「新聞読む子、勉強もできる!?」って、こんな統計で大丈夫なの(; ̄Д ̄)

産経新聞が脊髄反射したくなるオモシロい記事を出しています。

新聞読む子、勉強もできる!? 全国学力テストで相関関係 文科省調査+(1/2ページ) – MSN産経ニュース

新聞を読む子は勉強がよくできる-。今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を文部科学省が詳しく分析したところ、新聞を読む習慣と学力との間に相関関係があることが25日、分かった。こうした分析調査を行うのは今回が初めてで、文科省では「新聞を読むことは、幅広い興味や関心を引き出すことにつながる。家庭学習の教材としても活用できるのでは」としている。

 

新聞を読むって、テレビ欄のことでしょうか

大前提として、この調査は、小学校6年、中学校3年のみを対象とした、いわゆる「全国学力テスト」のうち、「生活習慣や学校環境に関する質問紙調査」の内容を、テスト結果に照らし合わせて分析したものです。

全国学力・学習状況調査の概要:文部科学省
生活習慣や学校環境に関する質問紙調査 …

で、

新聞を「ほぼ毎日読んでいる」と答えた小学6年の算数B(応用問題)の平均正答率は65%で、「週1~3回程度」63%、「月1~3回程度」59%、「ほとんど(または全く)読まない」55%-と、多く読んでいる方が正答率が高かった。

と言うんです。

これ、報告書のPDFがWeb上にあるんですけど、どんな質問項目だったのかな? と思って見てみたら、

2013-12-26_0551

モロに「新聞を読んでいますか」としか質問していないんですよ。

小学生や中学生のとき、僕はTV欄とスポーツ欄くらいしか「読んだ」記憶がないんですよね。今の小中学生がどうなのかは、もちろん知る由もないのですが。

TV欄やスポーツ欄だけでも、毎日チェックしていたら、「ほぼ毎日読んでいる」と解答するケース、少なくない思うんですよねー。

相関関係を否定したいわけではなく、こんな統計の取り方で、データとして有為なんだろうか、というのが僕の疑問です。

 

朝食を食べるだけでテストの成績が10点も上がる!?

これ、相関関係をチェックしているのは、新聞を読む習慣だけじゃないんです。例えば、

・朝食を毎日食べていますか
・自分には,よいところがあると思いますか
・人の気持ちが分かる人間になりたいと思いますか
・友達との約束を守っていますか
・家の人と学校での出来事について話をしますか

などに「当てはまる(している)」と回答すると、テストの平均点がいいという結果が出ています。

一方で、

・普段(月~金曜日),1 日当たりどれくらいの時間,インターネット(携帯電話やスマートフォンを使う場合も含む)をしますか
・難しいことでも,失敗を恐れないで挑戦していますか
・いじめは,どんな理由があってもいけないことだと思いますか

では、(国語A・B、算数A・Bのうち)一教科だけでしか相関関係が見られないと出ており、

・家の手伝いをしていますか
・家の人に「勉強しなさい」と言われますか
・地域社会などでボランティア活動に参加したことがありますか

では、まったく学力との相関関係が見られないそうです。

毎日朝食を食べていると、どちらかと言えば食べている人と比べて(食べない人との比較じゃない)、8点から10点も平均点が上がっているんですよ。

一方で、インターネットの利用時間やボランティア活動はテストの点とは無関係(らしい)。

詳細はこちら

うーん。

こんな統計で本当に大丈夫なんでしょうか。(; ̄Д ̄)

余談ですが、産経新聞の記事の、

また、「地域や社会で起きている出来事に関心がある」かどうかを聞いたところ、「ある」と回答した子供のほうが「ない」とした子供より、小・中学生とも国語Bの正答率が15~18ポイント高く、こうした社会への関心についても新聞が役立っているといえそうだ。

は、我田引水すぎて微笑ましすぎる気がします。「地域や社会で起きている出来事に関心がある」が新聞の影響かだと、どうやって判断したんでしょう。まあいいですけど!