[ads1]
農薬混入で大変な騒ぎとなっている株式会社マルハニチロホールディングスですが、先日このような記事が上がっていました。
【冷凍食品に農薬】製造ラインに複数の死角、施錠されていなかった急速冷凍庫 – MSN産経ニュース
読んで、あれ? と思ったんですよね。製造ラインに死角があるとか、施錠をしていたとかしていなかったとか、そんなレベルなのかと。
社内の人間でも大半が入れないほどの厳格な管理をするCPフーズ(タイ)
実はまったく別件で調べものをしていて、タイの世界的食品メーカー『CPフーズ』について知ったところでした。
飢えと無縁の国で飛躍する食品メーカー:日経ビジネスオンライン
儀式を経た後、完全冷房のそれぞれの部屋が独立し、行き来のできない4つの工程に進む。第1の工程では、内臓を取り除き、血抜きをする工程である。この工程では無数の鶏肉がフックにかかったままでそれぞれの工程を進む。ここから鶏肉が通過できる大きさの穴のあいた壁を通って、次の工程へと進む。
(中略)
まず、緑の線の入った帽子の作業員が鶏肉を受け取り、手で中に骨や異物がないかを確認して、白い帽子のラインに流す。白い帽子の人々はこれを丁寧により分け、形を整える。この形が整った鶏肉をまた、別の緑の線入り帽子をかぶった作業員たちが再び手で骨や異物がないかを確認して次の工程へ流す。オレンジの監督者はこの作業を後ろからしっかりと見守っている。
逆には進めないベルトコンベアで、壁に仕切られて行き来できない次の部屋に移り、揚げる、焼く、味をつけるなどの工程に分けられる。この工程は注文に応じて様々な体制が組めるようになっており、筆者が見学した時には1ラインは日本向けの照り焼きチキンを作っているところだった。
さらに同じように壁で仕切られた次の工程に移り、袋詰めの際には、センサーで加工ミス、異物などがないかチェックされ、さらにそれをパスしたものを、人が一つひとつ目視によって確認したうえで行う。そして冷凍室、冷蔵室、出荷場へと運ばれるのである。
この過程で驚かされるのはまず、その品質管理、衛生管理の厳しさと厳格さだ。各部屋を行き来させない、決して逆回りできない加工工程、徹底したチェック体制。まさに昨今、日本で話題になる食の安全を満たす工場となっている。
太字は私の手によります。これ、2008年の記事なんですよね。5年以上も昔の時点で、これだけの品質管理をしている。
しかも、生産管理についても、
さらにCPFは豚、鳥、魚、エビなどをすべて自社で養殖している。その養鶏場などの見学を申し出るとはっきりと断られた。
「外部の人間が病原体を持ち込むことを避けるため、CPF社内の人間でも大半が養鶏場には入ることを禁じている。それぐらい徹底した安全管理をして初めて、CPFの食品は安全だと言える」と工場を案内してくれたナムチップ・チュンポルクルオン博士は言う。
という具合で、食品メーカーも大変だなあと思っていたところでした。
ところが、マルハニチロの農薬混入事件では、鍵をしていたとか、していないとかでニュースになっている。
マルハニチロの安全基準は低レベルと言わざるをえない
もちろん、マルハニチロも、安全管理をしていないわけではないんです。
でも、CPフーズと比べてしまうと、あまりに低レベルと言わざるをえませんよね。今回、実際に生産したのはアグリフーズですが、認定しているのはマルハニチロであるわけで、「自社工場ではない」なんて言い訳は通用しません。
日本の食は安全だと考える人は多いですが(私もそう思い込んでいました)、必ずしもそうとは言えない時代のようです。印象で判断せずに、しっかりとメーカーごとの取り組みに注目するようにしたいと思いました。
ちなみにCPフーズの食品は、激安なうえにかなり美味しくてびっくりします。前段の記事(2008年)だと、セブンイレブンなどにおろしているそうですが、おすすめなのはコストコで売られている直輸入品ですね。