Webライティング

1112月

未経験の学生が立派なライターになれる、ニュースメディアの記事制作マニュアル7つの秘訣

学生から「後輩のプロジェクトの情報発信にも役立てたい」というリクエストをいただいたため、ニュースメディアの学生向け記事制作マニュアルを、内容を一般化したうえで、紹介します。

タイトルの付け方から、書き出し&締めの考え方、取材レポートの書き方、取材の心構えまで網羅しています。

 

FutureCenterNEWS JAPANの学生向け記事制作マニュアルについて

私が運営するフューチャーセンター情報専門メディア『FutureCenterNEWS JAPAN』では、大規模イベント時に、学生ライターの参加を募って活動しています。

非営利で運営しているメディアのため、現在は学生側に原稿料を出すことができません。そこで代替として、スキルアップの助けになればと、Webライティング講座を受講してもらったり、活動終了後に職業ライターの視点から詳細なフィードバックをさせてもらったりしています。

WEBライティングを学びたい&フューチャーセンターに関心のある学生を募集します。 | FutureCenterNEWS JAPAN

FutureCenterNEWS JAPAN 学生ライター活動報告 | FutureCenterNEWS JAPAN

※上記の活動報告記事の中に、実際に学生ライターが執筆した記事のリンクがあります

今回、紹介するのは、実際に学生ライターたちに使ってもらっている、記事制作マニュアルです。

Webライティング講座を受講してもらったのちに、当マニュアルを見ながら実際の記事制作に当たってもらうことで、学生ながら必要充分な水準の記事を書いてもらうことに成功しています。

現物はこちらです。

ただし、上記マニュアルはFutureCenterNEWS JAPANの記事制作に特化した内容になっています。

先日、学生から「後輩のプロジェクトの情報発信にも役立てたい」というリクエストをいただいたため、内容を一般化したうで、紹介します。

 

最初に考えるのは「記事の目的」「読者像」「読み手にとっての価値」の3つ

Webライティング講座で重点的に伝えているのは、細かい技術論ではなく、読み手にとっての価値を考える重要性についてです。

言うまでもありませんが、スキルどうこう以前に、読み手にとって価値のない内容では、誰も読んでくれません。

そこで記事を制作する際には、必ず “記事の目的” から逆算して、読者像を想定し、読み手にとっての価値を推測します。

別記事で詳しく解説していますので、必ずチェックしてください。これができなければ、小手先の技術を身につけたところで、まったく役に立ちません。

プロライターが教える|学生のライティングにたった一つ足りない「読み手にとっての価値を考える」視点の補い方

2013-12-11_1342

 

①タイトル

・タイトルのポイントは、記事の価値(取材レポートなら取材対象の価値)を余すところなく伝えられるかどうかです。人はタイトルを見て、「読むかどうか?」最初の判断します

・広告をクリックさせるなどアクセス数を稼ぎたいのでない限り、記事のテーマに関心のない人に無理にクリックさせても意味がありません。テーマに関心がある人に漏れなくクリックしてもらえるように考えてください。釣りタイトルは不要です

【詳細解説記事】
正しいブログ記事タイトルの付け方|目的から逆算して考える5ステップ

 

②書き出し

・記事の冒頭では、もっとも大切な問いに答えます。すなわち、この記事はいったい何を伝えようとしているのか?です

・書き出しは「読むかどうか」、読むのなら「じっくり読むのか、流し読みをするのか」を決める要素です。タイトルと合わせて、ここですべてを伝えきってください。先を読んでほしいからと、情報を出し惜しみする行為は、絶対にやってはいけません

・「こんにちは、●●です。」など、挨拶を入れたい場合は、書き出しのあと、本文の最初に入れてください

・150字~300字程度が目安。簡潔に

・ 価値を伝えるには、問題提起や問いかけを活用すると伝わりやすくなるケースがあります。「●●って面倒なんですよね。でも××は、△△という方法で、そんな悩みを一発で解決してしまう素敵な取り組みです」など

 

③前提条件の説明

・本文です。ここから腰を据えて書いていきます。タイトルと書き出しで価値を伝えたら、次はそれがそもそもどんな背景の話なのかを説明していきます

・イベントの取材レポートであれば、イベントが開催された背景、主催者、関係者、イベント会場の様子など、読み手が必要とする(知りたいと感じる)だろう要素を紹介してください

・会場の雰囲気を伝えたり、人を紹介したりするには、写真が効果的です

・注意点としては、 人物名、団体名など、固有名詞は絶対に間違えないこと。執筆中、執筆後、校正時など、少なくとも3回は必ずチェックしてください

 

④取材レポートの内容

・イベントの様子を伝えるのに向いているのは、長々とした説明ではなく、写真です

・写真をベースに、イベントの全体を簡潔に伝えます。決して全部を詳細に伝えようとしないでください。とんでもない量の文章になってしまいます

・全体の中で1点か2点、特に印象的な場面やエピソード、心に残った発言、重要だと感じたポイントをクローズアップして伝えてください

・主観や感想は、(「〜と思いました」など、それが主観だと分かるようにしたうえで)積極的に入れてください

 

⑤小見出し

・Web上の記事では、小見出しは必須です

・読み手の利便性を最優先に考え、さっとマウスをスクロールしただけで記事の中身を把握できるように、各セクションを要約して、小見出しにします

・出し惜しみは厳禁。必ず、具体的に。「知りたかったら中身を読め」という態度では、読み手を最優先に考えているとは言えません 例:×「●●が語った衝撃の内容とは」→ ○「命が何よりも大切、は行きすぎた価値観ではないか」

 

⑥記事の最後

・記事の目的を達成するために、読み手にアクション(行動)を呼び掛けます。行動を呼びかけなければ、記事を書く意味がありません

・総括や感想を入れると、記事が締まりやすくなります(必須ではありません)

・読み手が「この取り組みは面白そうだ。今度参加してみよう」「なるほど、こんな取り組み方もあるのか。自分の活動に活かそう」「同じ問題意識を持っている人を見つけた! 連絡を取ってみよう」と感じたときに、即座に行動に移せるように、企画主催者の連絡先(ホームページなど)を記載します

・ 文脈次第ですが、「ピンときた方はホームページをチェックしてください」「次回#月#日のイベントに参加してはいかがでしょうか」など、アクション(行動)を促す文章で締めくくってください

 

イベント取材のポイント

取材に必要なもの

■メモ一式、または室内であればボイスレコーダー(スマホでもOK)

・ 印象的な場面やエピソード、心に残った発言、重要だと感じたポイントをメモしてください。すべてを細かくメモしようとしないでください。まず間に合いません

・ メモに夢中になってしまうと、参加者の様子や、場の雰囲気に気が回らなくなってしまいます。個人的には、室内イベントであればボイスレコーダーを使用します。セッション中は写真撮影に専念しています(重要だと感じたポイントのみ、スマホにメモしています)。ボイスレコーダーは文字おこしに時間が掛かるデメリットがありますが、確実です。それぞれに合った方法があると思いますので、試してください

■カメラ(コンパクトデジタルカメラやスマホでOK)
・イベントレポートは、議事録を作ろうとするのでない限り、写真を中心に構成したほうが、読み手にとって読みやすい記事になります。多すぎるかも、というくらい撮影してください。個人的には、半日のセッションなら、300枚以上は撮影します

・スライドや、みなで書き込んだ模造紙、付箋などを、メモ代わりに撮影しておくと、後で役立ちます

・会場の雰囲気を伝えるため、会場の全景を撮影するクセをつけてください

・主催者や関係者の写真は、高い確率で記事に使用します。必ず撮影してください。自然な表情が望ましいので、イベント中にタイミングを見て撮影するのがベスト。タイミングを逃した場合は、終了後にでも機会をみて撮影させてもらってください

 

取材ライターの心構え

・取材ライターの役目は、その場の雰囲気や様子を可能な限り、忠実に伝えることです。その中で、優れた点や長所を見つけ、言及してください

・ ただし、例え見所の無いイベントだったとしても、大げさに脚色する必要はありません

・ 伝え方に絶対的な正解はありません。なぜなら、体感した人によって受ける印象は変わるからです。みなさんの主観で捉える意外に、方法はありません。自分が責任を負って伝える、という意識を持って取り組んでください

・記事の目的を明確にし、どんな人に読んでもらうのか意識してください。読者が、イベントレポートからどんな情報を得たいと考えているのか、想像して記事を書いてください

・みなさんが書いた取材レポートを読んだ人が、「このイベントは面白そうだ。今度参加してみよう」 「なるほど、こんな取り組み方もあるのか。自分の活動に活かそう」「同じ問題意識を持っている人を見つけた! 連絡を取ってみよう」と行動を起こせば、物事が少しだけ動きます。最初は小さな波紋かもしれませんが、やがて大きく広がり、信じられないような成果に化けるかもしれません。可能性を想像してみてください

・失敗してもフォローするので大丈夫です。思う存分、チャレンジしてください。健闘を祈ります!

 
【Webライティング講師やメディア運営アドバイザーも承っています。お気軽にどうぞ】
WEBライティング講師、WEBマーケティングの依頼|寄金佳一 | Handmade Future!

1112月

プロライターが教える|学生のライティングにたった一つ足りない「読み手にとっての価値を考える」視点の補い方

ライティングがうまくいかない最大の理由は、うまく伝えるための文章力がないからではなく、「他人に伝えるためにどう書けばいいか」が見えていないからです。

目的から出発し、読者像を思い浮かべ、想定読者にとって価値のある情報を推測できれば、あなたのライティングスキルはプロと遜色なくなります。

チャートシートを使って「読み手にとっての価値を考える」方法を紹介します。

 

文章力の根幹は学生時代にすでに完成している

自身の学生時代の論文を読み返しても、プロライターとして活動している現在と比較して、文章力や発想の質に、大きな違いは感じません。

もちろん、細かい点では洗練されている部分はありますが、その細かい差異で職業ライターとしてやっていけているのかと言うと、100%違います。

小説家のような文章職人であれば話は別ですが、一般の人に理解してもらう文章を書くという意味では、大学生にもなればほぼ完成しています。

もし、あなたが、学生プロジェクトやゼミの活動で記事制作をするときに、うまくライティングができないとしたら、原因は文章力ではありません。

 

アマチュアと職業ライターの違いは「切り口」のみ

アマチュアとプロライターの違いは、「切り口」です。別の表現をすれば、読み手にとっての価値を推測できているかどうかです。

自己満足のブログでもない限り、記事は他人に読んでもらう前提で制作します。子供でもわかる理屈ですが、読み手にとって価値がなければ、誰も読んでくれません。

私は学生時代から、かれこれ15年ほどブログを書き続けています。が、長い間、一年間に数千人程度しか読んでもらえていませんでした。今では笑い話ですが、若さゆえに「俺ってこんなに凄いんだぜ」という自己顕示が強すぎて、読み手にとっての価値を一切考えなかったからです。

プロライターとして活動する現在は、一年間に77万人もの人に読んでもらえるようになりました。メディアとしてはまだまだですが、学生時代に比べれば雲泥の差です。

個人メディア開始1年の運営報告|約123万PV、77万UU、売上121万円

 

問題は「何を書くべきか」が見えているかどうか

ライティングがうまくいかない最大の理由は、うまく伝えるための文章力がないからではなく、「他人に伝えるためにどう書けばいいか」が見えていないからです。

何を書くべきなのかを判断するのは、簡単ではない作業です。私自身、まだまだ読み違えることがあります。5年10年と経験を重ねながら、徐々に精度と速度を高めていく性質のものです。

が、決められた手順に沿って「読み手にとっての価値」を考えることで、学生でも判断の精度を高められます。

最初は時間がかかりますが、考え方の “型” をトレースしているうちに、自然に頭の中でできるようになっていきます。

 

「読み手にとっての価値を考える」チャートシート

こちらをプリントアウトして、記入してください。以下で使い方を細かく説明していきます。

 

手順1:目的を明確にする

「その文章を書くのは、何を達成するためですか?」という問いに答えます。

真っ先に意識するべきなのは、記事を書く目的です。

よく勘違いしてしまうのですが、文章を書くのは、読んでもらうためではありません。

地域活性プロジェクトのイベントレポートならば、読んでもらったうえで、活動に興味を持ってもらい、次のイベントに足を運んでもらったり、活動に協力してもらうためであるはずです。

【詳細に解説している記事】
あなたのライティングが未熟であるたった1つの理由(と、飛躍的に成長させるシンプルなコツ)

 

手順2:読者像を思い浮かべる

「あなたの文章を読んで、説得に応じてくれた人がいます。 それは誰ですか?」という問いに答えます。

目的を明確にできれば、誰に訴えかけるべきか、読者像を思い浮かべられるはずです。

地域の社会人でしょうか、企業の担当者でしょうか、学生でしょうか。

もし学生なら、どんな学生でしょうか。地域の大学に通っていて、地域活性に関心がある。が、どう行動したらいいかわからず、学生生活を持て余している、など。なるべく細かく想像する必要があります。

【関連記事】
反応を取りたいのなら、たった1人に読んでもらうために記事を書け!

想像しやすくするには、よく知っている友人・知人を思い浮かべるのがベターです。あの人なら呼びかけに応じてくれるんじゃないか、という候補者の名前をシートに書き込んでください。

どうしても思い浮かばないという場合は、最悪、自分でもかまいません。

 

手順3:想定読者にとって価値のある情報を推測する

「知人が説得に応じてくれた理由はなぜですか?」という問いに答えます。

続いて、想定読者がどんな情報を求めているのか、どんな情報に興味を持つのかを考えます。

思いつく限り、書き出してください。最低でも5つ以上は考えてください。よく知っている友人・知人を想定読者にしているので、その人の価値観や思考回路を想像しやすく、比較的に考えやすいはずです。

最後に、「これがなかったら決断までは至らなかった」という核心的な3つの要素を選びます。

記入例はこちらです。
imagine-the-value-to-the-reader.016

 

核心的な3つの要素を伝えることを主眼に置いた記事を書く

以上で、「読み手にとっての価値」が明確になりました。あとは、読み手にとって価値がある要素を中心に、記事を制作していくだけです。

上記の例で解説します。地元で活動している、という事実が大切であれば、冒頭で活動エリアや地域の人々とのかかわりについて、丁寧に紹介するといいでしょう。

組織がしっかりしていると伝えたいなら、メンバーのチームワークや、代表のリーダーシップにフォーカスする方法があります。

プロジェクトの成果が重要ならば、イベントの内容を長々と説明するのではなく、「イベントを開催した結果としてこういう成果が出ました」と簡潔に伝えられればベストです。

それぞれの取り組みや、記事を制作する目的に沿って、あてはめて考えてみてください。

 
【具体的な記事の書き方については、こちらの記事を参考にしてください】
未経験の学生が立派なライターになれる、ニュースメディアの記事制作マニュアル7つの秘訣

WEB発信に積極的な学生のための「理想的な文章の書き方」

一目瞭然。読まれるブログ記事の書き方

1010月

読点は減らすべきか増やすべきか|イケダハヤト『武器としての書く技術』の有意性を検証する

Kindleで53%まで読んだ途中経過での感想です。僕自身もフリーライター&ブロガーとして、わりと感覚よりも理屈を重視して書いているほうですが、大半で内容に賛同できました。

一部、意見が異なる部分も存在しました。ピックアップして、僕の意見を書きます。基本的には明確な正誤が存在する要素ではなく、考え方やスタンスの問題になるかとは思いますが、みなさんはどちら派ですか?

武器としての書く技術

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第1章は「できていなければまずい」基礎的内容

第1章は「文章が残念な人の10の特徴」と題して、基本的な文章術について言及しています。

ここは本当に根本的なところなので、もしできていないと感じる箇所があったら、すぐにでも修正できるように努力すべきです。書き手としてはできていて当然、という要素です。

 

1. 何が言いたいのかわからない

伝えたい内容を一つに絞り、整理して伝える。基本中の基本です。

 

2. 文章が長い 一文が長い

田端信太郎さんが『MEDIA MAKERS』で明快に論じているとおり、WEBはノンリニアの世界です。読むのに時間がかかるコンテンツは場違いであり、それだけで敬遠されます。

つまり、現在のメディア環境(特にPCやスマートフォンを見ているユーザー向けに)でリニアなコンテンツを用意するというのは、牛丼チェーン風のハイチェアのカウンター席にいるお客さんに、3時間もかかるフルコースのフレンチを給仕するようなものなのです。

田端信太郎『MEDIA MAKERS』 第5章「コンテンツ」の軸でメディアを読み解く――源氏物語からニコ動までコンテンツを分類する3次元マトリックス

【参考記事】
ブログを自己満足で終わらせないために意識するべき7つのポイント|田端信太郎『MEDIA MAKERS』より

また、句点の少ない長文は、意味がとりにくいデメリットがあります。WEBでは、速読、あるいは流し読みが基本となるので、避けるべきです。

 

3. 同じ語尾が続く

可読性にはあまり影響がないので、個人的にはあまり重視していません。が、意図してそろえているのか、無意識にそうなってしまっているのかの違いは大きいと思います。

 

4. 抽象的すぎる

5. 私的すぎる

抽象的すぎる、よりも、概念的すぎる、のほうがしっくりくるかもしれません。私的すぎればそれもまた理解しにくいので、誰もがすんなり理解できるレベルまで抽象化して語る(書く)のがベストです。

 

6. 「〜だと思います」「〜な気がします」が多すぎる

説得力のない文章に価値を感じる人は少ない、というシンプルなお話。

 

7. 多方面に気をつかいすぎて何が言いたいかわからない

8. まじめで優等生

このあたりは「さすがイケダハヤト」という感じです。本音をストレートにぶつけなければ、他人には届かない。

無意識に気を使ってしまうケースが圧倒的なので、個人レベルで気づいて修正するのはなかなか大変です。

 

9. 最後まで読まないと結論がわからない

僕はよく、検索エンジンで調べものをするときを想像してください、と言います。無数に表示される検索結果の中から、気になるタイトルの記事を見つけたら、とりあえずクリックして、内容をザッと眺めますよね。いきなり頭から熟読を始めるのではなく、「お、この記事は問題を解決してくれるかもしれない」と思ってはじめて、詳細に読み始めます。

タイトル、書き出し、小見出しで、瞬時に記事の内容が知れるようにしておくのが、読み手にとって最も利便性が高いのです。

【関連記事】
一目瞭然。読まれるブログ記事の書き方

 

10. そもそも内容がつまらない

誰もが発信するような、ありきたりな題材は、マスメディアに任せておけばいいじゃない。ニッチな題材を扱ってこそ、個人メディアが活きると僕も思います。

 

第2章はイケダハヤト流・WEB文章術

第2章では、第1章の基礎的な内容をふまえて、より私的な文書術へと入っていきます。大きなポイントは、編集者視点・マーケター視点が必須である、という事実です。

旧来的には書き手と編集者は別だったわけですが、大半が個人での活動となるブログでは、書き手が「読み手にとって」を真剣に考える必要があります。

見出し、読みやすくする工夫、タイトルの付け方、バズワードの分析など、月商50万円のプロブロガー・イケダハヤトならではのノウハウが詰め込まれています。

 

読点は減らすべきか? 増やすべきか?

第2章の6番目に「リズムのよい文章を意識する」という項目が出てきます。句読点と改行の使い方について言及しています。

読点「、」の使い方には、僕は真っ向反対の意見を持っているので、ピックアップしたいと思います。

リズムが悪い文章は、読みにくい文章です。文章を書くときにはぜひ「リズム」を意識するようにしましょう。

(中略)

句読点が文章のリズムを作る、というのはあなたもご存じでしょう。
たとえば次の文章は、明らかにリズムが悪いです。

(中略)

走り出したいのに障害物が散乱して、うまく走り出すことができない……そんなフラストレーションを感じる文章です。

(中略)

「、」を外してみて誤読しない範囲であれば、なるべく「、」を減らしていくようにしましょう。どうしても「、」が多くなるようなら、文を分けてしまえばいいのです。

イケダハヤト『武器としての書く技術』 第2章「凡人の文章を最強の文章に変える10の魔法」より

「リズムが悪い文章は、読みにくい文章」なのかどうか? という問題提起をしたいと思います。僕自身は、WEBにおいては、意味がとりにくい文章、あるいは誤読を誘発する文章こそ、読みにくい文章だと考えています。

先ほども触れましたが、WEB環境においては、速読、あるいは流し読みが主流になります。そこで重視されるのは、文章のリズムではなく、瞬時に文意を理解できる可読性です。

流し読みの状況下で可読性を高めるためには、リズムに関係なく、意味の区切りで読点「、」を入れるのが最適です。

文章のリズムを考えるときは、実際にその文章を「頭のなか」で音読してみるのがよいでしょう(口に出す必要はありません)。

ともあるのですが、これも「速読、あるいは流し読みでやらなければ、読み手の状況をシュミレートできない」というのが僕の意見です。

 

小説新人賞の選考でも同様

実はこれは、過去に小説の新人賞を狙っていたときに、若桜木虔(わかさき けん)メール通信添削講座で知って、「なるほど」とえらく納得した内容です。

新人賞の選考は、大量の応募作をふるい落とすため、猛速読で行われます。200〜300枚を30分、というレベルだそうです。とくに(純文学でなく)エンターテイメント小説においては、美文がどうのこうのよりも、下読みさんにストレスを感じさせず、誤読をさせないことが何よりも重要になるというわけです。

言うまでもなくこれは、WEB環境で文章を読む状況に酷似しています。速読より流し読み、という点で、よりたちが悪いとも言えるでしょう。WEBでの執筆にも新人賞応募作の考え方が流用できる、と考えて、私はリズムではなく、意味の区切りで読点「、」を入れる意識を徹底しています。

※ちなみに、若桜木虔メール通信添削講座での指導では、「これでもか!」というくらい読点「、」を多用します。WEBの文章は新人賞応募作ではないので、いくらなんでもやり過ぎだろうと思い、個人的にカスタマイズしています。

みなさんは、WEBの文章を読むときに、リズムの悪さを意識するケースがありますか?(あるいは、意識はしないけれども、体験の質に影響すると思いますか?)それとも、リズムなんか無関係に消費していますか?

ぜひ意見を聞かせてください。

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197月

反応を取りたいのなら、たった1人に読んでもらうために記事を書け!

読まれる記事と、効果のある記事は、必ずしもイコールではありません。もしあなたのメディアが、ページビューを稼げば稼ぐほど、満足できたり、広告収益が上がったりするタイプであれば、読まれる記事を書くべきです。でも、読み手に反応してもらったり、行動してもらったりしてほしいのなら、そのたった1人に向けて記事を書くべきです。

 

100人中100人に理解してもらう必要はない

ブログで発信していると、記事がしっかり読まれるケースの少なさに気づきます。

シェアされている記事は途中までしか読まれていない、という調査 | the Public Returns – 続・広報の視点

特に批判的な言及の多くは、前半しか読んでいなかったり、ほとんどタイトルしか見ていなかったりするのが、経験的事実です。かけ出しの頃は、「読解力がないのか、それとも書き方が悪いのか……」と考えることもありましたが、今となっては、WEB環境特有の、読み手側の読解しようとする意欲の低さが問題なのだと理解しています。

記事が意外に読まれない事実は、書き手としては無視していい要素です。もちろんリーダビリティと表現力を向上させる努力は大切です。が、過度に気にして、100人中100人に理解してもらおうとするのは、無駄な努力です。現実的ではないし、そもそも全員に理解してもらう必要はありません。

 

記事を書く目的から逆算して考える

文章を書く目的を考えてみてください。ポジティブな行動を促したい。意見や価値観に共感してくれる仲間がほしい。プロジェクトを応援してほしい。商品やサービスを売りたい。などなど。

世の中には様々な人がいます。ある文章を読んで行動する可能性のある人は、ほんの一握りです。その他の圧倒的大多数は、どんなに説得されても、行動までは至りません。だとしたら、行動してくれるかもしれない、たった1人に向けて記事を書くべきです。

たとえば、こちらの記事。

乗り遅れてない?『フューチャーセッション・ウィーク2013』は満を持して5月31日〜6月8日開催!

フューチャーセンターが気になっている人に、この機会に行動(参加)してほしいと思って書いた記事です。

ニッチな題材なので、公開以来、300人ほどにしか読んでもらっていません。けっして多くの人に読まれたとは言えない記事です。

でも、300人中3人からコンタクトがありました。1人は「私も初めてフューチャーセッションを開催します」と教えてくれ、もう2人は「この機会に参加してみます」とメッセージをくれました。

3万人に読まれてもPV以外に何の貢献もしない記事もあれば、たった300人に読まれただけで3人もの人間が反応してくれる記事もあります。

 

勇気を持って “たった1人に向けて” 発信する

記事を公開してもたいして読まれないと、不安になったり、モチベーションが下がったりします。が、ページビューに迎合して記事を書いていては、目的を達成できません。もし、何かしら目的を持って発信しているのであれば、

「記事に価値があれば、いつかGoogle検索が、その記事を必要とする誰かへ届けてくれるはず」

と信じて、勇気を持って “たった1人に向けて” 発信するのをお勧めします。

295月

正しいブログ記事タイトルの付け方|目的から逆算して考える5ステップ

何かしら目的があってブログを書いているのであれば、ブログ記事のタイトルの付け方には正解が存在します。タイトルの役割は、記事の内容と、読者の嗜好のマッチング。記事の内容に興味・関心があるだろう全ての読み手にクリックしてもらえるよう、タイトルで記事の“価値”を余すところなく伝え切るのがベストです。

 

釣りタイトルの問題は、目的達成を妨げる点

意図的に煽ったり、大げさに誇張したり、ミスリードを誘引したりする、いわゆる“釣りタイトル”は、読み手に嫌われます。なぜなら、興味や関心を持ってクリックして、記事を読みに訪れたのに、膨らんだ期待に応える要素が存在しないからです。「騙された」と感じさせてしまったら最後、ロクに読みもせずに違うページへ移られてしまいます。これでは、純粋にPVを稼ぐ以外にメリットはありません。

みなさんがブログを書く目的は様々だと思います。が、趣味のブログならばともかく、PVのみが欲しいという方はあまりいないのではないでしょうか。原則的にはPVに比例して収益が増えるアフィリエイトにしても、読み手に「騙された」と感じさせてしまったら、クリック率は大きく低下するはずです。仕事依頼の獲得や、イベント集客、商品やサービスの販売、プロジェクト協力者の獲得などの場合はなおさら、記事の内容そのものに興味・関心を抱いてもらえなければ、目的の達成が困難になります。

 

タイトルの役割は、記事の内容と読者の嗜好のマッチング

“釣りタイトル”の事例から得られるのは、記事の内容に関心のない人に無理に読んでもらっても、誰も幸せにならない、という教訓です。「PVさえ増えればあとはどうなったっていい」というスタイルでない限り、デメリットばかりです。

タイトルの役割は、記事の内容と、読み手の嗜好のマッチングです。Google検索、RSSリーダー、ソーシャルメディア、はてなブックマークなど、いずれも人はタイトルと書き出し(または本文の一部)のみを見て、クリックするかどうか(読むかどうか)を決めます。タイトルで記事の価値を余すところなく伝え切り、記事の中身に興味・関心を持つ人すべてにクリックしてもらえる結果を目指すのがベストです。

繰り返しますが、そもそも記事の内容に興味のない人に、無理して訪問させようとしても、多くの場合、百害あって一利なし。本来の読者すら失う事態になりかねません。記事の内容にあった読者になるべく多く訪問してもらう結果だけを意識してください。

 

目的から逆算してタイトルを考える5ステップ

具体的にどうやってタイトルを考えているのか、当WEBマガジン『Handmade Future !』の記事のみで、すべての仕事を獲得している僕のケースを紹介します。

 

1. 記事の目的を明確にする

・仕事依頼の獲得
・プロジェクト協力者の募集
・イベント集客
・商品やサービスの販売
・バナー広告やアフィリエイト

など、記事の目的、達成するべき目標を明確にします。

目的を明確にするのは、タイトルだけでなく、記事全体にとって最も重要です。目的がはっきりしなければ、コンテンツそのものがぼやけてしまい、読み手へ届きにくくなるからです。目的から出発できるかどうかで、プロへの一歩を踏み出せるかが決まると言って過言ではありません。

 

2. 目的から読者像を思い浮かべる

目的が明確になれば、記事をどんな人に読んでもらう必要があるかが見えてきます。例えば学生団体のメンバー募集が目的の記事であれば、学生が対象になります。しかも、このままの学生生活ではまずいと焦っていたり、学生のうちに何かを成し遂げてやると意気込んでいる学生がターゲットになります。

 

3. 想定読者が最も“価値”を感じる要素を推定する

タイトルを考えているということは、もう書く内容が頭の中で整理されているか、あるいは既に書き上げているはずです(タイトルを先に考える方がおすすめです。記事内容をブレさせないためです)。記事の内容の中から、想定読者に響くであろう情報を推測します。

イベントレポートだとして、1日のイベントのあいだには様々な出来事があります。学生団体のメンバー募集が目的であれば、このままの学生生活ではまずいと焦っている学生へ向けて、もっとも響くようにイベントの一部を切り取り、切り口を工夫して記事を書こうとしている(あるいは書いた)はずです。

端的に言って、いま書こうとしている(書き終えた)記事の価値をワンフレーズで表現してください。もちろんコンテンツ(記事)が的確である、という前提ですが、記事の価値を余すことなく伝え切れれば、想定読者は自然とタイトルに惹きつけられるはずです。

 

4. 検索されるだろうワードを盛り込む(SEO)

学生団体のメンバー募集の例で言えば、おもしろそうな学生団体がないかな? と探している学生が、どんなキーワードで検索をするかを想像し、タイトルに含めます。うまくGoogle検索で上位に表示されれば、継続的な流入を生み、記事はいつまでも生きるからです。

SEOの詳細に関しては、冗長になってしまうため、当記事では触れません。詳しくは下記2記事を参考にしてください。どちらも素人にできるレベルで、着実に成果が出る方法を紹介しています。

たった5分。検索上位を実現するたった3つのステップ

専門知識不要。ブログ開始2ヶ月で目に見えるSEO効果を出すコツ

 

5. タイトルだけを見て、どんな種類の記事か判断できるか確かめる

インタビュー記事なのか、レポート記事なのか、書評記事なのか、オピニオン記事なのか、一目でわかるように微調整します。

もちろんSEO対策や、記事の価値を伝えるための工夫が無効にならないように留意してください。

 

「タイトルで記事の価値を伝える」の具体例

注意点として、もっとも陥りやすいのは、タイトルを“内容の要約”にしてしまう間違いです。書評記事なら「●●●●を読んで」だとか、学生団体の活動レポートなら「××××へ行ってきました!」だとか。どちらも、読んだ行ってきたという状況の説明でしかありません。

もし、議論沸騰の話題本で、読む行為そのものが価値なのであれば、「●●●●を読んで」も選択肢でしょう。が、多くのケースでは、あなたが本を読んだかどうかは、読み手にとってどうでもいい情報であるはずです。

行き着くところまで行ってしまうと、中身を読まなければ内容の要約とすら気がつけないタイトル事例も見られます。

ブログではないのですが、最近読んだ本の中で特に顕著だったのが、馬淵澄夫代議士の『原発と政治のリアリズム』でした。読み終えれば確かに、馬淵代議士の主張したい内容を要約したタイトルになっていると気づけます。が、これではほとんど誰も読みたいとは思わないはずです。本の価値が伝わっていないからです。

『原発と政治のリアリズム』は、中身は素晴らしくおもしろい本です。僕は「もっと多くの人に読まれてもいい本だ」と思い、書評記事を書きました。付けたタイトルは、

実務家・馬淵澄夫がいなかったら福島第一原発はどうなっていたのか – 書評『原発と政治のリアリズム』

でした。僕にとっては、真相は未だ闇の中の感がある東日本大震災直後の原発事故対応の様子を、実際に現場で対応にあたっていた馬淵代議士が詳細に記している点が価値でした。また、読み終わった後のもっとも強烈な印象は、「いま福島第一原発がもちなおしているのって、奇跡なんじゃないか!?」という驚きでした。

この2点をタイトルでしっかり訴求できれば、僕自身と同じように「当時の真相をもっと知りたい、あるいは機会があれば知っておきたい」と考える読者に刺さります。おかげさまで、そこそこ多くの方々に読んでいただき、『原発と政治のリアリズム』を読んでみたくなったという感想もいくつかもらえました。もっと多くの人に読んでもらう、という目的を達成できました。

仮にですが、「原発と政治のリアリズムを読んで」などというタイトルを付けていたら、ほとんど誰にも読まれることがなかったのは、言うまでもありません。タイトルで“価値”を伝える必然性が理解できる一例です。

 

記事の価値を訴求するのが最優先。テクニックはその次に

ブログ記事のタイトルに関しては、様々な方が多用なテクニックを語っています。大半は、なるほどなと唸らされるものばかりです。例えば、

・具体的に数字を入れる
・悩みや課題を解決できそうだとわかるワード(テクニック、秘訣など)を入れる
・32文字以内におさめる
・嘘にならない範囲でインパクトのある言葉を使う
・情報を盛り込みすぎず、訴求ポイントを絞る
・目立つ記号を使う

などです。これらは、ぜひ積極的に使ってください。WEB検索をすれば、たくさんのノウハウを学べます。

ただし、「目的から出発し、記事の価値を伝える」という原則がおろそかになっては、優れたテクニックも、宝の持ち腐れになってしまいます。場合によっては、テクニックが目的の達成を妨げるケースさえ出てきます。

まずは“目的から逆算してタイトルを考える5ステップ”をマスターする意識を持ってください。慣れないと、時間が掛かり負担感がある作業です。が、懲りずに半年ほど続けていれば、意識せずとも自然に、最も効果があるだろうタイトルを選択して付けられるようになります。

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WEBライティング講師、WEBマーケティングの依頼|寄金佳一 | Handmade Future!

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