“10日で退職” 問題|ヨドバシカメラの販売は、どう足掻いたってつまらない

私が訴えたいのは、たった1つです。「ヨドバシカメラの販売は、どう足掻いたってつまらない」ということ。

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もちろん、家電量販店の仕事が楽しくて仕方がないという人もいるでしょう。やり甲斐を感じているという人もいるでしょう。

そういう方にとってはカチンとくる記述になってしまうんですが(すみません)、でも、「家電量販店の販売なんかつまらない」と思う人も、確実に、しかも少なからず存在する。

“事実から目を背けてしまうから、こうした単純なミスマッチが生じてしまう” ということについて書きたいと思います。

ヨドバシカメラの販売の何がおもしろいんですか?

なぜ、家電量販店の仕事を、やってみたわけでもないのに「つまらない」と判断するのか。

今ではほぼAmazonですが、私もたまにはヨドバシカメラやビッグカメラやヤマダ電機へ買い物に行きます。こどもの頃から通算したら20年間くらいは足を運んでいます。

でも、“生き生きと仕事をしていて輝いて見える” なんて店員にあった経験がないんですよ。接客業にもかかわらず、です。

単純な話で、楽しそうに仕事をしているように見えないから、私の中では家電量販店の仕事=つまらない、なんです。

やり甲斐があって、人に誇れる仕事なら、もっと輝いている店員に出会ってもいいと思う。東京ディズニーリゾートを見ろ、とまでは言わないけれど。

どちらかといえば「新入社員に非がある」という立場

でも、私は、10日で辞めた新入社員を擁護する気はありません。どちらかと言えば「非は新入社員の側にある」という立場です。

なぜなら、就職活動の段階で、つまらないものはつまらない、と認めなかったからです。

結局のところ、その仕事がおもしろいかおもしろくないかなんて、消費者として直に接する接客業なんて特に、判断材料は当たり前のように転がっているんですよ。

普段はまったく接する機会がない建設業だとか、製造業だったら、「中に入ってみなければわからなかった」という言い訳もわかるんです。

でも、ヨドバシカメラですからね。

アルバイトの延長のような仕事にしか思えない、と新入社員が言っているそうですが、そんなの入社してみなくても、誰でもわかる事実なんだから。

仮に本社勤務だとしても、主戦場は販売なわけで、「アルバイトの延長のような仕事」とは、切っても切り離せない。

2週間の新人研修のうちの、わずか数日の販売体験で辞めるってどうなの、という意見もあるでしょうが、そこはむしろ私は評価します。しっかりと「おもしろくない」という事実を受け入れたからです。

根本的におもしろくないんだから、どう味付けしたって無駄

おもしろくないものは、どう足掻いたって、おもしろくないんです。「毎年必ずこういう若者と遭遇する」のは当然です。

会社の仕事の多くは、根本的におもしろくないものを、やり甲斐だとか、福利厚生だとか、高給だとか、人間関係だとかでカモフラージュして、なんとかおもしろく見せようとしているに過ぎないものなんです。

(個人的には、会社で働く限りは、ほぼすべての仕事がおもしろくないです。裁量権のある仕事も、責任のない仕事も、両方やってみて、よくわかりました。もっとも、私がそういう性質の人間だった、というだけなんでしょうけど)

やってみたら案外おもしろいのかもしれない、とか、クソみたいな期待はしても無駄です。

「楽しいチュートリアル」が必要だとか、教育システムを充実させないといけないとか、そういう問題じゃないんです。おもしろくないものは、おもしろくないんですよ。

こどものころから社会を見て回れるように

蛇足ですが、じゃあどうしたらいいのか、というのは、もう明らかな答が出ていて、教育現場において、いかに社会との接点を作るか、ということなんです。

現場ではすでに課題に取り組んでいる方々もいます。

「アルバイトの延長のような仕事にしか思えない」という、それこそ子供でもわかる事実すら、就職してからでないと認識できないのは、学生にとって社会が未知の世界だからです。

実は向こう側へ行ってみたら超楽しいテーマパークがあるのかもしれない、と乙女チックな空想してしまう。

現在の教育システムは、ともすると社会との接点が一切ないまま、就職活動に臨まなければいけない仕組みになっています。

必要なのは、社会の荒波から守りながらも、こどもや学生に社会をしっかり見せる、実感させる、ということなんです。

我が家では、教育現場には期待できないと考えているので、親が子を積極的に社会に連れ出そうと思って、いろいろ取り組みはじめています。