272月

田中ゆうたろう杉並区議はなぜ炎上したか?


政治家にとってWeb発信は武器になります。例えば、野田聖子議員。

「少子化対策は妊娠中絶問題から」はミスリード。野田聖子議員はいいことを言っている。

Web上に記事があったお陰で、それほど苦労せずに発言の真意を探ることができました。もし日経ビジネスの記事がなかったら……朝日新聞の発言切り取りだけが一人歩きして、誰も検証・反論できなかったはずです。

メディアの力を借りるのでもいいですし、自分でブログを書くのでもいいですけど、政治家はWeb上に、誤解を生まない程度にまとまった形で意見を表明しておくべきだと思います。

野田聖子氏は、自民党総務会長に就任してから、多忙を見越してブログもTwitterも止めてしまっていますけど、止めないほうがいいんじゃないでしょうか。山本一太内閣府特命大臣は、就寝前の僅かな時間でブログを続けていますし、世耕弘成官房副長官は、激務ながら首相官邸の一日を淡々と綴るのみと割り切って続けています。

普段から発信していて注目されていれば、発言切り取り報道や、誤報の被害にあったときに、瞬時に反論できます。実際、すぐに反論して炎上を未然に防ぐ例はよく見られます。

 

なぜ杉並区議会議員のブログが炎上したか? 3つの理由

一方で、伝え方がまずいせいで炎上してしまっている方もいらっしゃいます。

一抹の忸怩なき待機親に一抹の疑義あり: 田中ゆうたろうブログ

政治家は自分の考え方や信念をWeb発信しておくべき、と書いてきました。田中ゆうたろう区議のWeb発信も、その行為自体は正しいと思います。ただし、上記ブログには大きく3つの問題があります。

 

炎上した理由1 サイトデザインで教育現場出身という情報を伝えられていない

田中ゆうたろう区議は、略歴を見ると、教育現場出身の方だそうです。政策も、幼稚園勤務の経験から、「家庭」「教育機関」「地域」の3つを柱に子供を育てていこうという信念があるようです。

つまり、今回主に炎上の原因となった「子育ては本来は家庭で行うもの」という記述は、家庭だけで育てろ、という意味ではなく、「教育機関」「地域」だけでなく「家庭」でも育てるのだという意識がおろそかになっていないか、という主旨だったと想像できます。

また、もしこれが、教育現場からの意見だと知っていたとしたら、なるほどと納得するまではいかずとも、「目に余るモンスターペアレントもいるんだろうな」と想像してくれる方もいたはずです。

しかしながらWebページでは、記事を読む前に書き手の経歴をしっかり把握しよう、などという面倒をする人は、ほとんど存在しません。読み手の圧倒的大多数は、区議会議員=政治家の意見だ、としか捉えないわけです。

そもそも、サイトデザインからして、区議会議員である事実のみを前面に打ち出す設計になっています。たとえば、経歴を見ないほうが悪いという反論は、これではけっして正当化できません。

 

炎上した理由2 一記事だけで完結させる意識で書いていない

あるいは田中ゆうたろう区議は、自身が教育現場出身だと読み手は知っているだろうと思ったか、少なくとも掲げている政策を見れば誤読なんか起きないと考えたのかもしれません。

確かに、よく見れば、政策を知ることができる『信念』というカテゴリへのリンクを見つけることができます。

ところが、今回のように特定記事が炎上した場合はもちろんのこと、平時でも、読み手の大多数は記事単体しか見ないのが普通です。これはブログのアクセス解析を見ている人ならば誰でも知っている常識です。

ユニークユーザー数とページビュー数を比較すれば、1人何ページ見ているのかはすぐにわかります。ちなみに2月のHandmade Future !は直帰率が85%程度で、10人中8、9人は1ページしか見ていない計算です。

この事実に対応するには、まず一記事だけで完結させる意識を持つことです。以前に別の記事で書いた内容だったとしても、面倒がらずに丁寧に説明する必要があります。今までの経験や実感から持論を展開するのであれば、その考え方がどこから来たのかをしっかりと説明して、その記事だけで完全に理解できるようにしておきます。

次に、政策や経歴を知ることができるページへの導線をしっかり作る必要があります。じっくり探せば見つけられる、というのでは、誰も見てくれません。読者の視線をコントロールできない両サイドバーはやめるべきです。ヘッダーに見やすいメニューバーを設置するのが王道でしょう。

 

炎上した理由3 リーダビリティ無視が「誤読」や「記述の切り取り」を助長している

記事ページを見てほしいのですが、非常に読みにくいのです。

2013-02-27_1130

段落と段落のあいだに改行(空白)を挟む配慮もなければ、行頭を一字下げしているわけでもなく、文と文の切れ目がはっきりしません。また、冒頭から東京新聞の引用なのですが、どこからどこまでが引用なのかもわかりにくい、という始末です。

このような読み手の存在を軽視している印象を与える文章の場合、ストレスが溜まるばかりで、まず頭から丁寧に熟読しようとする人はいません。斜め読みをして、それでも意味がほとんどとれないので、例えば「子育ては本来は家庭で行うもの」という炎上ワードを見つけて、その前後だけ読むというふうになりがちです。

これではどんなに一記事で丁寧に説明したとしても、炎上が起きる可能性があります。

解消するのは極めて簡単で、リーダビリティを向上させる努力をすればいいのです。方法論に関してはこちらにまとめてあります。興味のある方はご覧ください。

一目瞭然。読まれるブログ記事の書き方

 

政治家はWeb発信に真剣に取り組むべき

インターネット選挙活動がなかなか解禁されないのは、主にインターネットがよくわからないベテラン議員が、どう対処したらいいのかわからず不安だから抵抗しているせいだと、どこかで読んだ記憶があります(ソース探し出せなくてすみません)。

でも、Web発信は確実に武器になるし、それどころか、いまや政治家がWeb発信できないのは致命傷にすらなりかねません。

「Web発信ができない」には、単にブログを書けないというだけでなく、Webマーケティングの知識や情報発信ノウハウが無いのも含まれます。

田中ゆうたろう区議のケースでも、一記事でしっかり説明しきる意識を持ち、経歴や政策情報への導線をしっかり作っておき、なおかつリーダビリティに優れたブログだったとしたら、(もちろん持論の表明なので賛否はあれ)ここまで炎上しなかったと思います。

今や政治家にWeb発信は必須。自前で発信するのであれば、本腰を入れて学ぶか、学ぶ余裕がなければプロに任せてもいいと思います。どちらにしても、インターネット選挙運動の解禁も迫り、真剣に取り組むべき時期に来ていると感じさせます。

※蛇足ですけど、田中ゆうたろう区議って、風にあおられまして、船から落ちてしまいまして、無我夢中で泳いだ先が魚釣島だった。たどり着いた時は非常に運が良かったなという思いもありますけども、まあそういったことですの方なんですね。(^^;)

Share this Story
記事はいかがでしたか?
1 Star2 Stars3 Stars4 Stars5 Stars (4 件の評価, 平均 3.00)
Loading...




寄金佳一 デジタル販売記事
urepia-banner3のコピー writing-bannerのコピー



話題の記事





最新記事はSNSをチェック

TOPページ サイトマップ 更新履歴