政治

1412月

僕はこうして投票先を決めた。

こんにちは。寄金です。期日前投票に行ってきました。どう考えて、誰に投票したのかについて書こうと思います。

 

納得した投票をするにはあまりにハードルが高すぎる

この記事にも書いたんですけど、

僕は若者に「選挙に行け」とは言えない|津田大介 – ウェブで政治を動かす!

僕は選挙権を得て13年、今までに一度も心から納得して投票できた経験がありません。自分の投票が正しかったと信じられた経験もありません。

はてブで「バカであると表明できる世代」とかなんとか小馬鹿にしたコメントあった気がするんですが、むしろ僕らは、もっともっと「ワケワカンネ」「難しすぎるだろ」「どうやって判断しろって言うんだよ」と声を上げるべきなんです。仕組みに問題があるのなら改善すればいいのに、きまりが悪いのかほとんど誰も声を上げない。結局、「まともな政治家がいない」とか「投票したってどうせ変わらない」と責任転嫁してしまう。

みなさん、安心してください。誰に投票すればいいのかわからないのは、自分だけじゃありません!

 

誰もが投票に満足できる方法を考えたい

選挙権を得てからの13年間、僕は僕なりに試行錯誤してきました。そして今回の選挙で、やっと自分の判断に納得できるかもしれない、という予感があります。

ただ、そのやり方を誰もができるかと言ったら、難しい面もあると思ってます。が、もし本当にその方法で満足できたのなら、誰もができるように仕組みを考えればいいだけです。方向性さえ見えれば、いくらでもやりようはあるんです。

この記事の目的は、第一に「この時点ではこんな風に考えていた」という覚え書きです。まだこれで正解かどうか確証はありません。たぶん実感を伴った回答が出るには3年くらいはかかります。

第二に、この方法論の問題点を、色々な人と一緒に考えてあぶり出すことです。問題点がわかれば、改善できます。もしお読みいただけた方は、気になったこと、感じたことを、TwitterやFacebookでシェアしていただけると助かります。

なお、読んでいただければわかりますが、特定の候補者への投票を勧める意図はありません。「こんなふうに考えて投票したらどうだろう?」と問いかけるのが、当記事の意図です。

 

政策ではなく「人」を最優先に判断する

誰もが自分の投票に満足するには、どうしたらいいのか?

僕は、人々が政治不信に陥る原因は、投票の結果として展開される国政が、あまりにも期待と乖離しているからだと思っています。

私たちの民意がうまく反映されていない、という感覚を誰もが持っているはずです。

逆に言えば、自分が投票した政治家が、自分の期待通りに働いてくれたとしたら、私たちは選挙に満足し、政治を信頼できるはずです。

だからこそ提案したいのが、「人」で投票先を決める方法です。政策は、「人」の基準をクリアできてから、判断材料とすべきだと思います。

 

政策は実現されるかわからない

政策のみを基準に判断しようとした場合、「その政策は本当に実現されるんですか?」という問いに答える必要があります。民主党政権を引き合いに出すまでもなく、政権公約は実現されるかどうかわかりません。実現可能性を素人が判断するのは、多くの場合、困難です。

また、党首が変われば党の方針も変わります。一つの党内に異なった政策を持った政治家が同居するのが、日本の政党のスタンダードです。

だから重要なのは、自分の選挙区の政治家が、その掲げている公約を実現しようと尽力するかどうかです。欲を言えば、実現する手腕、実力、実績もあれば申し分ないですね。

 

複雑すぎて正解がわからない

もう一つ指摘しておきたいのが「正しい政策」を判断する困難さです。これは勇気を持って言っておきたいんですが、消費増税だって、TPPだって、改憲だって、原発問題だって、僕には何が正解なのかわかりません。情報を取れば取るほど、互いに言い分があることがわかります。

どっちが正解か? なんて、本当は政治家にだってわかっていません。欧州のどこかの国が破綻したら? 東日本大震災クラスの災害が発生したら? 中国が戦争を始めたら? グローバル化と情報通信技術の発達により、不確定要素はそれこそ無限にあり、現実は理論のとおりに行かないんです。

加えて、国民一人一人があらゆる分野に精通して判断を下すのは(課題を認識し、理解を深めるのはもちろん大切ですけど)、現実的とは思えません。

また、政治は利益誘導そのものです。ある政策を実行すれば、ある人々が恩恵を受けるかわりに、ある人々は損をします。例えば「大企業を優遇するな」というバッシングは、「中小企業や農業を優遇しろ」という利益誘導です。利害関係が衝突して様々な立場の人がポジショントークを展開することになるため、「正しい判断」は困難を極めます。

 

政策のみで選ぶ方法は、投票の満足度を大幅に低下させる

だから政策はどうでもいい、とはもちろん言いません。

しかし、単に政策の好き嫌いのみで選べば、「話が違うじゃないか」と言い出す有権者が多く出ます。多くの場合、思うとおりには進まないからです。

政策が実現されないかもしれないし、あるいは実現されたのに思った結果にならなかった、というケースだってあり得ます。

これじゃ選挙の満足度は低下するばかり。いいことは何もありません。やはり政策は、「人」の基準をクリアしてから判断材料にすべきではないでしょうか。

 

政治家の話を聞こう

政治家に期待を掛けるには、その政治家をよく知る必要があります。イメージだけで期待すれば、痛い目を見るのは当然。

私の経験上、いい政治家は、「どういう利害が衝突しているのか? どんな理由があって一方を優遇するのか?」をきちんと説明してくれます。その政治家が掲げる政策が絶対的な正解である保証はないですけど、少なくとも考え方を理解すれば、政治家の行動原理が見えてきます。

政治家の発信に耳を傾けるところがスタートです。

何となく反対していた政策も、よくよく話を聞いてみたら考え方が変わるかもしれないですよ。そしてもちろん、どうしても納得できないことがあれば、疑問を直接ぶつけてみればいいんです。

政治家の役割とは、有権者の要求と社会の現状を理解し、適切な政策を行うために党や霞が関、国会で話す――つまり、有権者の声を適度に編集しながら代弁すること。あるいは、最終的には議場で立ったり座ったりして、有権者の代わりに意思を表明することです。

津田大介『ウェブで政治を動かす!』 第5章 ネット選挙に見る次世代の民主主義「政策で選ぶか、人格で選ぶか」 橋本岳前衆議院議員の言葉より

政治家による説明、質問に対する回答、それらから見えてきた行動原理が納得できるものであれば、その政治家に投票することに満足できるはずです。そして当選した暁には、きっと自分が期待したとおりに働いてくれるはずです。

 

神奈川2区は自民党・菅義偉で盤石の地

具体的に、僕がどういう情報を取り、どういう判断をしたのかについて書いていきます。ちなみに特定の支持政党はありません。

まず、選挙区の説明をしておきます。横浜市南区在住なので、神奈川2区です。

神奈川県第2区 – Wikipedia

小選挙区制導入以来、自民党の菅義偉(すが よしひで)氏が連続5選しています。

何度か民主党候補にギリギリまで迫られていますが、得票数トップは譲っていません。凄味を見せつけたのが前回2009年の総選挙。政権交代の大逆風の中、得票率46.5%で、同46.3%だった民主党の新人・三村和也氏を振り切っています(三村氏は比例で復活当選)。

今回の選挙では、候補者は3名。うち1名が共産党の新人なので、事実上は菅義偉氏と三村和也氏の一騎打ち。民主党に大逆風の今回は、菅義偉氏にとって盤石と言えます。また、票が分散しないため(非自民の票はほぼ三村氏に流れる)、戦況によっては三村氏も比例復活当選の目があるかもしれません。三村氏にとっては負けるにしても「負け方」が重要になる戦いです。

 

3年間、Twitter、ブログ、メールマガジンを見続ける

政治家が期待どおりに働いてくれれば、僕は初めて自分の投票に満足できるはずです。そのためには政治家を知る必要があります。

前回、2009年の総選挙以来、3年間ずっと、菅義偉氏と三村和也氏の発信を見続けています。

 

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政治家の考え方、性格、行動原理を把握するまで、僕の場合は3年かかりました。

代表・総裁選挙や、重要法案の採決、党の方針と自分の信念に食い違いが起きたときの行動。また、それらについて説明があったかどうか。説明があったのなら内容に納得できたかどうか。

これらが積み重なって、徐々に政治家を理解していきました。

 

菅義偉氏は熟練の敏腕政治家

詳細は各種プロフィールを見てもらえればと思いますが、2006年に安倍内閣で総務大臣、2009年に(選対委員長・古賀の辞任を受けて)選対委員長代理として大逆風の選挙を取り仕切り、現在は幹事長代行を担う実力者です。安倍総裁の懐刀でもあり、安倍総理が誕生すれば重用されるのは間違いありません。

菅義偉氏に対して最初に抱いたイメージは、「自民党議員としての立場を崩さない人」でした。総務大臣時に、地デジ化推進、不法滞在外国人に対する治安対策、NHK改革&受信料引き下げ提言、地方分権改革推進法成立などなど多くを成し遂げていて、発言を見ていても敏腕政治家なのはすぐにわかりました。しかし、自民党議員として民主党を批判する文脈がほとんどで、菅義偉氏自身の考え方や信念が見えにくかった。自民党の問題点に言及することがなかったのも不満でした。

見る目が変わったのが、まず2009年の(総選挙敗北後の)自民党総裁選で、河野太郎氏の推薦人になっていた事実を(後から)知ったことです。河野太郎議員は信頼している政治家の一人です。僕は自民党支持者ではないですけど、河野太郎議員は支持します。「どういう利害が衝突しているのか? どんな理由があって一方を優遇するのか?」をきちんと説明してくれる政治家の一人だからです。

しかも河野太郎議員は、若手改革派の筆頭です。この人を総裁に推薦するのなら、どうも菅義偉氏は古い自民党議員のイメージとは違うようだ、と気づきました。また蛇足なんですが、山本一太議員がブログで「政界のアニキ」と慕っているのをたびたび目にするのも、この感触を後押ししました。

決定的だったのは、2012年に入ってから、菅義偉氏が徐々に「自分」を出し始めたことです。たびたび自民党の間違いを指摘し、採決時に党の方針に反しても自分の信念を貫くようになります。

昨日、自民党は郵政民営化について考え方を決定しました。残念なことに、金融二社の扱いは、売却期限の延長や日本郵政の経営判断を認めることを検討するという曖昧な表現となってしまいました。(2012年3月17日)

郵政民営化してよかったと言えるように|すが義偉の「意志あれば道あり」 Powered by Ameba

12日木曜日、衆議院で郵政民営化法の改正案が可決されました。

この法案は、郵政の完全民営化をあいまいにするものであったため、私は党の方針に反して反対しました。(2012年4月15日)

郵政法案改正に反対、民営化の果実を国民に|すが義偉の「意志あれば道あり」 Powered by Ameba

自民党はこれを早期解散で合意したととらえ、他の少数野党が共同で提出していた内閣不信任案の採決に欠席することを決めました。

しかし私は、党の方針に反して不信任案に賛成しました。

内閣不信任案は、強大な政府・与党に対抗するために、国民から野党に託された最大の武器です。

しかも一国会に一度しか使えません。

考慮すべきは税と社会保障法案の行方ではなく、経済政策、外交・安全保障など、内閣全体のことです。

民主党政権が続く限り、国益は損なわれ、国力が低下してしまいます。私は、欠席することは内閣を信任することと同じであると考え、出席して不信任の意思を明確に示しました。(2012年8月11日)

不信任案に賛成:もはや体をなさない民主党政権|すが義偉の「意志あれば道あり」 Powered by Ameba

良いものは良い、悪いことは悪いとはっきり発言する。譲れない部分は党の方針に反しても貫く。そしてその理由をきちんと有権者に説明する。

結論を言えば、僕は菅義偉氏に投票しました。相変わらず自民党を支持する気にはなりませんが、菅義偉氏なら期待どおりに働いてくれるに違いないと思えたからです。安倍内閣で腕を振るってくれるのは間違いないし、仮に自民党が旧態依然とした悪癖を見せたとしたら、しっかり悪いものは悪いと発言してくれるはずです。

 

三村和也氏は有能な新人

防衛省、経済産業省を務めた官僚出身で、37歳の若手です。いとこが広末涼子さん。2009年の総選挙で、33歳で初当選(比例復活)。民主党内では前原グループに所属。

三村氏とは、直接話したこともあるし、事務所に要望を伝えに行ったこともあるし、今年11月には国政報告会にも行きました。もちろんブログも全部読んでいます。

悪い政治家ではありません。実務能力があるのも間違いない。共通番号制度、防衛政策の進展、スマートグリッド推進など、しっかり仕事をして成果も出しています。菅義偉氏に比べればやっていることは小さいですが、新人である以上、仕方がない面があります。

三村氏に求めたいのは、決断の理由を有権者にしっかり説明することです。

例えば前々回の民主党代表選挙のとき、三村氏は前原誠司議員を推しました。

前原議員には「言うだけ番長」のレッテルがあります。前原総理で本当にうまくいくの? というのは、誰もが抱く疑問だと思います。だから僕は率直に疑問をぶつけました。

「なぜ前原さんなんですか? マスコミの報道が全てとは思いませんが、マスコミ以外から情報を取るのが難しいのも事実。近くにいる三村さんが、「前原さんならやり遂げられる」と信じられる根拠があるのなら、それをぜひ発信してください」と。

三村氏は「わかりました」と即答したんですが、

代表選へ|We can make Strong Japan 衆議院議員三村和也オフィシャルブログ Powered by Ameba

代表選を終えて|We can make Strong Japan 衆議院議員三村和也オフィシャルブログ Powered by Ameba

結局それらしきものは一切発信されていません。

選挙が弱いので、票に繋がりにくいことに力を注げないのも理解できるんですが、これでは不満です。

三村氏は今回の選挙戦で、「世代交代」を訴えています。若手がもっと国政で活躍するべき、という主張はすごくよくわかります。国政報告会では、ゲストの岡田克也議員が「連続当選しないと若手議員が育たない(から応援してください)」と言っていて、これもそのとおりだろうと思います。

ただ、菅義偉氏のような辣腕政治家を落選させる理由にはなりません。もし菅氏が老害議員に過ぎなかったら、三村氏に投票したかもしれませんが、「相手が悪い」と言わざるを得ません。たぶんそれは三村氏も自覚しているはずです。

とは言え繰り返しますが、三村氏も悪い政治家ではありません。できれば、三村氏にも比例で復活当選してほしいと僕は思っています。

 

自分だったらどうする?

僕はこうして「人」で選んで、今回は菅義偉氏に投票してきました(自民党議員に投票したのは、たぶん初めてです)。

政治家が自らの決断を発信し、その理由をしっかり有権者に伝えようとしてくれれば、私たちは政治家を知ることができます。

年単位での時間は必要ですけど、政治家の信念や性格、行動原理を理解できれば、その政治家にどのような期待をしていいのかがわかり、納得の上で投票できるはずです。

そして期待どおりに政治家が働いてくれれば、私たちは投票に満足し、政治を信頼できるようになるんじゃないでしょうか。人々の政治への興味も一層増すでしょう。

問題点はあります。例えばこの方法でいくと、僕は新人候補には一切投票しないことになります。あるいは候補者が乱立する地域では、情報を取り続けるのが大きな負担になることも想像できます。そもそも政治家が発信していなければ、この方法は使えません。僕は運が良く、考えやすい選挙区にいるんだと思います。

でも、荒唐無稽と笑い飛ばさずに、「じゃあ自分だったらどうするのか」を考えてみてください。問題があれば改善すればいいだけ。ぜひ一緒に、どうすれば民意をより正確に国政に反映できるのか考えましょう!

 

蛇足ですが、今回、政治や選挙について頭を整理するのにとても役立ちました。

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1012月

僕は若者に「選挙に行け」とは言えない。

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読みました。朧気ながら考えていたことを整理するのに、とても役立ちました。思いを率直に言葉にするのなら、

選挙に行こう、と呼び掛けるのは簡単。でも僕は、特に20代の若者に対しては、「選挙に行こう」とは言えない。

ということです。もちろん「行くな」とは言いませんよ。自分で試行錯誤して、とりあえず結論を出せる人たちはいい。

問題は、それまで政治や選挙に関心がなかった人たちです。彼らはきっと、選挙に行ったところで、間違った(後で不満を覚えるような)選択をするに決まっているからです。

もちろん、今まで政治に無関心だった人に、政治に興味をもってもらう入り口としては、「選挙に行こう」以外に言いようが無いのは理解できます。

それはそれとして、僕は今の仕組みでは民意を正確に反映できない、と考えています。別の言い方をすれば、納得した投票をするにはあまりにハードルが高すぎると思っています。

不完全なシステムなのに、まるで「投票さえすれば世の中を変えられる」かのように偽るのは、フェアじゃない(その点、本書は中立ですね)。

 

「正しい選択」なんかできるのか

いよいよ衆議院解散総選挙が今週末に迫ってきました。

みなさんは、どうやって「誰に投票するか」を決めますか。もう答は出ましたか。その答には満足していますか。その答は正しいんでしょうか。

僕は選挙権を得て13年経つんですけど、今までに一度も心から納得して投票できた経験がないし、その投票が正しかったと信じられたこともありません。

そもそも、「正しい選択」なんて可能ですか?

 

政策を判断基準にはできない

政策で投票先を決める人は、

その政策は実現されるんですか?

という問いに答える必要がありますよね。

民主党政権が教えてくれたのは、“公約として掲げている内容は、できるかどうかわからないのに言っている” という事実。根拠もなく、未来の党ならできるでしょ、みんなの党ならできるでしょ、というのは思考停止です。

かと言って、政策を細かく検証して、僕ら素人が実現できるかどうか判断するんでしょうか。一部の人には可能でも、誰にでも判断できるとは思えません。

それが国民の義務だろ、というのは簡単。ですけど、そんなにハードルが高いんじゃ、いつまでたっても政治や選挙は国民から遠い存在のままです。

民主党のマニフェストは例外にしてもいいですよ。他党も民主党の惨状を見て学んだだろう、と期待するのも悪くはないかも。でも自民党は、小泉政権に変わって、それまでの政策をガラッと変えました。民主党も、野田政権になって、全然別の政策に取り組み始めました。党の代表が誰になるか、どんな考え方の人間が主導権を握るかによって、やることは全く別になるというのが現実です。

自民党の安倍総裁は、自民党の中では改革派の勢力です。だから安倍総理なら期待できる部分はあるかもしれません。でも、何かが起きて、派閥長老の傀儡が総裁になれば、旧態依然とした自民党がひょっこり出てくるかもしれないわけです。

一つの党内に正反対の政策を持った人間がいるのが日本のスタンダード。将来は分からないですけど、少なくとも現時点では、日本では政党政治が機能していません。政策を基準には判断できないんです。

 

人を基準に判断するには情報が少なすぎる

ならば……と考えられるのが、信頼できる政治家かどうかで判断しようという考え方ですよね。政策が実現されるか確証はないにしても、日和見で考え方を変えるのではなく、実現のためにとことん尽力してくれる人ならば「投票した甲斐がある」と思えるかもしれません(僕はどちらかというと、こっち派です)。

このタイプの人は、

本当にその政治家は信頼できるんですか

という問いに答える必要があります。

単純に、情報を取るのが難しい。信頼できるかどうかって、一朝一夕じゃ判断できませんよね。いい人に見えたのに、数ヶ月付き合ってみたら最悪だった、なんてケースは世の中ザラです。

だから、政治家の行動をある程度の期間、見続ける必要があります。実感としては、3年くらいは必要だと思います。

でも、例えば自分の選挙区の民主党議員が、代表選挙のときに誰に投票したか、その理由はなぜか、答えられます?

ちなみに僕のところは、前々回が前原支持で、前回が細野擁立を果たせず結局は野田支持に回ってます。前々回のときは、前原支持の理由を聞きましたが、納得できませんでした。前原氏の場合は「言うだけ番長」のレッテルがあるんですから、それを覆すような納得できる理由を発信してください、と直接言いましたが、今までに発信されていません。

じゃあ、TPPの時はどうだった? あるいは震災直後数ヶ月は何をしていた? 自民党議員でも見るポイントは同じです。

政治家の真価は、決断を迫られたときや、緊急事態に置かれたときに、どう考えてどう行動するかに表れると思っています。本当に曲げられない政策は党の方針に反しても反対し、例え自分の党であっても良いところは良い、悪いところは悪い、とはっきり発言する議員なら、信頼に足ると僕は思います。

ところが、じっくり行動を見続けた結果、信頼に足る議員がいない、という結論だってあるはずなんです。また信頼できる議員がいたとしても、その政治家の政策が自分に合っているとは限らない。しょせん、一つの選挙区で3人とか5人しか候補者がいないわけで。

どちらにしても、信頼できるかどうかを判断するのも、やっぱりもの凄くハードルが高い。前提条件が厳しいし、例え率直に考えを発信する政治家でも、それが選挙区住民の大多数に届くような仕組みにはなっていないんですよ。私たちの多くにとって、人を基準に判断するには情報が少なすぎるんです。

 

どんなに若者が投票したところでシニア世代の意見は覆せない

こうすれば正しい(満足できる)投票ができるよ、という方法論を持っている人は、ぜひ教えてください。ぜひぜひ知りたいです!

しかもね、各所で話題になってますが、

若者の投票率の低さがどれだけヤバイかが一目でわかるグラフ みんな選挙に行こう!!!:ハムスター速報

「選挙で若者が大損する」—投票者の平均年齢は57歳(AERAより) | ihayato.news

今はまだ、60歳以上の投票率が60%程度に下がり、20代・30代の投票率が90%くらいになれば、影響力を上回れる可能性はあるかも。でも、これからは若者の割合がどんどん減っていきます。そうすれば、若者がどんなに投票したとしても、実際に国を動かすのはシニア世代ということになります。

財団法人明るい選挙推進協会ホームページより。

やっぱり、「投票さえすれば世の中を変えられる」かのように偽るのは詐欺だと思います。

 

解決方法はあります

もちろん、お手上げ、というわけじゃないんです。政党政治が機能していないのは、もしかしたら(根拠はありませんが)時間が解決してくれるかもしれません。20年前の日本政治は未熟だったね、と笑っていられるかも。

信頼できる政治家かどうかで判断する方法も、情報が取りにくいというだけで、言ってみれば情報インフラの問題です。環境を整え、政治家の意識が変わってくれば(若手や、やり手政治家を中心にその兆しはある。あるいは国民にとって必要な情報なんだから発信を義務づけたっていいと思う)、現在よりも圧倒的に人で判断できる環境になるかもしれない。

世代間不均衡の問題も、若い世代のほうがこれからの社会の影響を長く受けるんだから、余命に応じて議席配分すればいいじゃん、とか。あるいは、0歳から19歳まで切り捨てられているのはおかしいよね、ということで親権者が子供の分も投票できるようにするとか。やりようによってはいくらでも可能性があります。

 

重要なのは、一人ひとりが役割を見つけること

ネット選挙解禁もそうだけど、重要なのは問題が起きている原因をしっかり見極めること。どうすれば解決するのかをよく見定めること。そして一歩ずつでも前進すること。困難でもやるしかないんですよね。だって社会主義国家や独裁国家は嫌でしょ? 近代民主主義だけが正解じゃないんだから、試行錯誤すればいいんです。

やっぱり僕は「選挙に行こう」は言えません。少なくとも僕の役割じゃないですね。選挙に行こうと言えばすべてが解決する “環境をつくる” ほうに、興味があります。

今回の選挙で、13年を経てやっと、自分自身の判断に納得して投票できるかもしれない、という予感があります。もし満足できたら、その方法で誰もが投票できるような仕組みを考えていきたいと思っています。

 

さて、政治の仕組みを理解し、自分の役割を整理するのに、『WEBで政治を動かす!』は最適な一冊。それこそ一度も選挙に行った経験のない若者から、政治制度の問題の複雑さに「何から手を付けりゃいいのか」と感じ始めた人まで、豊富な情報量で要望に応えてくれると思います。

スマホがあれば今すぐ読める(しかも安い)Kindle版がおすすめです。

 

1211月

近代民主主義の次、を考えた経験がありますか? 東浩紀『一般意志2.0』より

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私たちは政治を誤解しているのかもしれない

本書はエッセイの形をした社会思想書です。日本社会を見渡せば明らかなように、私たちの政治、そして民主主義は、長らく機能不全を起こしたままでいます。著者は、ジャン = ジャック・ルソーの『社会契約論』に記されている理念《一般意志》を、あらゆる活動をネット上に記録しつつある「総記録社会」の現実に即してアップデートした《一般意志2.0》という概念によって解決しようとします。

導かれるのは、ビッグデータから抽出された(我々自身も気づかないかもしれない)無意識を政治の拘束力とするという驚きの結論です。

もちろん思想家として実績のある著者ですから、常識的には荒唐無稽と認識されるような本論を、きちんと体系的に語りきっています。何より本書は、近代的民主主義を疑うきっかけを与えてくれます。

 

現在のやり方の一部にインターネットを導入したからといって、根本的な解決になるはずがない

私は、著者が何よりも訴えたかったのは、次の一文に集約されているのではないかと感じました。

本書のルソーの解釈はかなり自由である。本書が提示した読解は、『社会契約論』の新解釈というより、むしろそのテクストを素材とした「二次創作」のようなものだと理解したほうがいい。そのような蛮勇は、一般に学問の世界では許されない。
にもかかわらず、著者が本書でその蛮勇をあえて奮ったのは、ネットが政治を変える、ソーシャルメディアが政治を変えると喧しく言われている、その光景の底の浅さにいささかうんざりしたからである。ネットは政治を変える。確かにそうだろう。というよりもそうでなくてはならない。しかしそれはおそらく、単純に電子選挙だとかネット政党だとかいった話ではない、そこよりもさらに深く、そもそも政治とはなにか、あるいは国家とはなにか統治とはなにか、その定義そのものラディカルに変える可能性に繋がっているのだ。
東浩紀『一般意志2.0』第一五章 P.250より

私たちは「政治や政策に正解がある」という幻想に囚われていませんか? 物事を熟議の上に決めるべきだという価値観も、政治家の失政に文句を言う人々も、すべては正しい道を選び取るという前提に立っています。

インターネットの普及とテクノロジーの進化により、物事は複雑になりすぎ、分散化しすぎました。ましてやそこに利害関係が入り込み、私たちの誰もが「自分たちの利益」へ誘導しようとします。政治家がいかに優れた人間であったとしても、一人の人間が全てを的確に把握し、コントロールするのは、もはや不可能なのかもしれません。それどころか、実は正解など存在しないのではないでしょうか。

だとしたら、そもそも民主主義のシステムそのものを見直す必要があります。現在のやり方の一部にインターネットを導入したからといって、根本的な解決になるはずがないと私は思います。

 

インターネットの政治活用をゼロベースで考えよう

蛇足ですが、私は本書を読んで、やっとはっきり意識できました。インターネットやソーシャルメディアの政治活用は、大きく二つの方向性を明確に見定めて進むべきですよね。

一つは、民主主義の限界を踏まえた上で、(とは言え明日からいきなり新理念に移行できるわけではないので)現状の不都合を不完全ながら少しでも解消しようという方向性。

もう一つはもちろん、『一般意志2.0』に語られるような、インターネットやソーシャルメディアの可能性を追求した、近代民主主義に代わる新たな理念を模索する方向性です。

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