんですよ。

僕はこの本、人に三冊あげました。いま手元にあるのは四冊目です。

 

11. ヴァレリー・セレクション上・下

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ポール・ヴァレリー,東 宏治,松田 浩則 平凡社 2005-02
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ソクラテス、プラトン、アリストテレス? ニーチェ、サルトル、ハイデガー?

こういう哲学史の偉人たちに興味があるなら、20世紀最大の知性と謳われるポール・ヴァレリーは外せません。

「ほかの作品を養分にすること以上に、独創的で、自分自身であることはない。ただそれらを消化する必要がある。」

「親友。本当の親友になるには、同じ程度のつつしみ深さをもつ者同士でなければならない。」

「自殺が許されるのは、完全に幸福な人だけだ。」

ヴァレリーの洞察は本当に心に響くんですよね。僕が一番好きな言葉たちです。

 

サイエンス

12. 記憶は嘘をつく

脳が記憶を都合よく作りかえてしまう事実は、臨床で証明されています。

同名の類書もたくさんあるので、「やっぱり」という感覚の人が多いんじゃないかと思いますけど。

 

13. 忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私

一方、まったく忘れることができない、という人も存在します。

つまり、「忘れる」というのは、脳の立派な機能なんですね。機能が不具合を起こせば、忘れられなくなってしまうんです。

忘れられなくなったら便利ですか? 私はそうは思いません。大失敗の記憶や、心の傷になるような辛い記憶も忘れられなくなってしまうんですから。

 

14. 脳の中の幽霊

「脳」の不思議、未知の世界は、この一冊に凝縮されています。手足を切断した人が、ないはずの手足に痛みを感じたり、かゆみを感じたり。

また、身近なところでは、盲点の話がおもしろいです。 盲点とは、眼球の奥の視神経が繋がっているところで、ここでは光を受けられません。つまり、我々の視野には、二つ穴が空いていて、見えない場所があるんです。

でも、言うまでもなく私たちは、見えない場所なんか無いと思っています。だってクリアに全て見えているんですから。

実は、脳が「見えている」と思い込ませています。本書に書かれている簡単な実験によって、盲点の存在を意識できるんですが、衝撃ですよ。

 

15. スティーブン・ホーキングの宇宙

「脳」の世界に勝るとも劣らない未知は、やっぱりなんと言っても宇宙でしょう。

筋萎縮性側索硬化症の物理学者、スティーブン・ホーキング。調べたら、71歳でまだ存命のようです。

本書は『Newton』のビジュアルサイエンスシリーズという特集で、写真が多く、一般人向けに書かれているので、物理学に拒否反応がある人にもおすすめです。

 

16. 世界の究極理論は存在するか―多宇宙理論から見た生命、進化、時間

そう、宇宙と言えば気になるのは、タイムトラベルは可能なのか? についてですよね。

本書はマルチバース(多元宇宙論)について、始めて説得力を持って書かれた本です。

社会における目の前の現実はちょっと忘れて、広大な宇宙の中にいる、極微少な自分の存在に思いをはせるのも、財産になるんじゃないでしょうか?

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