マーケティング

2811月

なぜ妖怪ウォッチは成功したか? Appleに学ぶ高品質コンテンツを作り出す秘訣

5歳の娘と『妖怪ウォッチ2』で遊んでいるんですが、これがなかなかおもしろい。

あんまりおもしろいので、妖怪ウォッチのマーケティング、クロスメディア戦略について、いろいろ調べてます。

ヒントはApple。一つの思想、戦略のもとに、徹底的に作り込めている&連携が取れているのが、大ヒットの大きな要因の一つなんだな、と思いました。

 

ハードとソフトを自社開発するApple

その筋の方はよくご存知でしょうが、iPhoneやMacを作っているApple社と、Windowsを作っているMicrosoft社には、大きな違いがあります。

ハード(パソコン、スマートフォン、タブレット)とソフト(OSやソフトウェア、アプリケーション)の両方を、自社で開発しているか否かです。

Macであれば、Mac本体を作っているのも、Mac OSⅩを作っているのも、Apple社です。

が、Windowsを作っているのはMicrosoftですが、搭載するパソコンを作っているのは、ヒューレット・パッカードであり、Dellであり、レノボであり、NECであり、SONYです。

ハードとソフトを同時に作れる強味は、ユーザの体験の質の細かいところまでコントロールできる、徹底的な作り込みが可能になる点です。

 

Appleの時価総額世界一は、世界一のプロダクトがあってこそ

よく、iPhone(iOS)に比べて、Android搭載スマホの使いにくさが指摘されますが、これが大きな理由の一つです。

iPhoneは、ハードもソフトも、一つの価値観の元に、作り込まれます。

が、Androidは、Google社が開発しているOSであり、ハードであるスマートフォンは、各メーカーが製造しています。

メーカーそれぞれが「こんなスマホを作ろう」という考えを持っているわけですが、それにあわせてAndroidをカスタマイズする必要があるわけです。

Appleが時価総額世界一の企業に成長できたのは、単純に、

比肩するものがないほど、ハイクオリティな製品を送り出せている

というのが、大きな理由です。

Appleマニアの方は、マーケティングやら、ブランディングやら、他にもいろいろ言いたいことはあるでしょうが、とりあえず、ココが重要です。

 

「妖怪ウォッチ」シリーズは3DSのゲームが大元

さて、本題。妖怪ウォッチについて。

あれよという間に世の中を席巻して、大ブームになりました。

あまりのスピードなので、「ただの流行り物だろ」くらいに思っている方も多いんじゃないでしょうか。

ところが、思いのほかコンテンツの質が高く、私は驚いています。

気になって仕方がなくて、今いろいろ調べているんですが、特筆すべきは、

ゲーム会社発のクロスメディア企画

という事実に集約されると思います。

ゲーム業界にはまったく詳しくない私なので、調べて初めて知ったんですけど、妖怪ウォッチって、オモチャや漫画、アニメが原作なんじゃないんですね。

 

大人が遊んでも超良作「妖怪ウォッチ2」

我が家の5歳の娘が、夏前くらいからだったか、妖怪ウォッチにハマり出しました。

TVアニメも見るし、オモチャの妖怪ウォッチも欲しがるし、ついに、おばあちゃんにもらったお金の一部で、3DSのゲーム「妖怪ウォッチ2」を買ったんです。

あんまり世の中で流行っているんで、私もちょっと興味を持って、ゲームを遊んでみました。

すごく出来の良いゲームでした。大人が遊んでも、超良作です。

私は、ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、プレイステーション、セガサターン、プレイステーション2、プレイステーション3……と遊んできた世代です。

だからWiiとか、スマホゲームとか、大半は「ちゃちな作りだなー」と感じるんですが、「妖怪ウォッチ2」は、ふつうに質の高いゲームでした。

もちろん、対象年齢なりの難易度ではありますが、それでも、文句なしにおもしろいですよ。

 

最初から漫画、テレビアニメ、オモチャ、音楽、映画など様々なメディア展開を目指した企画

感心して、いろいろ視野を広げて見てみると、アニメもおもしろいし、おもちゃ類もよくできているんですよね。

そして、ひとつ一つがよく連動している。

大元のコンテンツを供給しているのは、株式会社レベルファイブというゲーム会社です。

レベルファイブは、「レイトン教授」シリーズ、「イナズマイレブン」シリーズを出しているところです(【画像】代表作一覧)。

妖怪ウォッチは、「イナズマイレブン」シリーズと同じように、最初から、さまざまなメディアで展開することを目指したクロスメディア企画で、参画企業は、

  • 電通(広告代理店)
  • 小学館(コロコロコミック)
  • テレビ東京(テレビアニメ)
  • バンダイ(オモチャ)
  • エイベックス(音楽)
  • 東宝(映画)
  • KADOKAWA(DVD)

など、そうそうたる顔ぶれ。

言うまでもなく「最初から」というのがポイントです。

ゲームがヒットしたから多面展開して行きましょう、ということではないんですね。

 

キーはレベルファイブ代表取締役社長・日野晃博と、頻繁なコミュニケーション

いろいろ記事を読んでみると、レベルファイブ代表取締役社長・日野晃博さんの才覚によるところが大きいようです。

この方が、確固たるマーケティング視点を持って、クオリティをコントロールしているからこそ、一定以上の品質を担保できている。

『妖怪ウォッチ』快進撃! ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!【インタビュー完全版】 – ファミ通.com

加えて、以下の記事にあるように、

グッズ売り切れ続出、大化けした妖怪ウォッチ | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

現在、妖怪ウォッチのクロスメディア展開に携わるパートナーは9社。テレビ東京やバンダイなどのほかに、広告代理店の電通、音楽ではエイベックス、DVDではKADOKAWAなどとも組む。

この10社は通常行う月1回の制作委員会の会議のほかに、2週間に1回、宣伝会議と称して、電通に集まる。電通のコンテンツ局アニメ部によれば、ここまで頻繁に打ち合わせを行う事例は珍しいという。各社は年間のスケジュールを共有し、次の仕掛けを仕込む。日野社長は各社の企画に目を通し、指示を出す。

10社もの大企業が、一堂に会する会議を、月に3回もやっているようです。

 

日野氏の指揮のもと、徹底的な作り込み&連携ができている

ここで思い出してもらいたいのが、冒頭のAppleのお話です。

なぜAppleがハイクオリティな製品を生み出せるのかというと、一つの思想のもとに、ハードもソフトも、徹底的に作り込めるからでした。

「妖怪ウォッチ」クロスメディア企画も、似たところが見られます。

もちろん、メディア事業は、スマホ本体とOSを一緒に作るような規模では済まないので、一社ですべてをやるのは、現実的ではありません。

その代わり、各社が、頻繁にコミュニケートし、情報共有することで、一つの戦略にまとまることができている。

さながら、日野晃博氏は、スティーブ・ジョブズでしょうか。

 
※ただ、日野晃博氏の専横というわけではなく、各社が積み重ねてきた経験やノウハウも活かしているようです。

『妖怪ウォッチ』快進撃! ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!【インタビュー完全版】 – ファミ通.com

――しかし、子どものころの感覚を強く持ち続けて、しっかり思い出してジャッジするというのは、かなり難しいことですね。それができることも、日野さんの大きな武器なのでしょうね。
日野 どうでしょうね(苦笑)。ただ僕と同じ考えかたは、月刊コロコロコミック編集部の方々も強く持っているんです。たとえばゲームのパッケージを最初に作ったときに、主人公のケータくんとフミちゃんが、肩を寄せ合っている、昔の“明星”などのアイドル雑誌のような構図の案があったんです。それを、僕がディレクションする前の段階で、たまたまコロコロさんの目に触れる機会があったのですが、そこでコロコロの人たちに言われたのが、「これは子どもの感覚でいうと恥ずかしいですよ」と。「男と女が背中合わせでかっこいいね」というのは高校生以上の感覚であって、小学生の子どもたちとしては、男が女の子と背中合わせになったり、顔を横に並べたりするなんていうのは、「うわ、お前、女にそんなに近づいちゃって!」みたいな感じなんですよね(笑)。

――ああ、ありましたね、「お前、女とベタベタしやがって恥ずかしい!」みたいな(笑)。
日野 そういう感覚があるということは、もちろん僕自身としても注意して、気づいていることではありますが、コロコロさんから教えてもらうこともあるんですよ。

 

妖怪ウォッチ人気の秘密を理解したければ、ゲームを遊んでみるのが一番

ここまでやるからこそ、あれだけのクオリティのコンテンツになっているんだな、と感心した次第です。

とりあえず、ゲームをやってみるといいと思います。

妖怪ウォッチの大元はゲームですから。

ゲームをやれば、妖怪ウォッチ人気の仕組みの大半は理解できます。

あと2週間で、真打も発売されるんですよね。その翌週には、映画公開ですね。

『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』公式サイト

2811月

【妖怪ウォッチ】世の中の子どもがウィスパーを見下しているらしいのでウチの子で調査してみた

はい。もう、見事なまでに見下されていました。

ウィスパー……カワイソス(^^;;

 

「妖怪ウォッチ2」ふつうにおもしろいです

ここ数ヶ月、5歳の娘と一緒に『妖怪ウォッチ2』を遊んでいるんですけど、ふつーにおもしろいです。

世の中で大ヒットしているのもあるし、あんまりコンテンツの質がいいんで、気になっていろいろ調べてます。

たとえば、これは春頃の記事ですけど、興味深い内容でした。

『妖怪ウォッチ』快進撃! ヒットメーカー・日野晃博氏が語る『妖怪ウォッチ』ブームの秘密と今後の野望!【インタビュー完全版】 – ファミ通.com

妖怪ウォッチにまつわるマーケティングのポイントは、なんと言っても、ゲーム会社発のクロスメディア企画ってことなんですけども。

まあそれについては、おいおい。

 

見下されキャラのウィスパーが、子どもたちにも見下されているらしい

で、先ほどの記事に、ひじょーに笑える記述がありまして。

人気の妖怪キャラを、芸能人のようにとらえて、たとえばTV番組の司会に起用したり、CMに出演させたり、というようなことを考えているらしいんですね。

その中で、

――妖怪がそこまでの存在になっていく、とお考えなのですね。
日野 はい。じつはいま、『妖怪ウォッチ』のグッズが、どこにいっても大人気で買えない状態なのに、なぜか“ウィスパー”のグッズだけが余っていることがあったりするんです(笑)。ウィスパーは、ゲームでもアニメでも、主人公のケータくんにイジられるというか、嫌われキャラみたいになっているのですが、小学生諸君も、そのケータのウィスパーへの評価に同調してしまっているんですね。「ウィスパーなんか買わないよね」、「買ったら負けだよな」みたいな(笑)。つまり、すでに子どもたちのあいだでも、「『妖怪ウォッチ』が好きだからなんでも欲しい」ではなく、だんだんと妖怪ひとりひとりの人格が認められてきて、好き嫌いがはっきり生まれてきているんです。

ウィスパー……哀愁漂うなあw

知らない方のために説明しておくと、ウィスパーというのは、主人公のケータくん、ジバニャンとともに、露出が最も多い主力キャラのひとりです。

が、「つかえない妖怪執事」という役回りで、作中でこき下ろされるんですね。

  • “有能な妖怪執事” と言い張るわりに、ほとんど役に立たない
  • やることなすこと裏目に出る
  • 笑われ役

というあたりが、理由です。

妖怪ウォッチ公式サイト『妖怪ワールド』から、ちょっと画像を借りてきますけど、ジバニャンの左下にいる、マヌケな顔をした白いのが、ウィスパーです。

 

実際にウチの娘(5歳)に聞き取り調査してみた

ウィスパーグッズだけが売れ残るというのは、リアルに想像できるんですが。

せっかくなので、うちの娘にも聞いてみることにしました。

 
私「ねえねえ、ウィスパーと、ジバニャンのぬいぐるみがあったら、どっちが欲しい?」

娘「ジバニャン!」

 
うん。まあ、そりゃそうだよな。ジバニャンは人気キャラだもんね。

 
私「じゃあ、ウィスパーと、ヨコドリのぬいぐるみだったら?」

娘「うーん。ヨコドリかな」

私「人面犬と、ウィスパーだったら」

娘「人面犬!」

 
ワロタ。

人面犬にも負けるなんて。マジですわこれは。

このあと、ドンヨリーヌ、ホノボーノ、かゆかゆ……と、いろいろ聞いてみましたが、絶対にウィスパーが選ばれることはありませんでした。

 

娘が語る「ウィスパーじゃダメ」な理由

マイナーキャラを出そうが、嫌われキャラを出そうが、けっしてウィスパーが選ばれることがない。

いや、もう、これは衝撃というか、笑撃の結果でした。

なんでそんなにウィスパーがダメなのか、娘に聞いてみたところ、

  • ウィスパーは妖怪じゃない(妖怪執事。メダルでは召還できない特別設定)
  • 珍しくないから、別にほしくない
  • なんかダメ

と、もうさんざんな評価でした。

なんかダメって……(^^;;

 
ということで、妖怪ウォッチにハマっている子どもがいる、お父さんお母さんは、ウィスパーが選ばれるかどうか、ぜひ聞いてみてください。

サンタクロースが、プレゼントに、ウィスパーグッズを持ってきたら、キレる子どもとかいそうですねw

53月

メールで無差別に営業してはいけない3つの理由

私はWeb上にメールアドレスを晒しているのもあって、無差別な営業メールがけっこう来ます。たまたまでしょうが、最近特に多くて気になったので、記事にしてみました。

もし「自分の取り組みには価値がある」と自信があるのなら、無差別な営業・勧誘メールは百害あって一利なし、絶対に真似してはいけません。

 

1. 実態に関係なく価値を疑われる

送られてくる無差別営業メールは、たとえばこんな感じです。

お世話になります。ご提案させていただきます。

AQU先端テクノロジー総研 info@aqu.com nifty.com 経由

 Handmade Future
 ご担当者 様

 お世話になります。

 AQU先端テクノロジー総研と申します。

 ホームページを見させていただき、

 Handmade Future様のお仕事、SNS、コミュニティ等とビジネス的に関係があると思い、

ご提案させていただきます。ご一考いただけましたら幸いでございます。

 それでは、どうぞよろしくお願いします。

 ※SNS、コミュニティ関係会社に好評につき、Handmade Future様にも、お知らせさせていただきました。m(_ _)m

 (もしご関心ない場合には、すみません、パスしてくださってけっこうです。)

      ======= 【 ご提案 その1 】 =======

————————————————-
●『ウェアラブル新潮流、ビジネスモデル開発支援パック』
以下略

読んで即座に思うのは、「Handmade Future様のお仕事、SNS、コミュニティ等とビジネス的に関係があると思い」って、どこがどう関係あるんだよ、ということです。

何のことを言っているのか、さっぱりわかりません。つまり、中身は何もなく、それっぽいことを書いているだけだと瞬時にわかります。

これが対面の営業だったらどうでしょうか。バカにしてるのかお前は、時間を無駄にしたじゃねーか、と悪態のひとつもつきたくなります。

忘れて放置していたmixiでもきました。これは営業メールというより、ネズミ講の勧誘かもしれませんが。

初めまして!

tantan

初めまして ●●さん

コミュニティをチェックしてましたら、何か直感にピンと来るものがあり、
目に止まり気になったので、拝見させてきました!

とても意識の高い方だという印象を受けました!

もし共感するところが少しでもあれば、是非メッセージをいただければと思います!!

どうぞよろしくお願いします!!!

こちらは、より、あからさまです。

「何か直感にピンと来るものがあり」
「目に止まり気になったので」
「とても意識の高い方だという印象を受けました!」

もはや、こちらのどこに目をつけたのかさえ表現するのを放棄して、どうとでも受け取れるような、空虚この上ない文面です。

両者ともに言えることですが、10分でも使って相手を観察すれば(材料はWeb上にいくらでもある)、もう少しマシな文章が書けるはずです。

がしかし、無差別の営業メールとなると、その10分すらとれない。1件に10分もかけていたら、100件送るだけで16時間かかってしまいますから。モノにできるのが0.1%か1%かわかりませんが、割に合わないわけです。

最大の問題点は、「こんなデタラメな営業をかけるような会社の商品やサービスはロクなもんじゃない」と間違いなく思われてしまう事実でしょう。

これは、実態とは無関係です。どんなにいい取り組み・商品・サービスを提供していたとしても、無差別な営業メールは全てを台無しにしてしまいます。

 

2. 晒されるリスクがある

続いて、これは2月の運営報告でも触れたのですが、ライター依頼のメールです。

2014-03-04_1822

たいへん恐縮ですが…

にしき デンタルオフィス nishiki_dental@me.com

前略、寄金 佳一 様。
初めまして、突然申し訳ありません。
『【糖質制限】ダイエット効果だけじゃない! 実践してわかった“スゴいメリット”5』
という記事拝読させて頂きました。
あれほどの記事が書ける方には、大変失礼な依頼ですし、謝礼も小遣い程度しか
出せませんので、お気に召さなければ、返信もせず、スルーして下さい。
依頼の内容は、『背すじは伸ばすな! 』(光文社新書)を読んで頂き、巻末の
『ゼツ・ダイエット』を試して、一ヶ月以内にごく短いレポートを書いて
いただくことです。頂いた文章は、webに、「◯◯歳 主婦」という感じで、
匿名で使わせて頂きます。ですから、素人的な箇条書き程度の簡単な文章を
お願いします。秘密は守ります。ダメならダメと書いて頂いて構いません。
なお依頼料ですが、単なるweb素材ですから、2万円+税でお願いしたいと
考えています。(恥ずかしい金額で申し訳ありません)
もし、興味がおありでしたら、所定の住所に本をお送りします。

にしきデンタルオフィス
山下久明

内容を読んでいただければわかりますが、「素人だと偽って文章を書いてくれ」という依頼です。

これを無差別にメールで依頼してくる神経が、ちょっとわからないですよね。

世間におおやけになってしまったら、『背すじは伸ばすな! 』と “ゼツ・ダイエット” は、それがどんなに優れた方法論だったとしても、怪しいものだと判断されるリスクがあります。

背すじは伸ばすな! 姿勢・健康・美容の常識を覆す (光文社新書)

山下 久明 光文社 2014-01-17
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営業メールでも同じで、「あの会社、こんな酷い営業メール送ってくるんだよ」という評判は、信用を貶める以外のなにものでもありません。

ちなみに、無差別に依頼してきている、と断定している理由は、私が書いた『【糖質制限】ダイエット効果だけじゃない! 実践してわかった“スゴいメリット”5』に言及していながら、私がどういったタイプのライターなのかを理解していないのが見え見えだからです。

私は、徹底的にやりたいことしかやらない人間で、ライターとしても書きたい題材についてしか書いていません。それは各種プロフィールやSNSで明言しています。

私のポリシーを理解していれば、「こんな簡単な仕事で2万円払います」という依頼の仕方はしてこないでしょう。

たとえば “ゼツ・ダイエット” のおもしろさ、興味深さをじっくり説いてくださったら、ひょっとして興味が向いたかもしれませんね。まともな姿勢であれば、それくらい頭を捻るのが普通です。

 

3. うざい

最後の理由は、「うざい」の一言に尽きます。

Eメールでなくとも、たとえば自宅のポストに、次々にチラシが入ってきますよね。

そしてそのチラシは大抵、一瞥しただけで中身を確認することもなく、ゴミ箱に行くはずです。

「なんでわざわざ、ゴミをポストに投函してくるんだよ。オレはポストの掃除屋じゃねーぞ」

私はいつもいつもうんざりするんですけど、みなさんはいかがでしょうか。

たとえ、1,000人に1人がチラシを見て商品やサービスを買ってくれたとしても、残りの999人に不快な思いをさせてしまう。

これが無差別な営業の本質です。

もし「自分の取り組みには価値がある」と自信があるのなら、絶対に真似しないでください。

価値ある取り組み、商品、サービスなら、正攻法でも絶対に支持が広がっていきます。私でよければ相談にも乗りますし、プロボノ的にアドバイスをくれる人はいくらでもいるはずです。

1110月

実践者・現場主義者は迷わず進め。常識に囚われて歩みを止めるな!

「理由はよくわからないけど、なぜか●●するとうまくいく」みたいな、経験上の知恵ってありますよね。仕事でも、社会貢献活動でも、趣味でも、なんでもそうです。どういうわけか、偶然と呼ぶわけにはいかない確実性がある。

昔から、“職人の勘” とか “洞察力” とか “直感” と言われてきたものです。

これらって、ともすると軽視しがちですよね。優秀な人ほど、「機能する理由がわからないのは、分析を怠っているから」と考えるはずです。

常識的には、物事を細かく分割し、丁寧に分析していけば、(対象が大きければ労力が必要かもしれないが、最終的には)結果が出た理由を理解できると考えられています。

でも、田坂広志・著『まず、世界観を変えよ――複雑系のマネジメント』では、これがすばらしく明快な理屈で否定されてます。

まず、世界観を変えよ――複雑系のマネジメント

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しかし、実は、「複雑な問題」は、それを小さな部分に「分割」し、どれほど徹底的に「分析」しても、その解決策は見つかりません。

なぜなら、この世の中には、一つの冷厳な「法則」があるからです。

物事が複雑になっていくと、「新たな性質」を獲得する。

その法則です。

それゆえ、物事を「分析」するために、それを小さな部分に「分割」すると、その瞬間に、獲得された「新たな性質」が消えてしまうからです。

これは僕は、めちゃくちゃ納得しました。というか、大興奮ですね。たぶん、経営者やリーダー、現場主義の方、実践者ほど、「そうか、だからだったのか!」と溜飲を下げるはずです。

例えば地域おこしで、「どこそこでこんなお土産が流行っているから」と真似をしてみたけど、ちっとも売れない。成功しているマーケティングを流用したのに、思うような成果が出ない。

こういうのって、分析が足りずコピーが不十分だから失敗しているわけじゃないんです。同じ部品を使えばまったく同じものが完成する、という機械的世界観が間違っているんです。

物事が複雑になっていくと、「新たな性質」を獲得する。

物事を「分析」するために、それを小さな部分に「分割」すると、その瞬間に、獲得された「新たな性質」が消えてしまう。

相乗作用とか、シナジーとか呼ぶものを軽視してはいけない。副産物などではなく、むしろ本質なんです。

これら “複雑系” となった物事や組織は、さながら生命みたいなもの。コントロールできるような代物じゃないんですね。

帯にはこうあります。

「分析ではない。洞察をせよ。」

この本、まちがいなく、数年間は僕のバイブルになります。

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1010月

ディズニーのマーケティングの神髄「これでもか、これでもか」を理解するための8つのキーワード

東京ディズニーランド開業の2年前からマーケティング全般に携わり、ゼロから1000万人の入園者を集めた渡邊喜一郎さんの著書『ディズニー こころをつかむ9つの秘密 ー97%のリピーター率をうみ出すマーケティング』を紹介します。

2013年は上半期(4月〜9月)の入園者数が200万人以上も増えて過去最高(約1535万人)を記録するなど、向かうところ敵なしの東京ディズニーリゾート。マーケティングの神髄は、期待を超えるサプライズを「これでもか、これでもか」と徹底して提供することだと言います。

内容としては東京ディズニーランド開業前後の実体験に基づいた話で、現状とは違う部分もありますが(例えばブランド管理について、現在はかなり時代に適応して変化しています。僕もプレス枠で東京ディズニーリゾートを取材するのですが、本書にあるような「マスコミの記事や写真の事前チェック」はしていないと思われます)、根本的なマーケティングの考え方はとてもためになる内容です。

ディズニー こころをつかむ9つの秘密

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ブランドに関わる目に見えるものすべてをコントロールする

冒頭に、本書の価値、誰もが知りたい回答がシンプルに記されています。

ディズニーのマーケティングとは何か。
まず、その最大の特徴を端的に挙げるなら、ブランドに関わる目に見えるものすべてをコントロールする、ということだと思います。そうすることによって、作り上げたブランドを確固たるものにし、浸透させていくのです。
そしてブランドは、人々が欲しているものを見定め、“絶対的な価値”として送り出すということ。
大事なことは、自分たちの信念を揺るがせないことです。

「言うは易し、行うは難し」と言ったところでしょうか。

実際のところ初期は、米ディズニーが持っていたマーケティングのノウハウを忠実に実践していたのだとわかる記述が散見されます。

というより、アメリカ側が日本人(オリエンタルランド側)を信用しておらず、ほとんど命令されていたようなものだったようです。

というのも、アメリカのノウハウを学ぶことが基本でしたから、いくら日本側が「絶対大丈夫だから、こんなものを売らせてくれないか」と言っても信用してもらえなかったのです。

もちろん、実績が出始めれば次第に信頼関係ができあがっていったわけですが、寄り道することなく一つの考え方を貫徹できたのは、結果的に良かったのかもしれませんね。

ゼロから米ディズニー流のマーケティングに取り組む様子が事細かに紹介されていて、本書は非常に参考になります。

 

期待を超えるサプライズを提供する

さらに、これはマーケティングに限らず、ですが、ディズニーが人を惹きつける重要なポイントがあります。それは人々が持っている予想を超えたものを提供する、ということです。
しかも、予想外のところで、あるいは期待のないところで。
いきなり度肝を抜いたり、最後の最後え「えっ!」と言わせたりする。
これを私は、「これでもか、これでもか」と称しています。実はあらゆるところで、ディズニーは「これでもか、これでもか」を実践しているのです。言葉をかえれば、その行いのすべてが、ディズニー的マーケティングであるとも言えます。

「これでもか、これでもか」は本当に言い得て妙だと思います。マーケティングやブランド浸透に近道など存在しない事実は、今さら僕なんかが指摘するまでもありません。地道に積み重ねるのが最低条件です。

その中でコツがあるとすれば、地道な積み重ねだけで満足するのではなく、常に客の一歩先を行って、期待を超えたサプライズを提供することだと言えるでしょう。

 

リピーター獲得のための8つのキーワード

第4章「なぜ、これほどリピーターが多いのか」に、リピーター獲得のための8つのキーワードが記されています。「これでもか、これでもか」を理解するために最適だと思いますので、紹介します。

 

1. いつも何かが変わっている

実際、東京ディズニーランドは、年がら年中、何かが変わっています。
エントランスを抜けるとミッキーマウスの顔をかたどった花壇がありますが、これも年中入れ替えられている。
(中略)
また、これだけ大規模にアトラクションを展開しながら、今もなおアトラクションが増え続けています。
(中略)
ウォルト・ディズニーが有名な言葉を残しています。「ディズニーランド・ウィル・ネバー・ビー・コンプリーテッド」。つまり、「ディズニーランドは、永遠に未完成」なのです。

 

2. 心をくすぐる

ディズニーランドは、「すべてのお客さまがVIP」という言い方をしています。これは、言葉を変えれば、すべてのお客さまが心をくすぐられる場所だ、ということです。

 

3. アニバーサリーグッズ

こうしたアニバーサリーグッズは、基本的に無料配布です。どうしてコストをかけて、こんなことをするのか。言ってみれば、大盤振る舞いするのか。
それは、グッズは単なるモノではないことを知っているからです。
バッジやキーホルダー、小さなグッズひとつでも、手にしたり身につけることによってそれはひとつの「ディズニー体験」になるのです。グッズを身につけているだけで、ディズニーが身近な存在になる。親近感が高まるのです。
そしてもうひとつ、人はもらったことは忘れない、ということです。心がくすぐられるからです。

 

4. 優越感

もちろん、おトクになることが第1の特典ですが、「マジックキングダムクラブ」という会員証を持つことに「心くすぐられる感」があったようです。さらに、きっとこれは喜ばれるだろう、ということで「マジックキングダムクラブ」専用の特別なお土産売り場も作りましたが、これも大好評でした。

 

5. 都市伝説

その中でも有名なのが、こんなところにミッキーマウスの絵や形が、という「隠れミッキー」。ミッキーが壁のところにちょっと描いてあったり、塀の様子がよく見るとミッキーだったり。
本当にあるのか、といえば、本当にあります。開業時からたくさんあります。

 

6. 地方重視

地方で何かイベントがあるたびに、仕掛けを組んでいました。お祭り、公共機関の開設、スポンサー企業の関連施設のオープン——そういうニュースを聞きつけたら、なるべくミッキーマウスを送り込んでいました。
(中略)
そうすることで、生まれたときからディズニーキャラクターがそこにある、という感覚の人たちが日本にどんどん増えていったのです。

 

7. リサーチ

このヒアリングをまとめられ、レポート化します。そして「10人に何人のお客さまがどんな不満を持ったか」など、データ化されてフィードバックされました。
ここから、リピーターをさらに増やしていくためには、何をすればいいのか、ということを常に洗い出していたのです。

 

8. イベント

言うまでもありませんが、季節のイベントは、その季節に来なければ見ることはできません。リピーターにとってとても大きな訴求力を持つのが、イベントでした。

なお蛇足ですが、ハロウィーンを日本で流行らせたのも、クリスマスに大々的にイルミネーション装飾をするようになったのも、東京ディズニーランドが火付け役だと語っています。

今、40歳以上の方々ならよくわかると思うのですが、東京ディズニーランドができるまで、そもそもクリスマスというのは今のような派手なものでは決してなかったのです。
(中略)
ところが、東京ディズニーランドのクリスマスが街のクリスマスを変えていきました。商業地はどんどん明るく、派手になっていったのです。

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※Kindle版もあります

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