ビジネススキル

291月

子育てに学ぶ。部下や後輩と信頼関係を築きたかったら、相手に理解を示そう!

春に4歳になる娘は、反抗期真っ盛りです。叱られても、まず素直に謝ったり、非を認めたりはしません。そっぽを向いて「ブッ」とツバをはき出したり、聞こえないふりをしたり、物に八つ当たりしたり。

こういうとき、親としては当然ながらカチンとくるんですけど、強く叱っても意味はありません。むしろ逆効果です。

大抵は大泣きさせる結果になり、「どうして叱ったのか」「どうしてやってはいけないのか」を、理解してもらう機会を失ってしまいます。叱る側にとっても、後味が悪いですしね。

 

理解を示せば、驚くほど素直に

手を焼いてばかりの娘なんですが、素直に話を聞いてもらえる、魔法のような方法が、たった一つだけあります。

それは、叱る原因となった行動に理解を示すことです。

例えば先日、ベランダの窓を開けっ放しにしていて、1歳の長男が外に出てしまいました。雪が降っていたので、下の子の足とズボンの裾が濡れてしまいました。

朝の忙しいときに、着替えさせる手間が増えてしまい、妻は原因を作った娘を叱りました。「なんで開けっ放しにするの! 開けたらちゃんと閉めなさい!」と。

しかし娘は、口をとがらせて聞こえないふり。そこで私が妻に代わります。

私「ねえ、ゆいちゃん」

娘「……」

私「ゆいは、雪が降ってるから見たかったんだよね」

この一言で、娘の顔はパッと明るくなりました。

娘「たくさん降ってたの!」

私「ね。いっぱいだよね。でも、窓を開けたら、ちゃんと閉めないと、えいくん(長男の通称)が外に出ちゃうでしょう? 今度から閉められる?」

娘「うん。閉められる」

娘は、驚くほど素直に受け入れました。

 

部下や後輩との人間関係でも同じ

私は今ではフリーエージェントですが、それまでは課長クラスの仕事をしていた時期もありました。チームを作って機能させるのが得意(というか、苦にならない?)だったので、それなりにやり甲斐のある仕事でした。

部下と接する際にポリシーとしていたのは、

  1. 適材適所(長所を活かす、を優先)
  2. 部下に理不尽な仕事はさせない(例え部長以上の要求でも、必ず一度ははねつける)
  3. 最初から「できないヤツ」と決めてかからない
  4. 必ず相手の言い分を聞く

などです。

今回、話題にしているのは4つ目についてなのですが、これは本当に、子供と接するときと全く変わりません。

もちろん、子供のほうが遙かに純粋なので、反応もダイレクトです。大人ならば、理解を示してくれたからと言って、表情を輝かせるようなケースは少ないはずです。

でも、子供の反応というのは、人間の根源的な欲求が現れているのだと思います。積み重ねてきた経験や、プライドに覆われているとは言っても、大人だって同じ人間です。

 

頭ごなしに叱らず、相手の言い分と、結果に至った経緯を理解しようと努力する

強く叱られた場合、「怒られないようにしよう」と思うことはあっても、「本気で問題を解消しよう」とは、なかなかならないものです(例外の方もいるとは思いますが)。酷い人になると、やり過ごすことしか考えないケースもありますよね。

みなさんの職場で、怒られるのはいつも同じ人……という経験はないでしょうか? 改善しないのであれば、(上司がその人を狙って虐めているのでなければ)多くは叱り方に問題があるわけです。

ポイントは、結果だけを見るのでなく、相手の言い分と、結果に至った経緯を理解しようと努めることです。

うちの娘は、「窓を開けっ放しにした」結果だけ見て、頭ごなしに叱っても、へそを曲げて聞き入れませんでした。しかしながら、「雪が降っているのを見たかった」という言い分、「だから窓を開けた」という経緯を理解してあげることで、驚くほど素直に聞き入れたわけです。

 

同じ成果を出すなら、気持ちよく働けるほうがいい

社会人なのにそんなに甘やかしてどうする、という意見の方もいるかもしれません。が、私はその考え方には反対です。

もちろん私も、「気を引き締めるために怒ってみせる」ケースがあります。でも、怒ってみせるのは、20回に1回くらいなものです。

また、このような叱咤が効果を発揮するのは、信頼関係が出来上がっているからこそだと考えています。「また怒られた。やってられねー」などと愚痴が出るようでは、ミスは増え、能率はダダ下がりになります。経験上、まず機能的なチームは作れません。

それに、同じ成果が出せるのだとしたら、楽しかったり、居心地が良かったりするほうがいいと思いませんか?

もし、部下や後輩とのコミニュケーションに課題を感じているのなら、相手の言い分を理解しようとする努力から始めてみてはいかがでしょうか。半歩の歩み寄りが伝われば、相手も少しずつ、距離感を縮めてくれるはずです。

171月

ブレインストーミングって知ってる? 劇的にアイデアが出るようになるミーティングのやり方

フリーエージェントの僕も、たまーに企業に働きに行きます。昨年の夏も、NTTグループの某社で、主にソーシャルメディア運用の手伝いをしてきました。

僕が企業へ行って真っ先にやることは、ブレインストーミングです。なぜなら、

上司「目標はフォロワー1万。そのためにキャンペーンをやろうと思うんだけど、何かいいアイデアない?」

社員A「……」

上司「Bさんはどう?」

社員B「えっと……●●なんかどうでしょうか」

上司「……ありきたりだよ。もっと斬新なやつじゃないと」

社員B「ですよね(^^;)」

(埒があかない。上司イライラ)

上司「……じゃあ、明日のミーティングまでに、一人アイデア10個、考えてきてね」

社員A、B「はい……」

(また面倒な仕事が増えて、部下たち全員うんざり)

ちょっとステロタイプすぎるかもしれませんけど、企業のミーティングはこうなりがちだからです。

アイデアを出せと要求しておきながら、出したら出したで駄目出しする。これじゃ考える意欲が湧かないし、発言のハードルも上がってしまい、ミーティングは停滞します。

多くの場合、完成された解答を持ったスーパーな社員なんていません。なるべく多くの可能性を検討し、魅力的なアイデアのかけらを丹念に探す必要があるんです。そのために、ブレインストーミングで準備運動をするのが、劇的に効果があります。

 

ブレインストーミングは発想を豊かにし、アイデアを言い出しやすくする

ファシリテーションを学んだ経験のある方はいろいろ言いたいことがあるかもしれないんですが、個人的には、ブレインストーミングのメリットは、大きく2つだと思っています。

1. ゼロベースでの豊かな発想が可能になる

アイデアが出ない最大の要因は、環境の制約に、知らず知らず縛られてしまっているからです。例えば、スポンサーから収入を得ている場合、スポンサーのライバル会社を持ち上げる結果になるようなキャンペーンはできるはずがありません。

この、「できるはずがない」「それが当然」の積み重ねが、企業で働く人々をガチガチに縛り上げています(それがビジネスの仕組みなので、良い悪いではなく、仕方のない影響です)。

天才的アイデアに頼らないのであれば、まずはどれだけ多くの可能性を検討できるかが、最終的なアイデアの質を決めると言って過言ではありません。ブレインストーミングの手法を活かせば、環境の制約を緩められ、課題をゼロベースで検討しやすくなります。

 

2. メンバーの本来の力を引き出せる

もう一つ大きな弊害となるのは「馬鹿にされたら格好悪い」「ダメ出しされたくない」という社会人のプライドです。

大抵のミーティングは、馬鹿にされない立場の人か、馬鹿にされない自信のある人以外はほとんど発言しないで終わると思うのですが、みなさんの職場はどうですか? どんなに大人数だったとしても、中心的に発言するのは2割〜3割がいいところです。

これはつまり、たくさんのアイデアがほしくてミーティングしているはずなのに、10人中7〜8人の力は眠ったまま、ということです。

発言できないヤツは無能だと思いますか? もし、天才的アイデアに頼るつもりなら、その通りかもしれません。でもここでは、なるべく多くの可能性を検討し、最終的なアイデアの質を高める方法を論じています(みなさんの職場に天才はいますか?)。

なるべく多くの可能性を検討しようという場合、“人それぞれの個性”以上に頼りにできる要素はありません。誰かにとっての常識が、自分にとって目から鱗、という状況が多々あるからです。ブレインストーミングは、発言のハードルをグッと下げます。メンバーそれぞれが持つ本来の能力を引き出しやすくなります。

 

ブレインストーミングのやり方

ブレインストーミングを一言で表現すれば、質より量を重視したアイデア出しです。これはかなり本気で、量を重視します。15分で100アイデアくらいは出したいですね。

注意点は3つ。

1. 実現性を考えない

ブレインストーミングでは、最終的に結論を出す必要があったとしても、まずはあらゆる可能性を検討する過程こそが重要です。どれだけアイデアが出せたかで、結論の質が決まるようなものだからです。

「できるはずがない」「それが当然」という環境の制約を取っ払い、豊かな発想をするには、「できるかどうか」を果敢に無視するのが最も効果的です。

「会社(組織)としてやるべきこと」ではなく、「自分がやりたいこと」「やったら面白そうなこと」をガンガン出してもらいます。

 

2. どんな意見も絶対に否定せず、長所を見つけ出して褒める

ダメ出しをはじめ、周囲の冷ややかな反応が、発言のハードルを上げるのは、説明してきたとおりです。

では反対に、「おーなるほど」「それ、いいね」と積極的に意見を肯定したら、どうなるでしょうか。

これはもう、目に見えて“場”が活性化します。

実際のところ、誰のどんなアイデアがベストな結論になるのか、誰にもわからないものです。たくさんのアイデアを出し、比較検討しているうちに、だんだんとメンバーの間で合意が形成されていくのですが、当初は平凡に感じられた思いがけないアイデアにまとまるケースも少なくありません。

他者の意見を尊重し、どんなアイデアでも受け入れる場を作ってください。

 

3. 馬鹿げた意見ほど歓迎する

これこそがブレインストーミングの真骨頂。

本来、ミーティングって楽しいものなんです。なぜなら、自分たちの手で何かを作りだそうとする行為であるはずだから。

僕が企業へ行くと本当にびっくりするのが、メンバーの大半が心底つまらなそうにミーティングに参加している事実です。環境の制約や、プライドに縛られていると、本来は楽しいものが、「責務」とか「負担」でしかなくなってしまうんですね。

だからまずは、ミーティングの楽しさを思い出してもらう必要があります。

ブレインストーミングが始まったら、率先して笑い話にしかならないような超馬鹿げたアイデアを出してみてください。(え、そんなアイデアを出してもいいんだ……)と思わせることができたら、しめたもの。発言のハードルはますます下がり、バラエティに富んだ意見がポンポン飛び出してくるようになります。

 

自分たちで決めた! という納得感が得られる

様々なアイデアが出たら、結論に向けて絞り込んでいきます。似たアイデアは一つにまとめたり、あるアイデアに別のアイデアをくっつけて進化させたりしていくうちに、自然と結論が見えてくるはずです。

こうしてまとまった結論は、魅力的なアイデアであるケースが本当に多いです。また、あらゆる可能性を検討しているので、自分たちが納得の上で決めた、という当事者意識が生まれやすく、実行に移す際にもポジティブな影響になります。

また、ブレインストーミングを準備運動に利用するだけでも効果があります。いったん頭をほぐしてしまえば、通常どおりのミーティングも、ガラッと雰囲気が変わるのが感じられると思います。

タイトルで『劇的』と形容しましたけど、これは嘘偽りのない本心。本当に目に見えて変わるんですよね。

夏に行っていた企業では、ある人に「おかげでSNSの仕事が楽しくなりました」と言ってもらえたんですけど、たぶんそれはSNS運用を整理したからというより、ミーティングのやり方を変えて、それぞれが仕事に当事者意識を持てるようになったからではないかなーと思っています。

 

なお、今回紹介したブレインストーミングのやり方は、最低限の要素を踏まえつつ、個人的にカスタマイズしたものです。充分に成果は出ると思いますが、もうちょっと詳しく学びたい、あるいは方法論に興味があるという方は、下の書籍がおすすめです。

 
これはほんと、驚異的な本です。困ったときの『ゲームストーミング』、と言いたくなるくらい、様々な方法論が網羅されています。僕は、机から手が届く本棚にいつも置いています。手放せません!

2112月

ジョブズ(天才)じゃなくてもできる、伝えるプレゼンテーション7つのコツ

「人に何か伝える」のは難しいですよね。学生の面接から、社会人の商談まで、うまくプレゼンテーションできる人を見ると、どうしてあんなにうまく喋れるのか不思議じゃありませんか?

才能の差だから……と諦める? いえいえ。そんな必要はないんです。

さすがに聴衆を魅了するスティーブジョブズのようなプレゼンテーションまでは難しいかもしれませんが、「確実に伝えるプレゼンテーション」であれば誰にでも出来ます。

実は僕も人前で喋るのは苦手なんですが、大抵は「わかりやすかった」と言ってもらえています。お陰でプレゼンテーションは苦になりません。

コツは、以下の7つの法則を守ることです。

 

大前提として、何の話をするのか明確にする

聞く相手の立場で考えるのが、プレゼンテーションの原則です。

意外に忘れがちなんですが、多くの場合、相手は、これから何の話をするのか知りません。いきなり細かな説明から入ってしまえば、栓抜きとグラスを用意せずに「喉が渇いただろ?」と瓶ビールを渡すようなもの。

プレゼンの内容を嫌というほど知っているのはあなただけです。今更なようでも、本題に入る前に何の話をするのか明確にします。

 

問題提起する

「何の話をするのか」を効果的に伝える手段の一つが、こんな問題があるよね、という問いかけです。

例えばこの記事の冒頭で、「人に何か伝えるのは難しいですよね」と書きました。この一言があるだけで、コミュニケーションあるいはプレゼンテーションの課題について話すのだと想像がつくはずです。

 

一番大切な問いに答える

たくさん説明しなきゃいけない情報があるのはわかります。でも聞き手は、実はそんなことに興味ありません。

相手が知りたいのは、商品やサービスなら「今までと違ってどこが斬新なのか」であり、社会貢献プロジェクトなら「自分たち(あるいは誰か)の生活がどう変わるのか」です。

その商品やサービス、取り組み等の価値が伝わってこそ、はじめて相手は聞く耳を持ってくれます。

 

紙と鉛筆で設計図をつくる

以上のような原則を守ってプレゼンテーションするには、どういう順番で何を喋るのか、それなりの計画性が求められます。

頭のなかにはっきり手順を思い描ける場合はいいんですが、そうでない場合はいきなりパソコンに向かってもいいプレゼン資料は作れません。

僕は、紙と鉛筆を使います。頭で考えるより、手で何かを作ったり書いたりするほうがいい発想が生まれ、考えが整理されるんです。コンストラクショニズムという考え方に近いですね。ジョブズも始めに絵コンテをつくるそうですよ。

 

図表で説明しようとしない

一番やってはいけないのが、ゴチャゴチャした細かい図や表での説明です。

第一に、スライドじゃ細かいところまで見えません。特に僕は視力があまりよくないので、こういうプレゼンに出会うと途端にやる気をなくします。

第二に、そんな多くの情報を覚えていられる人はいません。情報量を増やせば、それだけ“本当に覚えておいてほしい情報”の存在感が薄れてしまいます。

第三に、聞き手は図に注目して、あなたの話を聞かなくなります。

特に3つめが重要です。もしスライドにたった一言のキャッチフレーズしか表示されていなかったら、聞き手は「何を話すんだろう?」とあなたのトークに注目するしかなくなります。

 

箇条書きはしない

人はなぜ箇条書きをするんでしょう。理由をよーく考えてみてください。

もしかしたら、あなたが話をするときに、話す内容を忘れないためじゃないですか?

だとしたら、百害あって一利なし。箇条書きでなければならない明確な理由があるのならいいんですが、そうじゃない場合は絶対に使わないこと!

箇条書きをするくらいなら、たった一言のキャッチフレーズが書かれたスライドを何枚も用意してください。論旨が明確になるし、前述のように、聞き手があなたのトークに注目するメリットもあります。

 

練習する

以上の法則を守れば、ほとんど間違いなく、立派なプレゼンテーション資料が作れます。

あとは練習するだけです。練習をすればトークの内容を整理でき、何より自信がつきます。

7つの法則の中で何が最重要か? と問われれば、迷わず「練習」と答えます。僕は少なくとも3回は通しで練習します。ええ、人のいないところでこっそりと(^^;)

今までプレゼンに自信がなかった人は、騙されたと思って練習してから本番に臨んでみてください。

劇的に変わるはずです。

 

プレゼンテーションは技術

ジョブズはプレゼンテーションの天才でしたけど、本当に他人には真似できないと感じるのは、伝える情熱や使命感の部分だけです。

トークの内容や、プレゼンテーションの構成は「技術」であり、学べば誰にでも実践できます。

それを証明しているのがこちらの本。

 

フリーエージェントという仕事柄、プレゼンテーションする機会が多いので、関連本は何冊も読みました。その中で断トツに優れていた1冊です。

著者のカーマイン・ガロ氏は、プレゼンテーションを始めとするコミュニケーション・スキルのコーチ。「人に伝える」を論理的に語らせたら随一の方です。天才・ジョブズの事例を豊富に提示して解説してくれるので、面白いですしね。

社会貢献プロジェクトに取り組む学生や、就活生、社会人まで。読んでおいて損はしないはず。全力でおすすめです。

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