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273月

学生団体やNPOがFacebook発信を正しく理解するための3つの数字

ビジネスはもちろん、学生団体やNPOの活動も、いまやソーシャルメディア発信は必須です。中でもTwitterとFacebookは必ず押さえておくべきです。

とは言えソーシャルメディアは万能ツールではなく、「実現できること」と「期待できないこと」がはっきりしています。力の注ぎどころを間違えてしまうと、限られたリソースを浪費してしまう事態になりかねません。

今回は、Facebookでできること、できないこと、を正しく理解するための3つの数字を紹介します。

 

1900万人=15%

Facebook Japanの2013年2月発表によると、日本国内のFacebookのアクティブユーザ数(1ヶ月の間にログインする人の数)は1900万人です。

SNSの中では文句なしにNo.1です。

mixi, Twitter, Facebook, Google+, Linkedin 2013年1月最新ニールセン調査 [ITL]

一方で、日本には1億3000万人近い人々がいます。全人口から見ると、Facebookを使っているのは約15%、すなわち10人に1人か2人程度です。

家庭のインターネット普及率は7〜8割ですから、ホームページやブログで発信すれば届く情報が、Facebookのみで発信していては届かない可能性があります。

情報発信をFacebookのみに担わせるのは現実的ではありません。

 

首都圏55%

Facebookの広告マネージャによると、ユーザの45%は東京を住所に設定しています。神奈川、千葉、埼玉も加えた首都圏全体では、実に55%にもなります。東京、神奈川、千葉、埼玉を除いた43道府県で、残りの45%を分け合っているのが実情です。

すなわち、首都圏以外ではFacebookユーザ数は極端に少なくなります。先ほど10人に1人か2人と説明しましたが、地域によっては50人に1人、100人に1人という状況もあり得ます。

みなさんの活動が首都圏メインであればいいのですが、地方の場合、地域の人に情報を届ける目的でFacebookを利用するのは現実的ではありません。

逆に、地域活性など首都圏から観光客に来てほしいケースや、人材やノウハウの集まる東京の人々に注目してほしいケースでは、存分に活用できます。

 

リーチ率16%

Facebookでの発信は、フォロー(いいね!)してくれているユーザのうち、平均すると1割〜2割程度にしか見てもらえません。

あなたのFacebook書き込みは友達の16%にしか届いていない | TechCrunch Japan

これは、Facebookのニュースフィードが、親しい人や興味のある対象の投稿、話題になっている投稿を優先的に表示する仕組みになっているためです(繋がりのある全ての投稿が表示されるわけではない)。

もし、重要なお知らせをFacebookでしか発信しなかったとしたら、見られない人が多発してしまいます。絶対に避けるべきです。

また、Facebookでイベント等の集客しようとしても、これも難しいでしょう。1,000人フォロワーがいたとして、その2割である200人に投稿を見てもらうことができ、その1割の20人が興味を持っていいね!してくれたとして、最終的に実際にイベントに足を運んでくれるのは数人いるかいないか、というのがマーケティング上の常識です。

 

Facebookはソーシャルプルーフの増大とコミュニケーションに活用しよう

当WEBマガジン『Handmade Future !』もFacebookページで発信していますが、ページビューが目に見えて増えたり、直接的に収益に繋がったりという効果は一切ありません。

それでも発信を続けている理由は、第一にソーシャルプルーフの増大のためです。

ソーシャルプルーフとは – はてなキーワード
あるものに対して賛同者が多くなるにつれて、そのあるものが信頼性を持つようになること。

サイドバー右上のソーシャルカウンターにFacebookページの「いいね!」数が表示されています。1,000名を越える方々に支持していただいてるという事実が、メディアとしての信頼感に繋がります。学生団体やNPOでも同様で、活動がどれくらいの人々に注目されているか? を示す分かりやすい指標の一つになります。

もう一つの理由は、ソーシャルメディアの最大の役割である、コミュニケーションです。投稿に対して「いいね!」をもらったり、コメントを交わしたりすることで、読者の方々との距離が近くなります。また、読み手の反応をダイレクトに知れるメリットもあります。

今回紹介した3つの数字を元に、Facebook発信で「実現できること」と「期待できないこと」を整理して、みなさんの活動に活かしてください。

73月

NPOや学生団体のための「Twitterで集客」を信じてはいけないシンプルな理由

「Twitterで集客」という文言を見たら、即座に怪しんでください。なぜなら、Twitterで投稿したリンクの平均クリック率(CTR)は多くの場合フォロワー数の3%以下であり、さらにその3%の人がアクションする割合(コンバージョン率)も数%だからです。

みなさんのツイートを熱心に見てくれるフォロワーが1万人いて、やっと数人が行動してくれる程度です。

 

1. Twitterでリンクがクリックされる割合はフォロワー数の3%以下

Twitterの投稿を見ただけで、イベントに参加したり、店に買い物に行ったりする人はほとんどいません。多くの場合、詳細の情報を確認するために、URLをクリックしてホームページ等へ移動し、納得のうえでアクションします。

Twitter単体で集客するのはほとんど不可能です。「ホームページやブログにコンテンツを用意し、Twitterで誘導する」のは大原則です。

GaiaXソーシャルメディア ラボの調査では、1ツイート当たりのクリック率は約3%というデータがあるそうです。

【データ公開】twitter、1ツイートで2万4000人の誘導効果も!?~1ツイート当たりのクリック率が3%と判明
1ツイート当たりのクリック率が約3% …

クリック率はツイートの内容や、時間帯、フォロワーの質によっても大きく左右されます。

例えば私の場合、2月トータルでリンクを70ツイートし、クリック数は698でした。1ツイートあたりのクリック数は約10回。フォロワー数が約900名なので、CTRは1%程度でした。

無名のNPOや学生団体の場合、数字はもっと低くなり、1%に届かないケースもあるでしょう。フォロワーが1万人いて、やっと100クリックされるくらいの肌感覚です。

 

2. 実際にアクションしてくれる人はもっと少ない

例えばイベントの集客にTwitterを利用すると想定します。

上記のとおり1万人のフォロワーがいて100クリックされたとすると、そのうち、1割が「絶対に参加したい!」と思ってくれるかもしれません。かなり甘めの想定ですが、魅力的なイベントであったり、常に注目を浴びている個人や団体の主催であったりすれば、無いとは言えないでしょう。

さらに、ちょうど都合がつき、会場へのアクセスが問題ない人が3割だったと仮定します。すると、実際にイベントへ足を運んでくれる人数は、

100 × 0.1 × 0.3 = 3人

つまり、30人集めようとすれば、約10万人のフォロワーが必要という計算になります。地方への集客だったり、ニッチなイベントであったりすれば、もっと条件は悪くなります。

どちらにせよ、フォロワー数が5桁に近づいてこなければ、目に見える成果を出すのは非常に困難です。

しかしながら、1万人を超えるフォロワーを持つアカウントは、全体の数%でしかありません。「Twitterで集客」を実現できるのは、極一部の限られた個人・団体・企業でしかないという事実を理解いただけたと思います。

 

それでもSNS発信を続けるべき

闇雲にフォロワーを集めて発信するだけでは、ほとんど効果が出ないのは、説明してきたとおりです。しかしながら、以上の悲観的な数字から、NPOや学生団体がTwitter発信をする意味が無いかというと、個人的にはそうは思いません。

例えばNPOでも、フローレンスの駒崎弘樹さんや、NEWVERYの山本繁さんは、Twitterでも高いCTR及びコンバージョン率を実現しているはずです。

これには大きく3つの理由があります。

 

意見や取り組みをオープンに発信

1つは、どちらも衆目を集める取り組みをしていて、その事実そのものや、頭の中にある考えを(ブログも含め)オープンに発信しているからです。発信を見て共感した人がフォロワーになってくれるというわけです。彼らが一般のフォロワーより遙かにアクションしてくれやすいのは言うまでもありません。

 

積極的かつ継続的な発信

2つは、積極的な発信を継続しているからです。ブログ記事単体を見て1回だけ共感した人と、継続して見ていて何度も共感した人では、当然ながら後者のほうがアクションしてくれやすくなります。

 

コミュニケーション

3つは、フォロワーとコミュニケーションしているからです。フォロワーとしては、ただ発信を見ているだけより、RTされたり、直接メッセージをもらったほうが、より共感を強めたり、注目度を高めたりします。

 

支援者や共感者との繋がりを強めるために活用しよう

まとめると、

  1. ブログやホームページをベースに、「意見」や「取り組み」を伝えるコンテンツを発信する
  2. コンテンツに共感してくれた人がSNSをフォローしてくれるように導線を整備する
  3. SNSでも「意見」や「取り組み」を伝える
  4. フォロワーとコミュニケーションする
  5. 積極的かつ継続的に発信し、フォロワーとの絆を強化し、共感の輪を広げる

ソーシャルメディアは情報流通プラットフォームです。Twitterだけでなにかをしようとは考えず、コンテンツを届けるためのパイプだと考えるべきです。

また、コミュニケーションツールでもあります。自身の意見をオープンに表明できたり、他人と気軽にやりとりできる利点があります。活動を支えてくれたり、取り組みに注目してくれたりしてくれる支援者、共感者との繋がりを強められるツールは他にありません。

フォロワーと良質な関係を築くことができれば、CTRやコンバージョン率が向上し、副産物的に集客はもちろん、コンテンツ拡散の起点として活用できるようになる可能性があります。

【関連記事】
Twitterで価値のあるフォロワーを確実に増やすたった3つのステップ

272月

田中ゆうたろう杉並区議はなぜ炎上したか?

政治家にとってWeb発信は武器になります。例えば、野田聖子議員。

「少子化対策は妊娠中絶問題から」はミスリード。野田聖子議員はいいことを言っている。

Web上に記事があったお陰で、それほど苦労せずに発言の真意を探ることができました。もし日経ビジネスの記事がなかったら……朝日新聞の発言切り取りだけが一人歩きして、誰も検証・反論できなかったはずです。

メディアの力を借りるのでもいいですし、自分でブログを書くのでもいいですけど、政治家はWeb上に、誤解を生まない程度にまとまった形で意見を表明しておくべきだと思います。

野田聖子氏は、自民党総務会長に就任してから、多忙を見越してブログもTwitterも止めてしまっていますけど、止めないほうがいいんじゃないでしょうか。山本一太内閣府特命大臣は、就寝前の僅かな時間でブログを続けていますし、世耕弘成官房副長官は、激務ながら首相官邸の一日を淡々と綴るのみと割り切って続けています。

普段から発信していて注目されていれば、発言切り取り報道や、誤報の被害にあったときに、瞬時に反論できます。実際、すぐに反論して炎上を未然に防ぐ例はよく見られます。

 

なぜ杉並区議会議員のブログが炎上したか? 3つの理由

一方で、伝え方がまずいせいで炎上してしまっている方もいらっしゃいます。

一抹の忸怩なき待機親に一抹の疑義あり: 田中ゆうたろうブログ

政治家は自分の考え方や信念をWeb発信しておくべき、と書いてきました。田中ゆうたろう区議のWeb発信も、その行為自体は正しいと思います。ただし、上記ブログには大きく3つの問題があります。

 

炎上した理由1 サイトデザインで教育現場出身という情報を伝えられていない

田中ゆうたろう区議は、略歴を見ると、教育現場出身の方だそうです。政策も、幼稚園勤務の経験から、「家庭」「教育機関」「地域」の3つを柱に子供を育てていこうという信念があるようです。

つまり、今回主に炎上の原因となった「子育ては本来は家庭で行うもの」という記述は、家庭だけで育てろ、という意味ではなく、「教育機関」「地域」だけでなく「家庭」でも育てるのだという意識がおろそかになっていないか、という主旨だったと想像できます。

また、もしこれが、教育現場からの意見だと知っていたとしたら、なるほどと納得するまではいかずとも、「目に余るモンスターペアレントもいるんだろうな」と想像してくれる方もいたはずです。

しかしながらWebページでは、記事を読む前に書き手の経歴をしっかり把握しよう、などという面倒をする人は、ほとんど存在しません。読み手の圧倒的大多数は、区議会議員=政治家の意見だ、としか捉えないわけです。

そもそも、サイトデザインからして、区議会議員である事実のみを前面に打ち出す設計になっています。たとえば、経歴を見ないほうが悪いという反論は、これではけっして正当化できません。

 

炎上した理由2 一記事だけで完結させる意識で書いていない

あるいは田中ゆうたろう区議は、自身が教育現場出身だと読み手は知っているだろうと思ったか、少なくとも掲げている政策を見れば誤読なんか起きないと考えたのかもしれません。

確かに、よく見れば、政策を知ることができる『信念』というカテゴリへのリンクを見つけることができます。

ところが、今回のように特定記事が炎上した場合はもちろんのこと、平時でも、読み手の大多数は記事単体しか見ないのが普通です。これはブログのアクセス解析を見ている人ならば誰でも知っている常識です。

ユニークユーザー数とページビュー数を比較すれば、1人何ページ見ているのかはすぐにわかります。ちなみに2月のHandmade Future !は直帰率が85%程度で、10人中8、9人は1ページしか見ていない計算です。

この事実に対応するには、まず一記事だけで完結させる意識を持つことです。以前に別の記事で書いた内容だったとしても、面倒がらずに丁寧に説明する必要があります。今までの経験や実感から持論を展開するのであれば、その考え方がどこから来たのかをしっかりと説明して、その記事だけで完全に理解できるようにしておきます。

次に、政策や経歴を知ることができるページへの導線をしっかり作る必要があります。じっくり探せば見つけられる、というのでは、誰も見てくれません。読者の視線をコントロールできない両サイドバーはやめるべきです。ヘッダーに見やすいメニューバーを設置するのが王道でしょう。

 

炎上した理由3 リーダビリティ無視が「誤読」や「記述の切り取り」を助長している

記事ページを見てほしいのですが、非常に読みにくいのです。

2013-02-27_1130

段落と段落のあいだに改行(空白)を挟む配慮もなければ、行頭を一字下げしているわけでもなく、文と文の切れ目がはっきりしません。また、冒頭から東京新聞の引用なのですが、どこからどこまでが引用なのかもわかりにくい、という始末です。

このような読み手の存在を軽視している印象を与える文章の場合、ストレスが溜まるばかりで、まず頭から丁寧に熟読しようとする人はいません。斜め読みをして、それでも意味がほとんどとれないので、例えば「子育ては本来は家庭で行うもの」という炎上ワードを見つけて、その前後だけ読むというふうになりがちです。

これではどんなに一記事で丁寧に説明したとしても、炎上が起きる可能性があります。

解消するのは極めて簡単で、リーダビリティを向上させる努力をすればいいのです。方法論に関してはこちらにまとめてあります。興味のある方はご覧ください。

一目瞭然。読まれるブログ記事の書き方

 

政治家はWeb発信に真剣に取り組むべき

インターネット選挙活動がなかなか解禁されないのは、主にインターネットがよくわからないベテラン議員が、どう対処したらいいのかわからず不安だから抵抗しているせいだと、どこかで読んだ記憶があります(ソース探し出せなくてすみません)。

でも、Web発信は確実に武器になるし、それどころか、いまや政治家がWeb発信できないのは致命傷にすらなりかねません。

「Web発信ができない」には、単にブログを書けないというだけでなく、Webマーケティングの知識や情報発信ノウハウが無いのも含まれます。

田中ゆうたろう区議のケースでも、一記事でしっかり説明しきる意識を持ち、経歴や政策情報への導線をしっかり作っておき、なおかつリーダビリティに優れたブログだったとしたら、(もちろん持論の表明なので賛否はあれ)ここまで炎上しなかったと思います。

今や政治家にWeb発信は必須。自前で発信するのであれば、本腰を入れて学ぶか、学ぶ余裕がなければプロに任せてもいいと思います。どちらにしても、インターネット選挙運動の解禁も迫り、真剣に取り組むべき時期に来ていると感じさせます。

※蛇足ですけど、田中ゆうたろう区議って、風にあおられまして、船から落ちてしまいまして、無我夢中で泳いだ先が魚釣島だった。たどり着いた時は非常に運が良かったなという思いもありますけども、まあそういったことですの方なんですね。(^^;)

222月

PlayStation 4にわくわくしないのは何故か

先日発表されたPlayStation 4を題材に、昨今のライフスタイルの変化を踏まえつつ、マーケティングについてあれこれ語ってみたいと思います。僕はPS4は成功しないだろうと思っています。そう考えるのはなぜか、というお話です。

 

ライフスタイルの変化は優れたプロダクトも消し去る

F1にも参戦していた自動車メーカー、HONDAの技術力は素晴らしいものがあります。市販車では、『TYPE – R』を冠したスポーツカーにその技術力が最大限に活かされていました。

スポーツカーなので好きな人は改造しようとするのですが、「素人が改造しようとすると逆に遅くなる」と言われたほどバランス良くチューニングされていて、まるで自動車メーカー純正の改造車でした。僕もインテグラTYPE – R (DC5)に乗っていた経験があります。車というものの認識を180度変えてしまうくらい鮮烈な体験でした。

でも、『TYPE – R』の良さを体験するのは、一部の人だけです。一般人にとっては、どんなにカーブをスムーズに曲がれようが、どんなに軽快にエンジンが吹け上がろうが、そんな性能はオーバースペックであるだけで、必要ないからです。スポーツカーよりもコンパクトカーやミニバンのほうがライフスタイルに合っています。

実際、2013年2月時点、『TYPE – R』は販売されていないようです。採算がとれないからでしょう。もしかしたらこの先、新たな『TYPE – R』が販売されるかもしれませんが、それはブランディング戦略でしかないはずです。つまり、「技術力のHONDA」を印象づける広告のようなものです。もはや採算がとれるほど売れることはありません。ライフスタイルが変わり、車を趣味にする人が減ってしまったからです。

 

「〜しながら」に急激にシフトしつつあるライフスタイル

先日ソニー・コンピュータエンターテイメントより、PlayStation 4が発表されました。最新鋭のゲームマシン『PS4』ではあるのですが、わくわくしない人は意外に多いはずです。あるいはわくわくしても、早々に「まあ買わないな」との結論に達した方も多いでしょう。

僕自身、ファミリーコンピュータからPlayStation 3まで、TVゲームは一通り遊んできた世代です。小学校〜大学まで、みながファミコン、スーパーファミコン、PlayStationで遊んでいました。TVゲームをやらないほうが少数派、と感じたほどでしたが、同世代のみなさんはどうだったでしょうか。

でも、その僕がPS4の発表にちっともわくわくできないでいます。妻はさらりと一言、「もうTVではゲームをしないかな」と言いました。

タブレット端末がデスクトップPCを抜いた!…BCN調べ : BCNニュース : ニュース : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
会見の冒頭、道越一郎アナリストは「先月発売したWindows 8の出足が鈍い。OSが新しくなったタイミングでPCを買い替える時代ではなくなった」と、パソコン市場の厳しい状況に触れた。

上の記事にデータがありますが、今や売れているパソコンの6〜7割がノート型で、残りをデスクトップとタブレットが分け合っているという状況です。記事ではタブレットの売れ行きが伸び、デスクトップ市場はますます縮小傾向であると伝えています。

 

国内で来年にはスマートフォン普及率が過半か(団藤保晴) – BLOGOS(ブロゴス)
13歳以上のインターネットユーザーの4割が既にスマートフォンを使っており、半年で1割も嵩上げされるペースが続けば来年には全人口を母数にした普及率でも過半に達する見込みです。

またスマートフォンの急激な普及は、ご存じのとおりです。スマートフォン(賢い電話)は、もはや携帯電話というより、通話機能もあるミニパソコンです。ゲームもできれば、情報収集もできます。

これらが表しているのは、ここ数年でライフスタイルが様変わりした事実です。私たちは、趣味や情報収集のために、まとまった時間を確保しようとしなくなっています。それらの大部分は移動しながらであったり、ベッドに寝転びながらであったり、「〜しながら」できてしまうようになったからです。

学生や高齢者は別ですが、朝から晩まで仕事をしている世代にとって、椅子に座ってパソコンに向かったり、ソファーに座ってTVに向かったりする時間を確保するのは、一苦労です。無理してまとまった時間を確保するより、通勤電車でスマホをいじったり、ベッドでタブレットをいじるほうがライフスタイルに合っています。

 

PS4の懸念は「高額なゲーム専用機である」という存在そのもの

ソフトがどうとか、性能がどうとか、ましてやグラフィックがどうのという話ではありません。ライフスタイルが変わり、そもそも消費者に「TVに繋いでプレイする高額ゲーム専用機を買おう」と思わせること自体が難しくなっています。

PS4は、PS Vitaを利用して、ベッドや外出先でも遊べるように設計されているそうですが、機器代金の負担が大きすぎるのがネックです。最低でも6万円(PS4約4万円、PS Vita約2万円)、それに通勤中に遊ぼうと思えば、(スマホのWi-Fi接続が外出先でほとんど使い物にならない現状を考えると)PS Vitaの3G定額4980円/月が必要です。

Amazonが電子書籍端末を格安で売っているのはなぜか。どんなに優れたコンテンツがあっても、ハードが消費者の手元になければソフトを買ってもらえないからです。もしSONYがAmazonと同じ戦略をとり、ハードを安く売って、例えばソフトメーカーから手数料を取る収益モデルにするのであれば、復権の可能性はあります。が、現状伝えられている価格では、常識的に考えて一般消費者に普及させるのは極めて難しいと言わざるをえません。

 

PS4はゲーム業界の旧来的マーケティングの試金石に

ただし、PS4が採算がとれないほど売れないかどうかはわかりません。もし想定どおりPS4が一般消費者に普及しないとしても、プレイ動画の共有であったり、ストリーミング配信への対応は、使い勝手によってはコアなファンに支持される可能性があるように感じます。

その場合、問題は、高額ゲーム機器を買ってくれるほどのコアなファンがどれくらい残っているのかでしょう。HONDAの『TYPE – R』 程度しか残っていなければ採算がとれないし、プロ野球ファン規模で残っているのであればギリギリ採算ラインに乗るかもしれません。

どちらにせよ、PS4が試金石になるのは間違いありません。PS4のマーケティングは愚直にも今までどおりの延長であり、優れた性能とシステムを用意すれば高い機器も買ってくれるはず、という戦略です。「〜しながら」に大きく変化しているライフスタイルに一石を投じられるのか、それともHONDAの『TYPE – R』のように淘汰されてしまうのか。

PS4単体で採算ラインに乗ったとしても、「そういえば昔はよくゲームで遊んだよね」という層を引き戻せないのであれば(あるいは10代20代に、スマホをPS Vitaに持ち替えさせるほどの魅力と利便性を示せないのであれば)、結局はジリ貧です。

個人的には、妻や知人など、周囲にいるフツーの人たちに「買ってもいいかも?」と思わせられなかった時点で、マーケティングに失敗している予感がぷんぷんしています。PS4が優れたプロダクトだと仮定しても、現状のままでは、コアなファン専用のマニアックな製品に終わるのではないでしょうか。

2013年末と言われる発売が待たれますね。

 

どうやって人々の元へ届けるのか? という問いの重要性

さて、今回は主にPS4を中心に、マーケティングについての話を展開してきました。これが正解だと断言はできませんが、どうしてPS4が失敗だと考えるのか、理由は理解していただけたと思います。

もちろんこれはゲーム業界だけに言えることではありません。ビジネス全般はもちろん、世の中のほとんど全てが、同様の要素に支配されています。

例えば、ソーシャルイノベーション界隈では「いい取り組みをしていても、なかなか広がっていかない」という課題があります。活動やプロダクトそのものに明確な価値があるのは大前提ですが、それだけでは世の中は動かないというのは、学生からNPO職員まで、痛いほど実感しているところであるはずです。

これは、PS4がどんなに価値ある製品だとしても売れないかもしれないのと同じで、マーケティングの問題です。目の前の活動に没頭するだけでなく、「どうやって人々の元へ届けるのか?」という方法論を真剣に考えてはじめて、多くの人々を動かすことができます。

スタートは、人々がどういう生活をしていて、どういう基準で行動しているのかに目を向けること。きっと、みなさんの活動の影響力を高めるためのヒントが見つかるはずです。

142月

WEB発信に積極的な学生のための「理想的な文章の書き方」

どうしたらうまく文章が書けるんだろう。どうしたら他人にしっかり届けられるんだろう。

文章の書き方に悩んだ経験はありませんか? 文章の書き方は、技術です。書き続けて修練を積むのは当然として、ノウハウを学べば、より上達は早くなります。

昨今、ブログやソーシャルメディアの台頭により、文章で人を説得したり、考えや思いを伝えるスキルの重要度はますます高まっています。ブログによる発信のみでライターの依頼をいただいている私の見地から、特にインターネット環境に焦点を合わせ、理想的な文章の書き方を紹介します。

 

考え方はプレゼンテーションに似ている

ブログなど、インターネットでオープンに文章で発信する場合、読み手は「見ず知らずの他人」である割合が多くなります。

ほとんど無限のようにあるWebサイトの中から、わざわざあなたのサイトに訪れてくれた誰かの状況は、わざわざ時間を割いてプレゼンテーションを聞いてくれる上司や顧客の状況に酷似しています。

つまり、のんびりと話を聞いてくれるというよりは、「いったいこの話を聞くと、自分にどんなメリットがあるんだろう?」と目を光らせているわけです。

聞く価値がないと分かれば、容赦なく話を打ち切られてしまうはずです。インターネット上の文章も同じで、要領を得なかったり、まどろっこしかったりすれば、さっさと他のWebページへ移られてしまいます。

見ず知らずの他人にじっくり腰を据えて読んでもらうためには、どんな工夫をするべきか?

インターネットにおいて、文章で他人を説得したり、考えや思いを伝えるためには、常にこの問いを頭に置いておくのが原則です。

 

1. 何の話をするのか明確にする

見ず知らずの人に話をするのに、いきなり本題から入る人はいません。何の話なのかわからなければ、聞き手も反応のしようが無いからです。

仮に主旨の分からない話を延々とされたら、ストレスが溜まりますよね。

会話なら我慢して聞いたり、主旨を問い質したりというケースがあるでしょうが、文章ではそうはいきません。Webサイトでストレスを感じれば、さっさと他のページに移ってしまいます。

インターネットでは多くの見ず知らずの他人に読まれるのだ、という事実を忘れないでください。

まずは冒頭で、文章の主旨を明確にするべきです。シンプルに「●●について書きます」と明言するのもいいでしょう。

また、問題提起はより効果的です。例えば「通勤電車はストレスが溜まりますよね」とたった一言記すだけで、通勤ラッシュの問題に言及するのだと簡単に想像できます。

 

2. 文章の価値を明確に打ち出す

プレゼンテーションにおいて、聞き手が何よりも知りたがっているのは、あなたが紹介しようとしているプロダクトや取り組みに、他にはないどんな「価値」があるのかであり、どんな課題を解消できるのかであり、私たちの日常や社会がどう変わるのかです。

文章も同様に、タイトル及び書き出しで、文章全体の「価値」をはっきり打ち出せるように努力してください。

この文章を読めばどんなメリットが得られるのかを伝えられて初めて、読み手は文章の詳細に興味を持ち、腰を落ち着けて読み進めてくれます

当記事のタイトルと書き出しも、誰がどんなメリットを得られるのか、記事全体の価値を伝えられるように意識しています。参考にしてください。

 

3. 見出しをつけ、一目で文章の内容が把握できるようにする

文章全体の価値を理解した読み手は、具体的にどのような内容が記されているのかを知ろうとします。

例えば、自身がGoogle検索で調べ物をしている状況を思い浮かべてください。検索結果の中から気になるタイトルをクリックし、記事ページへたどり着いたら、調べ物の目的が達せそうかどうか、ざっとWebページ全体を眺めるはずです。記事の具体的中身を把握せずに、いきなり頭から熟読を始める人は、まずいないでしょう。

見ず知らずの他人を説得し、あるいは考えや思いを伝えようとしているのに、「知りたかったら最後まで読め」では、横暴以外の何物でもありません。ストレスなく文章の内容を把握できるように、要約した見出しをつけるべきです。

 

4. 余計な情報は極力排除する

プレゼンテーションでは、どんなに熱心に説明をしても、聞き手が覚えていられるのは片手で数えられる程度の要素だと言われています。それどころか、優れたプレゼンターは「これだけは覚えて帰ってください」と、たった一つの事柄を強調します。

情報量を増やせば増やすほど、情報一つ一つの存在感が薄れていくのは、文章も同じです。

もちろん文章は読み返せるので、プレゼンテーションほどシビアではありませんが、Web上の文章は基本的に熟読されない(流し読みされる)事実を考えると、可能な限り脂肪をそぎ落とすにこしたことはありません。

書きたいことを書くのは、趣味の文章だけで充分です。

見ず知らずの他人を説得し、考えや思いを伝えるには、

  • 読み手にとって必要な情報かどうか?
  • 読み手に効率良く伝えるために役立つ情報かどうか?

を考え、不要な情報は極力削除してください。

 

5. 読み返し、改善する

繰り返しますが、読み手はあくまでも他人です。自分ではありません。

ここで言及している文章の目的は、他人を説得し、あるいは考えや思いを伝えることでした。

ならば当然ですが、読み手である他人の目をどれだけ意識できるかで、文章の良し悪しの大半が決まってしまいます。

とは言え、集中して文章を書いていると、客観性を失いやすいものです。

どんなに会心の文章が書けたと思っても、必ず時間を置いて見直してください。ブログならプレビュー機能を利用したり、紙に印刷したりするのも効果的です。

未熟なうちは、必ずと言っていいほど問題点が見つかるので、面倒がらずにコツコツ修正します。こうした地道な努力(あるいは逆に、怠慢)は、意外に読み手に伝わるものです。

 

たくさん読み、たくさん書く

はじめから文章のうまい人はいません。

入力と出力を繰り返す……つまり、たくさん文章を読んで、たくさん文章を書く以外に、上達の方法は存在しないのです。

今回紹介したようなノウハウは上達を早めますが、それも実践あってのこと。

文章が上手くならないと嘆く前に、上達できるほど文章を書いているのかと自問してみてください。

ノウハウを意識し、また理想だと思う文章をお手本にしながら文章を書き続ければ、必ず文章はうまくなりますよ。

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