315月

保育需要の増加をマイナス要因のように語る自治体はアホである


日本全国のどの自治体も、少子高齢化という超重要課題に取り組む必要があります。横浜市の林市長のように、ポジティブな姿勢で、あるいはメッセージを発信しながら待機児童対策に取り組み、子育て世代を積極的に取り込むべきと考えます。

 

神奈川県内最多の待機児童を抱える川崎市

今朝の神奈川新聞より。

川崎市内の待機児童数、438人で県内最多/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ — 神奈川新聞社
川崎市は30日、市内の保育所待機児童数(4月1日現在)が前年に比べ177人減(約28・8%減)の438人になったと発表した。市は前年より18カ所1505人分の認可保育所の定員枠を拡大するなどしたが、就労環境の変化などで利用申請数の増加もあり、大幅な減少とはならなかった。

横浜市の待機児童ゼロがクローズアップされるなか、神奈川県内で待機児童数が最多になってしまったのは、川崎市。記事をよく読むと、川崎市子ども本部保育課は、

「計画を上回る整備をして待機児童は着実に減っているが、実感としてはもう少し少なくなっていてほしい」

つまり、「頑張ったけど思うように減っていない」という認識の様子です。

横浜市では就学前児童の数が1600人以上減っていますが、川崎市では362人増えています。前年より1505人分の枠を増やしたけれど、それを上回る保育需要の増加があり、結果として前年比177人しか減らせなかったというわけです。

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横浜方式の成功を下支えしているのは本気度?

興味深いのは、川崎市でも、待機児童ゼロを実現したいわゆる「横浜方式」を、制度のうえでは取り入れて、着々と同じことをやっているという証言です。ではなぜ横浜市で待機児童ゼロを実現できて、川崎市では思うように成果が出せないんでしょうか。

実はこれ、僕自身、横浜市民+子育て世代として、とても気になっています。客観的に見て、横浜市の取り組んでいる施策に、「これは思いつかなかった」というような、突飛なものはありません。

基本は、ハコを作りっぱなしにするんじゃなく、ニーズに合わせて有機的に対応するというのがすべてだと理解しています。つまり1万人通える巨大保育園を作っても、通えない人がいるんじゃ意味ない。小さくてもいいから個人のニーズに的確に対応しようというだけなんです。

どうして横浜市だけが待機児童ゼロにできたのか、近いうちに横浜市に取材しようと思っています。神奈川新聞の記事では、川崎市こども本部の岡本隆本部長の言葉として、

「『横浜方式』といわれる施策内容は川崎も着々とやっている。ただ、林横浜市長は『市長、職員の本気度が違った。市全体でゼロを目指すんだということが鍵になる』と言っていた。われわれも、より本気度を高めないといけない」

と、川崎市が思うように成果を出せない理由を提示しています。うーん、本気度。それは確かに重要な気もするし、一方で本当にそれだけなの? という気もするんですよね。

 

保育需要をマイナス要因と感じさせる自治体はアホ

どちらにしても、横浜市の林市長が、数字にこだわって、全職員一丸となって取り組む姿勢を見せているのを、僕はすごく買っています。なぜなら、林市長の姿勢からは負のイメージを感じないからです。

川崎市のように、頑張ってやってはいるが成果が出ない……本当はもっと減ってほしい……みたいな話が出てくると、実は仕方なくやってるんじゃないの、という印象がどうしてもつきまといます(実際には、気合いを入れて取り組んでいるのだとは思うのですが)。杉並区の例なんかもでもそうですが、まるで保育需要が増えることがマイナス要因みたいに言うのは、アホじゃないかと思うわけです。

横浜市はこれから、待機児童ゼロを知って周辺自治体から子育て世代が流入してくると言われていて、横浜市役所もすでに対応する腹を決めています。僕はガンガン流入してくればいいと思います。そして、「子育てしやすい街」「住みやすい街」というブランディングをどんどん加速させるべきと思っています。

 

少子化を解消できれば高齢化は大した問題にならない

日本全国がそうであるように、約370万人を抱える大都市横浜も、少子高齢化という超重要課題に取り組む必要があります。出生率をどう上げますか? そんなの、実際に子育てをしてみて、子育てしやすいと実感できる環境を作る以外にないんです。評判になれば、周辺から子育てしたい人がどんどん集まってくる好循環が生まれます。

実際、横浜市は都心へのアクセスもいいですし、住環境もいいですし、もともとある程度のブランドも持っていますし、好循環を生み出す一歩手前まで来ていると思います。少子化さえクリアしてしまえば、実は高齢化なんて大した問題にはなりません。過渡期にはちょっと税金のやりくりが厳しいことになりますけど、将来改善するとわかっていれば乗り切れるでしょう。

林市長は宝の山を見つけたとばかりに待機児童施策に取り組んでいるように見えます。ビジネス界出身ということもあって、問題点を見つけて、根本的かつ本質的な解決に取り組むのが当然なんでしょう。だってここしかないでしょう、少子高齢化解決の糸口は。「大都市で待機児童ゼロ達成」はインパクトも充分ですし。

「嫌々ながら待機児童対策してます」というニオイをプンプンさせている自治体は、少子高齢化にどう対処するつもりなんでしょうか。若者の絶対数自体が減っているんだから、少子化を解決しない限りは根本的な解決になりません。いま、待機児童対策にいい顔をしない自治体は、高齢世代を守っているつもりなんでしょうか。若者世代が増えなければ、将来的には高齢者を見殺しにするしかなくなるように思うのですが。

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