オピニオン

1511月

オウチーノがアウチーノらしいので在籍当時の思い出を書いてみる

今朝、いつもどおり4時半ごろに起きて一仕事してから、何気なくネットを見ていたら、懐かしい固有名詞が目に飛び込んできた。

オウチーノ、上場シーノ、アカジーノ、アウチーノ、ウレネーノ、オワリーノ : 市況かぶ全力2階建

株式会社オウチーノは、2012年10月までは株式会社ホームアドバイザーといい、私が2007年秋から2009年春まで1年半勤めていた会社だ。

2013年12月に念願の東京証券取引所マザーズ上場を果たした。

企業沿革|株式会社オウチーノ – 企業情報

「念願の」と書いたのは、私が在籍していた、たしか2009年ごろに一度、上場に失敗しているからだ。

一度上場に失敗すると再チャレンジに数年はかかる、というのが常識らしく、このチャンスを逃すな、という発破が社内でも飛んでいた記憶がある。

私は、ちょうど2009年4月に初めての子どもが生まれることが決まっていた。

「こんなに残業してたら子育てしたいのにできねー」という理由で、退職は既定路線だった。

だからあまり関係がなかったが、「この人はできる」と一目置いていた人がどんどんいなくなり、「泥船から我先に……」感がなかったわけではない(あくまでも主観)。

そのオウチーノが上場を果たしたときいて「へぇ頑張ったねー」と思ったものの、内心「この先だいじょうぶかいな」といういらぬお節介なことを思わないでもなかった。

案の定、上場の翌年に売上が激減し、経常赤字に転落。オウチーノがアウチーノじゃねーか、というのが冒頭の記事だ。

 

リクルートからベンチャーへ

私は大学卒業時、作家になろうと思っていたので、就職活動はせずに、何かしら文章や文字と関われる仕事がないかと物色していた。

見つけたのが『ゼクシィ』の校正の仕事で、アルバイトから派遣へと雇用形態を変えつつ、『住宅情報ナビ』すなわち現在の『SUUMO(スーモ)』へと移った。

リクルートらしくやる気のある人間には役割が与えられる職場で、校正だけでなく、業務改善や進行管理、マネジメントも学べる環境だった。

ただ、長く勤めても(正社員以外は)給料が上がらないのがリクルートのやり方なので、経験を活かして転職を模索していた。

そこで拾ってくれたのが、不動産ポータルサイト『HomePLAZA』(当時)を運営していた、株式会社オウチーノ(当時は株式会社ホームアドバイザー)だった。

 

契約社員で入社して半年で課長に抜擢

先にいいところを書いておくけれど、仕事ができる人が正当に評価される職場だったのは間違いない。

何しろ私は契約社員で入社して、3ヶ月でリーダー(係長級)になり、半年後には課長の仕事をしていた。

それなりに実力があり、野心のある人には、おもしろい職場ではあると思う。

言い換えれば、それくらい人材の層が薄く、上場という高い目標を達成するためには使えるものは何でも使う、ということでもある。

が、まあベンチャーで社員50人規模に成長してくれば、どこも同じ課題を抱えるはずだ。知名度がなく将来性も不明な会社に、優秀な人間が来たがるはずもない。

面接官もやったので、これは事実と断言できる。そもそも面接に能力のある人間がやってくる可能性が極めて低い。

 

私がこの会社でやったこと(読まなくても本筋には関係ない)

ところで、私はこの1年半で主に、編集部の制作物の品質管理を担当した。

もう時効だと思うから書いてしまうけれど、当時は制作ミス(掲載情報の間違いなど)があまりに多く、クレームが多発していて、編集部はお荷物と見られていた。

せっかく営業が受注してきても、まともに制作できず、クレームの嵐では、足を引っ張る結果になってしまうからだ。

ざっくり、ミスの量を1/3に削減した。加えて、作業効率を約1.5倍に向上させた。

ぶっちゃけ簡単な仕事だった。取り組んだのは主に3つで、

・作業方法を可能な限りシンプルにする
・作業上のルールを統一する
・個人が蓄積したノウハウを全体で共有する

という、どれも当たり前なことばかりだ。これさえやれば、普通の制作環境になる。リクルートで「理想のやり方」を見ていたのも大きかった。

 

何もかもを「上場が目標」で回さざるを得なかった

2007年秋〜2009年春当時のこの会社を一言で表現すれば、「上場がゴールの会社だった」ということだ。

冒頭の市況かぶ全力2階建の記事で、上場ゴールという言葉が使われているが、私はそこまで空虚な会社だとは思わない。

ただ、何もかもが上場を目標に回っていた。いや、回さざるを得なかった。

営業目標が高いのも、残業が多いのも、見なし残業代しか払われないのも、レジャーでの有給取得を認めないのも(私の部下だけは部長と戦争して取得させたが、他は知らない)、給料が安いのも、ボーナスが金一封程度なのも、すべては「上場が成功すれば返ってくる」という理屈だった。

※捕捉すると、給料やボーナスが安いのは、上場に値する利益を少しでも出すためと推測される
※もちろん今はどうだか知らない。さすがに上場企業なんだから改善されてるはず

実際、返ってくることは返ってくるだろう。

ただ、社員にはかなりの負荷がかかる。無理はそれほど長くは続けられない。

上場に一度失敗すると再起に時間がかかってしまうというのは、これも理由なのだと思う。

 

上場成功翌年の転落は「やっぱり……」感が強い(主観)

あくまでも2007年秋〜2009年春当時の実感なので、現状も同じだとは断言できない。

もし、同じやり方で昨年12月の上場に漕ぎ着けたと仮定すれば……だが、上場成功翌年の転落は「やっぱり……」感が強い。

社員も気が抜けるだろうし、持ち株の売却益を土産に、優秀で経験豊富な人材が流出している可能性も考えられる。

もし私に子どもが生まれる予定がなく働き続けていたとしたら、上場が実現した段階ですぐに株を売却しただろうし、退職も考えただろう。

人的問題だけでなく、商品(オウチーノのサイトほか)も、「とりあえず体裁を整えろ」の積み重ねで来ているはずなので、そもそも競争力が低いはずだ(これは想像なので各々で判断してほしい)。

商品が明確に優れていなければ、売れるはずがない。

上場後の一年で細かな改修を重ねて競争力が付いてくるのか。

それともベンチャー時代のスピード感のままに「とりあえず」で上塗りしていくのか。

どちらにしても、年度末に何かしらの決着がつきそうなので、生あたたかく見守りたい。
※最後にもう一度だけ繰り返しますが、あくまでも2007年秋〜2009年春当時の実感からの推測です。今も同じ状況である保証はありません。

あと私は株はまったくわかりません。あしからず。

210月

納得した子育てをするために親に求められる「3つの決断」

よりよい子育てのためには、自分らしくいられる新しいコミュニティを見つける必要がある。

なぜなら、親が不満やストレスを抱えたまま生活していて、充実した子育てができる道理はないからだ。

しかし、古典的なコミュニティ(たとえば、地域や学校の繋がり)では、自分らしく振る舞うのは難しいケースが多い。価値観の異なる人間が、ただ近くにいるからという理由だけで集ったものだからだ。表面的な理解のみで成り立っている、閉塞的な人間関係は、息苦しい。

かといって、まったくコミュニティに参加せずに孤立すれば、やはり子育てのハードルは高くなる。独力のみで子育てを成し遂げるのは、至難の業だ。

いま日本社会は、志のある人たちの活躍や、Facebookの普及により、共通する子育ての価値観をベースに、仲間を得られるようになってきている。これが立派にコミュニティとして機能する事例が出てきている。

“コミュニティ格差” と “Facebook” が子育ての充実度を決める時代

こうした新しいコミュニティを探し当て、子育てをよりよいものにするために、親に求められる「3つの決断」を紹介する。

 

決断1:Facebook上では自分を偽らない

自分に合った新しいコミュニティを探し当てるには、どうするべきか。

あなたがまずやるべきは、自分を偽らないことだ。ありのままの自分を見せなければ、本当の仲間は見つからない。

しかしこれは、地域社会や職場など、逃げ場のない人間関係では、難しいケースも多いだろう。

だが、Facebookではそうではない。目障りな投稿を非表示にしたり、ストレスを感じる投稿者のフォローを止める(相手には通知されず、「友達」状態も維持される)ことで、あなたのFacebookは、どんどん快適な空間になっていく。

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自分を偽らずに、ありのままを発信しよう。

波風が立つからと躊躇してはいけない。良いものは良いと言い、気に入らないものは気に入らないと発信するべきだ。

離れていく人を、無理につなぎ止めておく意味はない。あなたにとって、もともと必要のない人たちだからだ。

必要のない人間関係にストレスを感じたり、時間を奪われたりすることほどの無意味はない。ありのままの自分でいて、それを受け入れてくれたり、許容してくれたりする人たちだけのために、時間を使おう。

あなたの良いところも、悪いところも知って、それでも付き合ってくれる大切な人たちは、“自分らしくいられるコミュニティ” について、たくさんの示唆をもたらしてくれるはずだ。

 

決断2:「できない」でなく「やりたい」と向き合う

Facebookのデトックスは、自分の周囲の環境を整える作業だ。居心地が良くなる反面、視野が狭くなり、自分に合ったコミュニティを見つける作業から、遠ざかってしまうかもしれない。

次にやるべきは、自分にとって大切な人たち、重要な人たちの発信に目を向け、気になる情報があったら、積極的に行動してみることだ。

このとき、できない理由を探してはいけない。

一人で子どもたちを連れて行くのは大変だ、知らない人たちのイベントに参加するのは不安だ、行ってみてつまらなかったらどうしよう……など、ネガティブな感情に引きずられていては、あなたの境遇が変化することはない。

「楽しそう」「おもしろそう」「行ってみたい」「やってみたい」という衝動と素直に向き合い、フットワークを軽くしよう。

とりあえずやってみなければ、良いも悪いもわからない。

※逆に、他人から誘われたとしても、おもしろそうだと思えなかったら、きっぱり拒否することも大切だ。参加者におもしろそうだと思わせられないのは、100%、主催者側の落ち度だ。断じてあなたの責任ではない

 

決断3:「違う」と感じたらドライに切り捨てる

行動してみて、成功するケースもあるし、失敗に終わるケースもある。

だが、失敗を恐れる必要はない。たくさんの人と会い、価値観に触れ、空気を体験することで、様々に気づきが得られる。世界は、広げれられるだけ、広げたほうがいい。

ただし、「とりあえず行動してみる」というアグレッシブさと同時に、「やってみて “違う” と感じたら、きっぱり方針転換する」という、ドライな姿勢も重要だ。

違和感があるのに放っておけば、足枷になってしまう。いつまでたっても、自分らしくいられるコミュニティには近づけない。

人生とは、行動して可能性を広げる作業でもあると同時に、生きやすくするために可能性を限定していく作業でもある。

無数の「違う」の積み重ねがあってこそ、自分が求めているものが形になっていくと私は思う。

110月

“コミュニティ格差” と “Facebook” が子育ての充実度を決める時代

経済格差や、情報格差が、子育てに大きく影響してくる、と考える人は、少なくないはずです。

しかしながら、5年間、子育て中心の生活をしてきた実感からすると、第2の視点として “コミュニティ格差” が子育ての充実度に大きく影響するのではないか、という実感を持っています。

これからの時代、子育ての充実度を決めるのは、所属するコミュニティの質であり、所属するコミュニティを選び取ろうとする親の意識ではないかと、私は感じています。

 

子育てとは、自分らしく生きられる大人になれるようサポートすること

最初に、いたずらに論点をブレさせないよう、私が考える「充実した子育て」について、定義しておきたいと思います。

私は、幼児期以降の子育てとは、

  1. “世の中” と “人” の多様性を、広く見せて回る
  2. 様々な人生の楽しみ方を、余すところなく伝える
  3. その子の個性を注視して、可能性を広げてあげられるような経験をさせてあげる

などを通じて、子どもが自ら「好きなこと」「やりたいこと」を見つけ、大人になってから自分らしく生きられるように、サポートしていくことだと考えています。

知識を教えたり、勉強するように促したり、などということは二の次、三の次と思っています。

(実際は不要だと思っています。本人がやりたいと思ったり、学ぶ必要があると感じれば、強制せずとも自ら学ぶし、そのほうが効率が良いという考え方です)

 

充実した子育てには仲間が重要

経験から言って、充実した子育て(我が子に、広く世の中を見せて回り、いろいろな人と会わせ、多様な経験をさせること)をするためには、独力では限界があり、「仲間」と「広くて薄い人との繋がり」が重要になってきます。

まず、仲間というのは、ことさら説明は必要ないでしょう。「日常」から外れたところで、子どもをイベントやレジャーに連れ出したり、普段はできない貴重な経験をさせたりするには、似た境遇の仲間(あるいは境遇を理解してくれる仲間)がいるほうが、ハードルが下がります。

BBQをしよう、キャンプに行こう、という程度のことでも、「自分たちだけでは、なかなか一歩を踏み出せない」という親は少なくないはずです。

親が好きなレジャーやアクティビティ他であればいいんですけど、親の引き出し以上のことにはなかなかチャレンジできないのが普通です。

また、価値観や生活習慣の違うファミリー同士が交わることで、より豊かな経験になるケースが多い実感があります。

 

仲間とは、価値観を同じくする仲間のこと

とはいえ、ただコミュニティがあればいいというわけでもありません。町内会やPTAはもとより、保育園や学校のママ友の繋がりにだって、ある種の息苦しさがあるはずです。

“質の高いコミュニティ” とは、なんのことかというと、私は、芯の部分で、子育ての価値観を共有できる、仲間の繋がりのことを指すと考えています。

たとえば私は、asobi基地を中心とした、「子どもが本来持つ力に目を向ける」「子どもの可能性を信用する」「子どもと一人の人間として向き合う」といった価値観のもとに、他家族や保育士との繋がりを持っています。

もちろん、細かな部分では、様々な考えを持った人が集まっています。生活圏も、所得も、ライフスタイルもバラバラなので、むしろ保育園のママ友繋がりよりも、よほど多様性に富んでいるかもしれません。

でも、突き詰めると、asobi基地代表の小笠原舞さんの言う「子どもだって一人の人間」という思いに共感した人々です。

学校や地域の繋がりが、家族ぐるみの付き合いに発展して、お陰でいろいろな経験ができた……とは、なりにくいのは、子育ての価値観が、一番大切な芯の部分で違っている(あるいは共有できていない)からです。

 

SNSが普及したお陰で所属するコミュニティに選択肢が生まれた

asobi基地を中心としたコミュニティは、asobi基地のイベントと、Facebookによって醸成されていきました。

まったく知らない同士だけれども、子育てに共通の課題感を抱えていたり、子どもへの似た思いを持っていたり、という人たちが、リアルと、インターネット空間で、徐々に互いの存在を知っていきました。

こうして生まれたコミュニティの素晴らしいところは、どこまでも自分らしくいられるという点です。

居住地域がバラバラなので、普段は、Facebookでの薄い繋がりしかありません。

こうした状況では、基本的に、人間関係に気を遣う必要がありません。自分の振る舞いたいように振る舞うことができます。嫌なら見ずに知らん顔すればいいわけですからね。

また、遠ざかったところで、誰も嫌味を言いません。asobi基地の価値観の影響か、もともとそういう価値観を持った人が集ったからなのか、お互いを尊重するしようとする空気があります。

すなわち、SNSが普及したお陰で、我々は所属するコミュニティを選べるようになったわけです。社会的な繋がりにおける息苦しさが、ここには一切ありません。

 

コミュニティの多様性が子育ての質を圧倒的に変える

こうして、共通の価値観の元に集った人々は、本当にバラバラです。

「生活圏も所得もライフスタイルもバラバラ」という多様性、そして意外性が、豊かな可能性を生みます。

私はアウトドアが好きなので、同じくアウトドアが好きなasobi基地の面々と、子連れキャンプデビューのイベントを企画し、数家族のキャンプデビューをサポートすることができました。

我が家は、好きなキャンプができるし、子どもたちを色々な人と会わせたり、遊ばせたりできます。もちろん参加家族は、キャンプデビューのきっかけが得られます。

こんなふうに、みんなそれぞれ、自分の仕事や趣味、特技などを発揮して、互いにメリットがある状態で、気軽にサポートし合うことができるわけです。

 

SNSを利用していないことで奪われる可能性が確実に存在する

もう一つ重要なのは、SNSにおける「広くて薄い人との繋がり」です。

子どもに世の中を広く見せて回るにしても、人に会わせるにしても、楽しみを教えるにしても、様々な体験をさせるにしても、個人では限界があります。

たとえば、子どもたちを連れて、日本中、世界中を回る。お金さえあれば、旅行して回るのは、難しいことではありません。が、観光地をめぐるだけでは、その土地の本当の魅力は、なかなか味わえません。

私のFacebookは、asobi基地と、フューチャーセンター関連の繋がりが中心になっているのですが、これにすごく助けられています。

もし私がSNSを一切利用しない人間だったら、私はもっと子育てに焦りを感じていたかもしれないと思うくらいです。

個人的には、これはすごく意外です。Facebookなんぞに実利があるとは(あるいは、こんなに早くSNSから実利が得られようとは)、思ってもみませんでした。

 

地元のおじさんのお陰で貴重な経験ができた

私は、その土地の魅力にダイレクトアクセスするために、地元の人の力を借りることにしています。

ヒューマンツーリズムのすすめ|地元の人と繋がると子連れレジャーや旅行が10倍楽しくなるの法則

その土地の本当の魅力は、地元の人こそ知っているからです。

asobi基地キャンプ2014を企画する過程で知り合ったのが、芦沢哲哉さんです。

キャンプは、大成功でした。

流しそうめんを用意してくれたり、私物のハンモックを張ってくれたり、自宅の庭の菜園で子どもたちに野菜収穫をさせてくれたり、カヤックで遊ばせてくれたり、地元のお母さん手作りの仕出し弁当を手配してくれたり。

地元の方のサポートがあると、こんなにも楽しみが広がり、安心感があるんだと、驚きました。

また、我が家は、芦沢さんとの繋がりのおかげで、幼児連れでカヤックに挑戦することができました。

そもそも、幼児連れでカヤックができるなんて思ってもみなかったし、数あるアクティビティの中から、あえてカヤックを選ぶ理由も見つけられなかったでしょう。

ところがGWに、プライベートで大井川キャンプをする旨を知らせると、「一緒にどうですか?」と声をかけてくれたんです。

 

まさか福井県に遊びに行くことになるとは思わなかった

この夏、1週間ほどかけて、福井県に滞在してきました。

以前、講演に呼ばれた縁で知り合いがいた鯖江市に一泊(古民家泊です)、残りは若狭・高浜町です。

asobi基地で知り合った長尾真紀子さんが、実家に帰省するというので、便乗させてもらったんです。

ぶっちゃけ、関東在住者にとっては、福井県はかなり遠い土地です。車で約500km、新幹線を使っても5時間以上はかかる、交通僻地です。

行ってみたら、自然は豊かだし、海は驚くほど綺麗だし、子どもたちの喜びぶりは尋常ではありませんでした。もちろん、長尾さんの実家がとてもよくしてくれました。

長尾さんという縁がなかったら、子どもたちにこの体験はさせてあげられなかっただろうと思うんです。

 

「広くて薄い人との繋がり」が子育ての充実度を高める

芦沢さんを紹介してくれたのは、静岡県立大学国保ゼミのフューチャーセンターで、わずかに1回挨拶を交わしただけの、Groomしずおか・田中義朗さんです。

鯖江市に講演で呼んでくれた浜口真一さんは、私が運営している『フューチャーセンターニューズ』を見てくださっていたそうで、それまで面識はまったくありませんでした。遠方在住なので、以後も基本的にFacebookのみの付き合いでした。

その浜口さんは今回、サドベリースクールに通うことを決めた親子を紹介してくれました。これもけっこう、衝撃的な体験になりました。

鯖江滞在中に、古民家に泊まらせてくれた荒木真弓さんとは、講演のときに1回会っただけの縁で、今回はFacebookで連絡を取りました。

長尾真紀子さんとは、asobi基地を通じて、以前からお互いに存在は知っていましたが、じっくり話をしたのは、実は今回が初めてでした。

 

100人を越える人たちにお世話になった今夏

こんなふうに、我が家の子育てにおいて、子どもたちに貴重な経験をさせてあげられているのは、自分に合ったコミュニティと、SNSをベースにした「広くて薄い人との繋がり」のおかげです。

親が尋常でないほどの行動力を持っているなら、あるいは、独力でも子どもに様々な経験をさせてあげられるケースがあるかもしれません。

ただ、私の実感では、asobi基地コミュニティと、Facebookでの広くて薄い繋がりがなければ、今のような充実した子育てはできなかっただろうと確信しています。

先日の記事『子どものiPhone・iPad利用を制限しても何も問題は解決しない』で書きましたが、我が家はこの夏、結果として、100人を越えるファミリーや、地元のおじさん、おばさんたちに、次々とお世話になりました。

実は私は、人づきあいに熱心なタイプではありません。苦手、あるいは無頓着です。小中高の友人、あるいは昔の会社の同僚で、今も確実に連絡が取れると断言できる人間は、一人もいないんじゃないかと思うくらいです。

その私が、一夏に100人以上もの他人と関われた事実に、自分が一番驚いています。

279月

地元の人と繋がると子連れレジャーや旅行が10倍楽しくなるの法則

旅行をしていて、なんだか生煮えというか、いまいちピンとこないことってありませんか。

せっかく貴重な休日に、滅多に来られない土地へ来ているのだから、食事にせよ、観光にせよ、アクティビティにせよ、宿泊にせよ、その土地の魅力を満喫できるものに触れたい。

とりあえず、旅行ガイドにのっているような有名どころに足を向けてみるんだけれど、「ふーん」「こんなもんか」以外の感情が湧き起こらない。

でも、だからと言って、どうすればいいのかもわからない。トリップアドバイザーも食べログも、あまり田舎だったり、知名度のない土地だったりすると、ほとんど役立ちません。

***

特に、子育て中であれば、「我が子に、少しでもいい体験をさせたい」と考えますよね。

子どもときの経験が、大人になってからの財産になる事実は、言うまでもなく。幼少期は、今このときだけ。3年後でも5年後でも、また来たときに楽しめればいいや、とは、なかなか思えないんですよね。

しかも、会社に勤めているのであれば、休みだって貴重です。いつでも旅行できるわけではありません。

***

だからこそ私は、これからの旅行やレジャーは「人」だと考えています。

その土地のことは、地元の人がいちばん知っている。地元の人と繋がれば、土地鑑がなくても、その土地のいいところ、魅力的なところ、素敵なところに、迷わずダイレクトに触れらるからです。

実体験を紹介します。

 

従来型 “旅行” の決定的な問題点

ニューツーリズムという考え方があります。

ニューツーリズム – Wikipedia

ニューツーリズムとは、従来の旅行とは異なり旅行先での人や自然との触れ合いが重要視された新しいタイプの旅行である。よって旅行会社が主導ではなく、地域の立場から特性を活かすことが一番であるため、地域活性化につながる新しい旅行の仕組みであると同時に、多様化する旅行者のニーズに則した観光を提供することを指す。内容としては、産業観光・エコツーリズム・グリーンツーリズム・ヘルスツーリズム・ロングステイ・文化観光などが含まれる。

旅行者が自ら観光地をめぐったり、パッケージ化されたツアーに参加するのが、従来の旅行です。

もちろん、これはこれで悪くないんですが、大きな問題が3つあります。

  1. 旅行者の大半は、著名な観光地にしかアクセスできない
  2. 観光地化されている場所や、観光資源が、その土地の最高の魅力だとは限らない
  3. 著名な観光地が、必ずしも旅行者のニーズに合っているとは限らない

 

パッケージ化された観光地巡りでは満足できないケースがある

たとえば、幼児を連れて、京都へ遊びに行ったとします。

有名どころだからと、京都御所に行きます。すると子どもは、御所内に敷かれた砂利で遊び出すはずです。制止しなければならず、ストレスを感じるばかりです。

場合によっては、寺社巡りよりも、鴨川で水遊びをしていたほうがマシ、という状況だってありえるわけです。

大人だって、無数に寺社があるなかで、どこへ行けばいいのか迷うはずです。清水寺に金閣寺、銀閣寺、みたいなメジャーどころを回るよりも、伏見稲荷大社みたいな獣じみた場所のほうが好きだという人もいるでしょう。

ちなみに私は、清水寺・金閣寺・銀閣寺はイマイチ、伏見稲荷大社は大嫌いで、下鴨神社が好きです。

 

単におすすめの場所を教えてもらっても、どうしていいかわからない

“鴨川で水遊び” じゃ、せっかく京都へ来たのにもったいない。と、誰もが感じると思います。

であれば、京都にも豊かな自然があるわけで、自然散策に方針を切りかえるという手段があります。ど素人がパッと思いつくのは嵐山でしょうか。

ところが、京都出身の友人に聞いたら、大原がおすすめだという。大原なんて、素人の旅行者には、まず選択肢にのぼらないわけです。

でもこのときは、断念しました。大原に行くとなると一日がかりになってしまうし、行ったところで現地でなにをすればいいのか、想像できなかったからです。

もし京都出身の友人が同行してくれていたら、話は別だったでしょうね。

 

地元の人と繋がる

今年の夏、子育て支援コミュニティ『asobi基地』で、30名規模のキャンプを実現させることができました。場所は、静岡県榛原郡川根本町の大井川です。
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子連れファミリーが中心で、半分くらいはキャンプビギナーなので、実は企画側もいろいろと大変です。

参加者からも好評で結果として大成功に終わったのですが、地元の芦沢哲哉さんの助けなしには、考えられませんでした。

芦沢さんは、キャンプ場の経営者でもあり、カヤックの敏腕ガイドでもあり、観光協会理事でもあります。

どうやって知り合ったかというと、たまたま付き合いがあった、静岡県立大学のフューチャーセンターコミュニティで、繋げてもらいました。すべてFacebook上で完結しました。

連絡をとって、現地に下見に行きました。
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迷っていたあらゆることがパパッと決まっていきました。キャンプ用品のレンタル、日中のアクティビティ、流しそうめんの準備、野菜の収穫体験、緊急時避難先や急病時の病院、ゴミの処理、最終日のお弁当の手配……などなど。

よその人間が一人でやったら大変な手間になるこれらのことが、地元の芦沢さんの手に掛かれば、あっという間なわけです。

この縁がきっかけとなって、GWには一家でカヤックデビューさせてもらいましたし、来月もまたカヤックに行きます。
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また、大井川鐵道には「きかんしゃトーマス」SLが走っているんですけど、アドバイスをもらって周辺おすすめスポットを取材し、記事を書くこともできました。取材の過程で、子どもたちともども、奥大井の魅力を満喫できました。
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子どもたちと体一つで飛び込んでもこんなに楽しめる

この夏、一週間ほどかけて、子どもたちと福井県で遊んできました。鯖江市と、高浜町です。

鯖江市では、以前に講演で呼んでくれたときに知り合った荒木真弓さんと、講演に呼んでくれた浜口真一さんにお世話になりました。

荒木さんは、古民家「椀de縁」を持っていまして、宿泊をお願いしました。
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その他、ヤギに餌をあげさせてくれたり、
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湧き水に案内してくれたり、朝食を用意してくれたりしました。
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浜口さんは、私が東京サドベリースクールを取材してきたのを知って、サドベリースクールに通うことを決めた根本さん親子を連れてきてくれました。すごく印象的な体験になりました。

高浜町では、asobi基地コミュニティの一員である長尾真紀子さんと、その子どもたち、さらに実家のみなさんにお世話になりました。まあ敦賀から若狭にかけての海の綺麗なこと。
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ヒューマンツーリズムのすすめ

こんなふうに、地元の人と繋がることで、土地鑑がなくても迷わずに済みます。その土地のいいところ、魅力的なところ、素敵なところに、ダイレクトに触れられるんです。

ニューツーリズムの考え方のひとつとして、ヒューマンツーリズムがあります。文字通り、地元の魅力的な人間を資源としたツーリズムです。

単に観光するのではなく、地元の人と繋がる。旅行者にとっては楽しみが広がり、受け入れる側にとってはリピーターの増加を期待できます(なにしろ、あの場所には親しい人がいる、という要素は、強力な誘引力になるわけです)。

芦沢さんがカヤックガイドを務める、川根本町エコツーリズムネットワークでも、同様の考え方で外からの人を受け入れる試みをしています。
★☆川根本町エコツー日記☆★:地域コーディネーターのお仕事 ~教育旅行受入編~

そんなこんなで、いま私は、どこかへ行きたいとか、何かをしたいと思ったら、地元の人を探すようにしています。

さしあたり、asobi基地スキー(or 雪遊び)の受け入れ先を探してます。

どこかにいないですかね? ちびっ子たちがふかふかの新雪で遊べるような場所を提供してくれる雪国の方!

269月

子どものiPhone・iPad利用を制限しても何も問題は解決しない

久々に頭にきたので、ちょっと記事を書こうと思います。

中高生のためのシンガポール留学: スティーブ・ジョブズが子どもにiPhone やiPadを使わせなかった理由

ちなみに、翻訳した新美真理子さんは、一緒にイベントをやったり、キャンプに行ったり、という知り合いです。新美さんが言いたいこと、問題意識はわかるし、記事の内容も、対処療法としては妥当だと思います。

頭にくるのは、この記事を読んだ人たちが、私が見た限り誰一人として、「親が子育てに限られた時間しか使えない(あるいは使おうとしない)」ことが問題だ、と指摘していないからなんです。

日本という国、我々が暮らす社会の置かれている状況に、「ふざけんな」と思います。親が子どもにたっぷり向き合えれば、ゲームなんか無制限でなんの問題もないんです。

もっとも個人的には、スティーブ・ジョブズの子育て論を、持論の補強に使うのは、長い目で見れば得策とは思いません。彼は早死にしました。精神的な世界に傾倒し、科学的に誤った偏食を続け、医学治療を拒否し、結果として膵臓がんに屈しました。伝記を読む限り、家族を顧みることのできない人でもありました。

ジョブズは確かに天才だったけれど、完璧な人間ではありませんでした。思い込みが激しく、激情家で、無数の失敗や間違いを繰り返しました。むしろ、欠点だらけだからこそ美しい、というタイプの人間です。

 

ゲームを悪者にしても根本的にはなにも解決しない

ゲームは、世の中にあふれる娯楽の一つでしかありません。特別に危険視する必要はないんです。なぜ世の中の親は、これほどにゲームを恐れるんだろう? と私はしばしば思います。

無制限に与えたって、本来、何の問題もありません。

うちの子たちは、iPadと3DSを使い放題です。でも、そればかりをずっとやっていることはなく、飽きれば別のことで遊び始めます(きちんと躾けているので、用事があればすぐに中断もできます)。

うちの子たちは、探究心が旺盛で、やりたいことはすぐにやってみます。高いところにのぼったり、さかさまになったり、駆け回ったり、常にアグレッシブです。おまけに、誰とでもすぐに仲良くなれてしまいます。

ゲームを悪者にする人たちは、とりあえず、うちの子たちと遊んでみるといいと思います。自分の考えに、疑問を抱かざるをえなくなるはずです。

 

私たちは花粉症の薬を飲み続けたいわけではない

「ゲームを制限する」という子育ては、けっして間違いではないと私は思います。

ただ、対処療法なんです。花粉症で言えば、炎症を抑える薬を飲んで、症状を抑制するだけ。どんなに薬を飲んでも、治癒するわけではありません。

私たちは本当は、眠くなったり、喉が渇いたりという副作用のある薬を延々と飲み続けたいわけではないですよね。花粉症が治るものなら、治したいんです。

なぜ、子どもにゲームを与えると、子どもの社交性が育たなかったり、ゲームばかりしている子どもになってしまったり、という事態が起こるんでしょうか。

答はシンプルで、親が、子どもに、ゲーム以上の楽しみを提供できないからなんです。

親に意識が足りないのか、物理的に子どもと向き合う時間がないのか、様々な経験をさせようにもお金がないのか、理由はさまざまだと思います。

 

世の中にはゲーム以上に楽しいものが無数にある

ゲームは、ものによっては、中毒になるほど楽しいものです。が、世の中には、ゲームと同等か、それ以上に楽しいことも、無数にあります。

いま5歳の娘は、今年の夏は5〜6回ほどキャンプをしました。夢中で火遊びをし、テントに入らずに星空を眺めながら眠っていました。

キャンプもそうだし、キャンプ以外の旅行でも、様々なおじさん、おばさんに面倒を見てもらったり、個性の違った子どもたちやそのファミリーと遊びました。

さすがに数えていないですけど、この夏にお世話になった方々は、総勢100人は軽く越えていると思います(人づきあいの苦手な私が、よくもまあこんなに、と自分自身で思うんですが、これにはコツがあります。別記事にします)。

また来月には、はじめて会う親子とカヤックに行く予定です。地元のおじさんに、いろいろ手配してもらっています。

※あ、もちろん東京ディズニーリゾートにも行っているし、トーマスランドにも行っています。5歳の娘は(100%自分の意思で)プールと体操にも通っています

 

私たちは仕方なくゲームを制限せざるをえない

我が家のように、子どもに、日常的と言えるレベルで、ゲーム以上の楽しみを提供できていれば、iPadや3DSを制限する必要なんかありません。

繰り返しますが問題は、親が、子どもに、ゲーム以上の楽しみを提供できない何かしらの理由があることなんです。

仕事が忙しく、時間がない。薄給で、お金がない。社会が子どもとたっぷり向き合う余裕を持たせてくれない。などなど。

子どもと向き合える時間は、貴重なんです。だから仕方なく、子どもと向き合える貴重な時間くらいは、ゲームを制限せざるを得ない。

我々は、本当は制限する必要なんかないのに、何かしらの要因によって制限しなくちゃいけない状況に置かれているんですよ。

でも、それでいいんでしょうか。

抗アレルギー薬を飲み続けて、症状を抑えるだけでいいんでしょうか。花粉症を根本的に治したいとは思いませんか。

 

「現状を変えることはできない」と思い込んでいないか

課題ははっきりしています。自分の日常を思い浮かべてみてください。子どもとたっぷり向き合い、世の中を広く見せ、いろいろな人と会わせ、多様な経験をさせる、ということができないのは、なぜですか?

仕事が忙しいから? 旦那が仕事で忙しくて子どもを遠くには連れ出せないから?

課題が明白であれば、根本的に解決することも可能です。

子どものために時間を確保できないのなら、ライフスタイルを変えてもいいんです。仕事を変えてもいいんです。旦那さんが原因なら、腹を割って話し合うべきでしょう。

どうしてもムリ、という状況もあります。それは仕方がありません。我が家も、どうしても動かせない事情はあります。

でも、中には「現状を変えることはできない」と何の根拠もなく思い込んでいる方もいるはずです。

ぜひ立ち止まって、考えてみてください。

本当に、ゲームを制限すれば解決するんでしょうか。あるいは、本当にゲームを制限しなければならないんでしょうか。

 

“興味の赴くままに世界を広げていける” という武器

たぶんうちの子たちは、小学生のあいだには、インターネットとクラウドの仕組み、ポータブルデバイスの本質をマスターしてしまうでしょう。

世の中が、LINE禁止とかゲーム禁止とか言っているうちに、「覚える」から次のステージに進んで、「ネットとポータブルデバイスを使って何ができるか?」を考えているでしょうね。

何の制約も受けずに、興味の赴くままに世界を広げていけるというのは、凄まじい武器です。

うちの子たちを見ていて、親の私自身が、驚かずにはいられません。

ゲームを制限する、というやり方は、本当に子どもたちに必要なんでしょうか。私は、あえて疑問を投げかけたいと思います。

 

ちなみに、我が家が子どもたちに電子機器を積極的に使わせている理由は、こちらの記事に書いています。

こどもにゲームをやらせている言い訳を探す必要はない

  1. ゲームは優れた娯楽だから
  2. 制限すればより欲求が強くなるから
  3. 時代への適応
  4. の3つです。

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