スマホをこどもに使わせていいのか自信がない親たち

「スマホに子守させないで」というニュースを見て、反発したくなる気持ちはわかります。親にとっては、こどもにスマートフォンを使わせて本当に問題がないのか、不安だからです。

がしかし、落ち着いて記事を読んでみれば、スマートフォンの適正な利用を呼びかけているだけの内容です。我が子をスマホ奴隷にしているのでなければ、反応する必要はありません。

日本小児科医会はスマートフォンの適正な利用を呼びかけている

「スマホに子守させないで」というNHKのニュースが、賛否両論を巻き起こしています。

※NHKホームページからニュース記事は削除されています

これは冷静に読めば、日本小児科医会が、スマートフォンの適正な利用を呼びかけている内容です。

乳幼児は、親とふれ合ったり、五感を使った遊びをすることで、健全な発育が促されるということですが、スマートフォンなどの普及に伴い、長時間、絵本や歌のアプリで遊ばせたり、アニメの動画を見せたりするケースが増えているということです。

このため日本小児科医会では、子どもの健全な発育を妨げるおそれがあるとして、1日の理事会でポスターを作って注意を呼びかけることを決めました。

「スマホに子守をさせないで!」と書かれたこのポスターでは、本の読み聞かせや屋外での遊びを勧める一方、子どもにスマートフォンなどを渡して長時間遊ばせる行為に注意を呼びかける絵が描かれています。

大前提として、日本小児科医会の論旨に、とくに危うさは感じられません。

例えば、引用の冒頭ですが、

乳幼児は、親とふれ合ったり、五感を使った遊びをすることで、健全な発育が促される

という内容に、異論のある方はいないでしょう。

「健全とはなんだ」という指摘も見られましたが、気になる方は発達心理学の育児本でもかじれば、すぐに理解できるはずです。

なにか基準を設定して、健全とはこうである、としているのではありません。

また、日本小児科医会が注意を促しているのは、

長時間、絵本や歌のアプリで遊ばせたり、アニメの動画を見せたりするケース

です。

すなわち、適正な利用を呼びかけているだけであって、「スマートフォンを使ってはいけない」というニュアンスは、一切感じられません。

例えば、

これらを無自覚に行ってしまっているような、深刻な事例への啓発であると考えられます。

つまり、もしあなたが、自分のこどもをスマホ奴隷にしているのでなければ、何ら気にする必要のないニュースであるというわけです。

過剰なまでに反発する親たち

しかし親の一部は、まるで自分が名指しで批判されているかのように、過剰なまでの反発を見せます。

なぜこのように反発するのでしょうか。

これらの方々は、「長時間、絵本や歌のアプリで遊ばせたり、アニメの動画を見せたり」しているのでしょうか。

たぶん、違うでしょう。

おそらく、記事内容を歪曲して受け取り、ドン・キホーテのように存在しない敵に拳を振り上げているんです。

反発は親の不安の現れで

僕は、4歳と2歳のこどもたちに、積極的にスマートフォンを使わせています。情報爆発の時代に適応するために、モバイルに親しんで育つ必然性があると考えているからです。

そんな親としての実感から言えば、親たちの大半は、本当に幼いこどもにスマートフォンを使わせて大丈夫なのか、不安なんです。

それはそうでしょう、スマホが普及したのはここ数年の出来事であり、スマートフォンがどんな影響になるのか、誰にも正確に予測することはできません。

覚悟を持って、慎重に使わせているつもりの僕でも、「スマホに子守させないで」という見出しをみれば、一度立ち止まって考えてみなければという強迫観念に襲われるくらいには、不安があります。

例えば、こちらの方なんかは、とても素直だと感じます。

子育ては、未知の体験の連続です。我が家では、特に1人目のときは本当に精一杯だったのを覚えています。

人間、余裕を持てなければ、冷静に考えれば判断できそうなことでも、迷ってしまったり、不安になったりするものです。

ましてや今までに誰もやったことがない、スマホがある環境での子育て。親が自信を持てなくて当然です。

不安だからこそ、まるで自分が批判されているかのように、歪曲して受け取ってしまいます。

覚悟をもってやるしかない

素直と言えば、こういった本音を見せる方々もいます。

たとえスマートフォンを節度をもって使わせていたとしても、世間や親以上の世代から白い目で見られる可能性が高くなるから、こういった啓発はしてほしくない、という思いが感じ取れます。

もうこれは、親が覚悟を持ってやるしかないでしょう。

意図して適正に「使わせて」いる自信があるのなら、なにも気にする必要はないはずです。

これは僕自身に言い聞かせているようなところもありますが、例えば、

「スマホなんかやらせるな」

と余所さまに言われたら、

「さんざん公園で遊んで疲れたから、ちょっとスマホで気分転換をしているだけですよ^^」

くらいに、笑って返せるようにしたいですね。