よりよい子育てのためには、自分らしくいられる新しいコミュニティを見つける必要がある。
なぜなら、親が不満やストレスを抱えたまま生活していて、充実した子育てができる道理はないからだ。
しかし、古典的なコミュニティ(たとえば、地域や学校の繋がり)では、自分らしく振る舞うのは難しいケースが多い。
価値観の異なる人間が、ただ近くにいるからという理由だけで集ったものだからだ。
表面的な理解のみで成り立っている、閉塞的な人間関係は、息苦しい。
かといって、まったくコミュニティに参加せずに孤立すれば、やはり子育てのハードルは高くなる。
独力のみで子育てを成し遂げるのは、至難の業だ。
いま日本社会は、志のある人たちの活躍や、Facebookの普及により、共通する子育ての価値観をベースに、仲間を得られるようになってきている。
これが立派にコミュニティとして機能する事例が出てきている。
こうした新しいコミュニティを探し当て、子育てをよりよいものにするために、親に求められる「3つの決断」を紹介する。
決断1:Facebook上では自分を偽らない
自分に合った新しいコミュニティを探し当てるには、どうするべきか。
あなたがまずやるべきは、自分を偽らないことだ。ありのままの自分を見せなければ、本当の仲間は見つからない。
しかしこれは、地域社会や職場など、逃げ場のない人間関係では、難しいケースも多いだろう。
だが、Facebookではそうではない。
目障りな投稿を非表示にしたり、ストレスを感じる投稿者のフォローを止める(相手には通知されず、「友達」状態も維持される)ことで、あなたのFacebookは、どんどん快適な空間になっていく。
自分を偽らずに、ありのままを発信しよう。
波風が立つからと躊躇してはいけない。良いものは良いと言い、気に入らないものは気に入らないと発信するべきだ。
離れていく人を、無理につなぎ止めておく意味はない。あなたにとって、もともと必要のない人たちだからだ。
必要のない人間関係にストレスを感じたり、時間を奪われたりすることほどの無意味はない。
ありのままの自分でいて、それを受け入れてくれたり、許容してくれたりする人たちだけのために、時間を使おう。
あなたの良いところも、悪いところも知って、それでも付き合ってくれる大切な人たちは、“自分らしくいられるコミュニティ” について、たくさんの示唆をもたらしてくれるはずだ。
決断2:「できない」でなく「やりたい」と向き合う
Facebookのデトックスは、自分の周囲の環境を整える作業だ。居心地が良くなる反面、視野が狭くなり、自分に合ったコミュニティを見つける作業から、遠ざかってしまうかもしれない。
次にやるべきは、自分にとって大切な人たち、重要な人たちの発信に目を向け、気になる情報があったら、積極的に行動してみることだ。
このとき、できない理由を探してはいけない。
一人で子どもたちを連れて行くのは大変だ、知らない人たちのイベントに参加するのは不安だ、行ってみてつまらなかったらどうしよう……など、ネガティブな感情に引きずられていては、あなたの境遇が変化することはない。
「楽しそう」「おもしろそう」「行ってみたい」「やってみたい」という衝動と素直に向き合い、フットワークを軽くしよう。
とりあえずやってみなければ、良いも悪いもわからない。
※逆に、他人から誘われたとしても、おもしろそうだと思えなかったら、きっぱり拒否することも大切だ。参加者におもしろそうだと思わせられないのは、100%、主催者側の落ち度だ。断じてあなたの責任ではない
決断3:「違う」と感じたらドライに切り捨てる
行動してみて、成功するケースもあるし、失敗に終わるケースもある。
だが、失敗を恐れる必要はない。たくさんの人と会い、価値観に触れ、空気を体験することで、様々に気づきが得られる。世界は、広げれられるだけ、広げたほうがいい。
ただし、「とりあえず行動してみる」というアグレッシブさと同時に、「やってみて “違う” と感じたら、きっぱり方針転換する」という、ドライな姿勢も重要だ。
違和感があるのに放っておけば、足枷になってしまう。いつまでたっても、自分らしくいられるコミュニティには近づけない。
人生とは、行動して可能性を広げる作業でもあると同時に、生きやすくするために可能性を限定していく作業でもある。
無数の「違う」の積み重ねがあってこそ、自分が求めているものが形になっていくと私は思う。