「乳幼児にスマホを使わせて大丈夫なのか?」親は誰も自信が無い

山本一郎さんが、3人の子育てをする立場から、スマホ子守りを擁護する記事を書いています。

乳幼児にスマホを与えて夢中になると、親とのコミュニケーションが減り、あやす機会が乏しくなる弊害があるのは仕方がないとして、親の立場で申しますと「交流などどうでもいいからとりあえず静かにしていて欲しい」とか「あとで存分に遊んでやるのはいいから、いまは大人しくしてろ」などという機会が発生したとき、強い味方になるのはスマホアプリやyoutube動画などです。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20131117-00029863/

私としても、すごく納得できる内容でした。

実際、我が家でも、4歳と2歳のこどもたちはiPhoneやiPadを使いこなしています。

昨日も、蕎麦屋での昼食の最中に、2歳の息子が眠くてどうにもならなくなり、ぎゃーと泣き始めました。椅子を自らずり落ちて、床に寝転んで、泣きわめく。

服が汚れるのは気にしないのでいいとしても、飲食店なもので、お店や周囲の客に迷惑なわけです。

本人はもう、眠気がMAXで半狂乱になっていて、優しく話しかけようが、抱っこしようが、もうどうにもならない。

蕎麦なので、長く見積もってもあと10分だけ座っていてくれればいいんですけど、その10分がひねり出せない。

そこでiPhoneの登場です。「じゃあiPhoneを見る?」と聞いたら、鼻水ダラダラでひっくひっく言いながらも、なんとか椅子についてくれました。

昔なら、肩身の狭い思いをしながら無理やり完食するか、もったいないけれど食べるのを諦めて店の外に出て、寝かしつけなければならない場面です。

知らないせいでスマホの悪影響に考えが及ばない層は存在する

だからと言って、スマホ子守りの危険性を啓発する必要はない、とは思いません。

なぜなら、スマホ子守りを、現実的かつ合理的に、使いこなせている人ばかりではないからです。

例えば、自分がスマホをいじりたいからという理由で、こどもにゲームをさせる親も存在するでしょう。

これは、知り合いの保育士のコミュニティから伝え漏れてくる実情を聞けば、親が悪いというより、情報や知識が不足しているせいで、子供に何らかの悪影響になる可能性に、まったく気づいていないケースが多いそうです。

もう一つ、我が家では、特に4歳の娘には、「スマートフォンをやってもいいけれど、やるべきことはしっかりやりなさい」とルールを作る必要が出てきています。

放っておくと、スマホに夢中になって人の話を聞かなかったり、誰かが帰ってきても「お帰りなさい」を言わなかったり、「歯を磨いて」「出かけるからトイレに行って」と言っても動かなかったり、という兆候が見え始めていました。

昔なら「ファミコンは1時間まで」みたいな話ですけど、スマホは空き時間に手軽にできてしまうので、切り替えを覚えてもらえないと、人としていろいろ危険です。

このあたりも、「これじゃまずい」と気づく親はいいとしても、違和感を覚えない親も少なからずいるでしょう。

ある程度ITリテラシーがあるような層が「日本小児科医会は何言ってんだ」「うちは適正に使わせている」と反発するのは当然かもしれません。

が、スマホが子供に悪影響を与えるリスクに気づかない層へ啓発する意義は、確かに存在します。

スマホの危険性の啓発を、イロモノとして切り捨ててしまうのは、危険だと思います。

親は「本当に乳幼児にスマホを使わせて大丈夫なのか?」自信が無い

ITリテラシーが高い層が、「我が家はスマホ子守りを使いこなしている」と主張しながらも、こうした啓発に反発してしまうのは、スマホ子守りに肩身の狭い思いをしているか、「本当に乳幼児にスマホを使わせて大丈夫なのか?」と自信が無いからです。

もし自信があれば、自分が批判されているとは感じないはずです。

前者は、世代が違えば理解されないのは当然なので、ある程度は諦めるしかないかもしれません。が、後者については、親はもっと胸を張っていいと思います。

乳幼児期からスマホに触れさせれば、それが合理的であったとしても、失われるものは当然あるでしょう。

一方で、スマホに触れていたからこそ、私たち親世代とは違った世の中への適応の仕方をする面もあります。

それが総合的に見て良いのか悪いのかは、もちろん育ってみなければわかりません。が、だからと言って旧弊的な考え方で子育てをするのは、個人的には好きではありません。

親は覚悟を持って向き合うしかない

時代は移り変わります。世の中の変化を恐れずに、勇気を持って、しっかり覚悟をしつつ、スマホを使って子育てをすればいいのだと思います。

もちろん、前例がないわけですから、慎重ではあるべきです。スマホが普及したのはここ数年です。

私自身、登山中に現在位置を確認するように、しばしば立ち止まって「本当にこれで大丈夫なのか」を見極めながら、問題は修正しつつやっていけたらと考えています。