なぜ妖怪ウォッチは成功したか? Appleに学ぶ高品質コンテンツを作り出す秘訣


5歳の娘と『妖怪ウォッチ2』で遊んでいるんですが、これがなかなかおもしろい。

あんまりおもしろいので、妖怪ウォッチのマーケティング、クロスメディア戦略について、いろいろ調べてます。

ヒントはApple。一つの思想、戦略のもとに、徹底的に作り込めている&連携が取れているのが、大ヒットの大きな要因の一つなんだな、と思いました。

 

ハードとソフトを自社開発するApple

その筋の方はよくご存知でしょうが、iPhoneやMacを作っているApple社と、Windowsを作っているMicrosoft社には、大きな違いがあります。

ハード(パソコン、スマートフォン、タブレット)とソフト(OSやソフトウェア、アプリケーション)の両方を、自社で開発しているか否かです。

Macであれば、Mac本体を作っているのも、Mac OSⅩを作っているのも、Apple社です。

が、Windowsを作っているのはMicrosoftですが、搭載するパソコンを作っているのは、ヒューレット・パッカードであり、Dellであり、レノボであり、NECであり、SONYです。

ハードとソフトを同時に作れる強味は、ユーザの体験の質の細かいところまでコントロールできる、徹底的な作り込みが可能になる点です。

 

Appleの時価総額世界一は、世界一のプロダクトがあってこそ

よく、iPhone(iOS)に比べて、Android搭載スマホの使いにくさが指摘されますが、これが大きな理由の一つです。

iPhoneは、ハードもソフトも、一つの価値観の元に、作り込まれます。

が、Androidは、Google社が開発しているOSであり、ハードであるスマートフォンは、各メーカーが製造しています。

メーカーそれぞれが「こんなスマホを作ろう」という考えを持っているわけですが、それにあわせてAndroidをカスタマイズする必要があるわけです。

Appleが時価総額世界一の企業に成長できたのは、単純に、

比肩するものがないほど、ハイクオリティな製品を送り出せている

というのが、大きな理由です。

Appleマニアの方は、マーケティングやら、ブランディングやら、他にもいろいろ言いたいことはあるでしょうが、とりあえず、ココが重要です。

 

「妖怪ウォッチ」シリーズは3DSのゲームが大元

さて、本題。妖怪ウォッチについて。

あれよという間に世の中を席巻して、大ブームになりました。

あまりのスピードなので、「ただの流行り物だろ」くらいに思っている方も多いんじゃないでしょうか。

ところが、思いのほかコンテンツの質が高く、私は驚いています。

気になって仕方がなくて、今いろいろ調べているんですが、特筆すべきは、

ゲーム会社発のクロスメディア企画

という事実に集約されると思います。

ゲーム業界にはまったく詳しくない私なので、調べて初めて知ったんですけど、妖怪ウォッチって、オモチャや漫画、アニメが原作なんじゃないんですね。

 

大人が遊んでも超良作「妖怪ウォッチ2」

我が家の5歳の娘が、夏前くらいからだったか、妖怪ウォッチにハマり出しました。

TVアニメも見るし、オモチャの妖怪ウォッチも欲しがるし、ついに、おばあちゃんにもらったお金の一部で、3DSのゲーム「妖怪ウォッチ2」を買ったんです。

あんまり世の中で流行っているんで、私もちょっと興味を持って、ゲームを遊んでみました。

すごく出来の良いゲームでした。大人が遊んでも、超良作です。

私は、ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、プレイステーション、セガサターン、プレイステーション2、プレイステーション3……と遊んできた世代です。

だからWiiとか、スマホゲームとか、大半は「ちゃちな作りだなー」と感じるんですが、「妖怪ウォッチ2」は、ふつうに質の高いゲームでした。

もちろん、対象年齢なりの難易度ではありますが、それでも、文句なしにおもしろいですよ。

 

最初から漫画、テレビアニメ、オモチャ、音楽、映画など様々なメディア展開を目指した企画

感心して、いろいろ視野を広げて見てみると、アニメもおもしろいし、おもちゃ類もよくできているんですよね。

そして、ひとつ一つがよく連動している。

大元のコンテンツを供給しているのは、株式会社レベルファイブというゲーム会社です。

レベルファイブは、「レイトン教授」シリーズ、「イナズマイレブン」シリーズを出しているところです([lightbox full=”http://yorikanekeiichi.com/wp-content/uploads/2014/11/2014-11-28_0931.png” title=”株式会社レベルファイブ 代表作一覧”]【画像】代表作一覧[/lightbox])。

妖怪ウォッチは、「イナズマイレブン」シリーズと同じように、最初から、さまざまなメディアで展開することを目指したクロスメディア企画で、参画企業は、

  • 電通(広告代理店)
  • 小学館(コロコロコミック)
  • テレビ東京(テレビアニメ)
  • バンダイ(オモチャ)
  • エイベックス(音楽)
  • 東宝(映画)
  • KADOKAWA(DVD)

など、そうそうたる顔ぶれ。

言うまでもなく「最初から」というのがポイントです。

ゲームがヒットしたから多面展開して行きましょう、ということではないんですね。

 

キーはレベルファイブ代表取締役社長・日野晃博と、頻繁なコミュニケーション

いろいろ記事を読んでみると、レベルファイブ代表取締役社長・日野晃博さんの才覚によるところが大きいようです。

この方が、確固たるマーケティング視点を持って、クオリティをコントロールしているからこそ、一定以上の品質を担保できている。

『妖怪ウォッチ』快進撃! ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!【インタビュー完全版】 – ファミ通.com

加えて、以下の記事にあるように、

グッズ売り切れ続出、大化けした妖怪ウォッチ | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

現在、妖怪ウォッチのクロスメディア展開に携わるパートナーは9社。テレビ東京やバンダイなどのほかに、広告代理店の電通、音楽ではエイベックス、DVDではKADOKAWAなどとも組む。

この10社は通常行う月1回の制作委員会の会議のほかに、2週間に1回、宣伝会議と称して、電通に集まる。電通のコンテンツ局アニメ部によれば、ここまで頻繁に打ち合わせを行う事例は珍しいという。各社は年間のスケジュールを共有し、次の仕掛けを仕込む。日野社長は各社の企画に目を通し、指示を出す。

10社もの大企業が、一堂に会する会議を、月に3回もやっているようです。

 

日野氏の指揮のもと、徹底的な作り込み&連携ができている

ここで思い出してもらいたいのが、冒頭のAppleのお話です。

なぜAppleがハイクオリティな製品を生み出せるのかというと、一つの思想のもとに、ハードもソフトも、徹底的に作り込めるからでした。

「妖怪ウォッチ」クロスメディア企画も、似たところが見られます。

もちろん、メディア事業は、スマホ本体とOSを一緒に作るような規模では済まないので、一社ですべてをやるのは、現実的ではありません。

その代わり、各社が、頻繁にコミュニケートし、情報共有することで、一つの戦略にまとまることができている。

さながら、日野晃博氏は、スティーブ・ジョブズでしょうか。

 
※ただ、日野晃博氏の専横というわけではなく、各社が積み重ねてきた経験やノウハウも活かしているようです。

『妖怪ウォッチ』快進撃! ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!【インタビュー完全版】 – ファミ通.com

――しかし、子どものころの感覚を強く持ち続けて、しっかり思い出してジャッジするというのは、かなり難しいことですね。それができることも、日野さんの大きな武器なのでしょうね。
日野 どうでしょうね(苦笑)。ただ僕と同じ考えかたは、月刊コロコロコミック編集部の方々も強く持っているんです。たとえばゲームのパッケージを最初に作ったときに、主人公のケータくんとフミちゃんが、肩を寄せ合っている、昔の“明星”などのアイドル雑誌のような構図の案があったんです。それを、僕がディレクションする前の段階で、たまたまコロコロさんの目に触れる機会があったのですが、そこでコロコロの人たちに言われたのが、「これは子どもの感覚でいうと恥ずかしいですよ」と。「男と女が背中合わせでかっこいいね」というのは高校生以上の感覚であって、小学生の子どもたちとしては、男が女の子と背中合わせになったり、顔を横に並べたりするなんていうのは、「うわ、お前、女にそんなに近づいちゃって!」みたいな感じなんですよね(笑)。

――ああ、ありましたね、「お前、女とベタベタしやがって恥ずかしい!」みたいな(笑)。
日野 そういう感覚があるということは、もちろん僕自身としても注意して、気づいていることではありますが、コロコロさんから教えてもらうこともあるんですよ。

 

妖怪ウォッチ人気の秘密を理解したければ、ゲームを遊んでみるのが一番

ここまでやるからこそ、あれだけのクオリティのコンテンツになっているんだな、と感心した次第です。

とりあえず、ゲームをやってみるといいと思います。

妖怪ウォッチの大元はゲームですから。

ゲームをやれば、妖怪ウォッチ人気の仕組みの大半は理解できます。

あと2週間で、真打も発売されるんですよね。その翌週には、映画公開ですね。

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』公式サイト

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