本当は効かないかもしれない花粉症対策一覧

プラシーボ効果とは – はてなキーワード
薬効成分を含まないプラセボ(偽薬)を薬だと偽って投与された場合、患者の病状が良好に向かってしまうような、治療効果を言う。偽薬効果。プラセボ効果。一般的に30%程度に効果が現れ、副作用が生じることもある。

 

甜茶

含まれているポリフェノールに、化学伝達物資遊離抑制作用があると言われている。

厚生労働省ホームページに記載されている「患者さん自身の評価」調査によると、効果があったと答えたのは14%。効果無し51%、不明35%。

 

ヨーグルト・乳酸菌剤など

乳酸菌により腸内環境を整え、免疫力を高めることにより、アレルギー症状が軽減されると言われている。

厚生労働省ホームページの記載によると、一般医療機関を受診しているアレルギー性鼻炎患者のうち、効果ありと判断しているのは30%以下

 

花粉グミ、花粉アメなど

身体を花粉に慣らし、花粉に対し免疫を獲得する減感作療法とされる。

なお、スギ花粉症の人がスギ花粉を含む食品を摂取した場合、健康被害が出る恐れがある。減感作療法は医師の指導のもとに行うべき。

厚生労働省ホームページに記載されている「患者さん自身の評価」調査によると、花粉グミの効果があったと答えたのは29%。効果無し64%、不明7%。

 

鼻スチーム、鼻洗浄など

炎症を起こしている鼻粘膜に作用し、症状を和らげると言われている。

厚生労働省ホームページの記載では、温度を間違えなければ副作用はないが、リバウンドで一時的に鼻づまりが強くなるケースもあるとのこと。

また、鼻うがいに関しては、脳炎での死亡例も指摘されている。

同「患者さん自身の評価」調査によると、効果があったと答えたのは共に46%。効果無しは鼻スチーム44%・鼻洗浄54%、不明は鼻スチーム10%・鼻洗浄0%。

 

クロレラ

アレルギー体質改善、解毒作用、有害物質排出作用などがあると言われている。が、Web検索をした限りでは、俗説の域を出ず、論理的な説明は見つけられなかった。

同「患者さん自身の評価」調査によると、効果があったと答えたのは8%。効果無し44%、不明48%。

 

紫蘇

アレルギーの間接的な原因となるTNFαという免疫物質を抑制すると言われる。

同「患者さん自身の評価」調査によると、効果があったと答えたのは18%。効果無し36%、不明45%。

 

シジュウム茶

シジュウムはポリフェノールの一種であるタンニンが最も多く含まれている植物とされる。甜茶と同じく、化学伝達物資遊離抑制作用が期待される。

同「患者さん自身の評価」調査によると、効果があったと答えたのは40%。効果無し40%、不明20%。

 

○民間医療の抱える問題点

確かにストレスの改善がはかられ、体への有害成分が含まれていなければ民間医療に問題は無いとも考えられます。しかし、花粉症に効果があるといったことを公言し販売するなら、その疾患に対する有効性を示す必要がありますが、残念ながら民間医療の多くに十分な効果の根拠があるとは言えません。

通常の薬物の開発では、患者さんにも投与する医師にもわからないようにしたその薬物と偽薬を投与し、それぞれの効果を評価した後に、投与されたものが本当の薬物だったのか、偽薬だったのかを明らかにして薬物の有効性を調べる盲検試験というものが行われます。この時、偽薬でも医師から投与された場合、ある程度の「有効性」が認められることが少なくありません。これをプラセボ効果と言いますが、特にアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)ではプラセボ効果が高いことが知られています。偽薬が30%を越える高い有効性、すなわちプラセボ効果がみられた報告もあります。薬物の治療効果を証明するためにはこのような盲検試験が必要です。

その他、安全性が危惧される民間医療も指摘されています。例えば、薬草療法で比較的広く用いられているephedraは重篤な心血管障害、神経障害を引き起こす可能性があり、また、医療機関での処方によらない漢方薬には重金属や毒性物質の汚染の可能性があること、同じ薬草でもそれぞれの産地によって組成の違いがあることなども意外に知られていません。民間医療が持つ危険性の情報は、患者さんにほとんど情報は伝わっていません。

また、患者さんが代替医療に頼った結果、通常の医療に対する受け入れが低下してしまい、コンプライアンスが低下してしまうことが指摘されています。

厚生労働省 – 花粉症の民間医療について

 

副作用がなければ挑戦する価値はあるが、医療機関を受診するのが先決

民間療法のほとんどは、プラシーボ効果との区別が難しいレベル(効果を実感した割合が30%以下)ということのようです。

鼻スチームやシジュウム茶、(今回は取り上げていませんが)漢方等は比較的効果を実感できるようですが、それでも良くて2人に1人の割合。副作用がないのであれば挑戦する価値はありますが、「これさえあれば解決!」とはいきませんね。

確実に症状を軽減できるのは、マスクや眼鏡の着用、帰宅時の洗顔やうがいなど、アレルギーの原因となる花粉をなるべく遠ざけるセルフケア。

そして対処療法では、花粉飛散開始とともに初期治療を始めることにより、症状が出てから治療するより効果が高いことが分かっているそうです。 ヤバイ! と察知したらなるべく早めに医療機関を受診するのが先決と思われます。

なお、2年以上続ける必要がありますが、花粉の抽出液を月1回程度注射して体を慣らしていく減感作療法で、根治も可能だそうです。うーん、これはちょっとハードルが高いですかねー。

さて、今年はどうやって乗り切ろうか……。


甜茶・シジユウム・シソ茶10

いや、ぜんぶ混ぜればいい、ってもんでもないような。(^^;)