子育てに学ぶ。部下や後輩と信頼関係を築きたかったら、相手に理解を示そう!

春に4歳になる娘は、反抗期真っ盛りです。

叱られても、まず素直に謝ったり、非を認めたりはしません。

そっぽを向いて「ブッ」とツバをはき出したり、聞こえないふりをしたり、物に八つ当たりしたり。

こういうとき、親としては当然ながらカチンとくるんですけど、強く叱っても意味はありません。

むしろ逆効果です。

大抵は大泣きさせる結果になり、「どうして叱ったのか」「どうしてやってはいけないのか」を、理解してもらう機会を失ってしまいます。

叱る側にとっても、後味が悪いですしね。

理解を示せば、驚くほど素直に

手を焼いてばかりの娘なんですが、素直に話を聞いてもらえる、魔法のような方法が、たった一つだけあります。

それは、叱る原因となった行動に理解を示すことです。

例えば先日、ベランダの窓を開けっ放しにしていて、1歳の長男が外に出てしまいました。

雪が降っていたので、下の子の足とズボンの裾が濡れてしまいました。

朝の忙しいときに、着替えさせる手間が増えてしまい、妻は原因を作った娘を叱りました。

「なんで開けっ放しにするの! 開けたらちゃんと閉めなさい!」と。

しかし娘は、口をとがらせて聞こえないふり。そこで私が妻に代わります。

私「ねえ、ゆいちゃん」

娘「……」

私「ゆいは、雪が降ってるから見たかったんだよね」

この一言で、娘の顔はパッと明るくなりました。

娘「たくさん降ってたの!」

私「ね。いっぱいだよね。でも、窓を開けたら、ちゃんと閉めないと、えいくん(長男の通称)が外に出ちゃうでしょう? 今度から閉められる?」

娘「うん。閉められる」

娘は、驚くほど素直に受け入れました。

部下や後輩との人間関係でも同じ

私は今ではフリーエージェントですが、それまでは課長クラスの仕事をしていた時期もありました。

チームを作って機能させるのが得意(というか、苦にならない?)だったので、それなりにやり甲斐のある仕事でした。

部下と接する際にポリシーとしていたのは、

  1. 適材適所(長所を活かす、を優先)
  2. 部下に理不尽な仕事はさせない(例え部長以上の要求でも、必ず一度ははねつける)
  3. 最初から「できないヤツ」と決めてかからない
  4. 必ず相手の言い分を聞く

などです。

今回、話題にしているのは4つ目についてなのですが、これは本当に、子供と接するときと全く変わりません。

もちろん、子供のほうが遙かに純粋なので、反応もダイレクトです。

大人ならば、理解を示してくれたからと言って、表情を輝かせるようなケースは少ないはずです。

でも、子供の反応というのは、人間の根源的な欲求が現れているのだと思います。

積み重ねてきた経験や、プライドに覆われているとは言っても、大人だって同じ人間です。

頭ごなしに叱らず、相手の言い分と、結果に至った経緯を理解しようと努力する

強く叱られた場合、「怒られないようにしよう」と思うことはあっても、「本気で問題を解消しよう」とは、なかなかならないものです(例外の方もいるとは思いますが)。

酷い人になると、やり過ごすことしか考えないケースもありますよね。

みなさんの職場で、怒られるのはいつも同じ人……という経験はないでしょうか?

改善しないのであれば、(上司がその人を狙って虐めているのでなければ)多くは叱り方に問題があるわけです。

ポイントは、結果だけを見るのでなく、相手の言い分と、結果に至った経緯を理解しようと努めることです。

うちの娘は、「窓を開けっ放しにした」結果だけ見て、頭ごなしに叱っても、へそを曲げて聞き入れませんでした。

しかしながら、「雪が降っているのを見たかった」という言い分、「だから窓を開けた」という経緯を理解してあげることで、驚くほど素直に聞き入れたわけです。

同じ成果を出すなら、気持ちよく働けるほうがいい

社会人なのにそんなに甘やかしてどうする、という意見の方もいるかもしれません。

が、私はその考え方には反対です。

もちろん私も、「気を引き締めるために怒ってみせる」ケースがあります。

でも、怒ってみせるのは、20回に1回くらいなものです。

また、このような叱咤が効果を発揮するのは、信頼関係が出来上がっているからこそだと考えています。

「また怒られた。やってられねー」などと愚痴が出るようでは、ミスは増え、能率はダダ下がりになります。

経験上、まず機能的なチームは作れません。

それに、同じ成果が出せるのだとしたら、楽しかったり、居心地が良かったりするほうがいいと思いませんか?

もし、部下や後輩とのコミニュケーションに課題を感じているのなら、相手の言い分を理解しようとする努力から始めてみてはいかがでしょうか。

半歩の歩み寄りが伝われば、相手も少しずつ、距離感を縮めてくれるはずです。