“仕事はお金のために我慢してやるもの” という先入観を捨てよう

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新卒一括採用には、「100社応募したけど、すべて落とされた。死にたい」というような話がつきまとうわけですが、とは言え、ごく一部の例外なのだろうと、さしたる根拠もなく思っていました。

が、この数字を見ると、100社に落とされるケースも、それほど珍しい事例でもないのかもしれません。

就活エントリー、1人平均44社 過去10年で最多:朝日新聞デジタル
1人平均44社 …

就職情報会社のマイナビは16日、昨年12月に解禁された2015年3月卒業予定の大学生と大学院生の就職活動状況調査を発表した。入社試験の応募資料を取り寄せるなど就職情報サイトや企業の採用ホームページからエントリー(登録)したのは、就活生1人当たり平均44・3社で、前年より3・3社増えた。

 

おかしいものはおかしい

以前、『17,200時間、地球約17周の無駄について。』という記事を書きました。

17,200時間、地球約17周の無駄について。

もし、往復2時間の通勤を年間200日、22歳から65歳まで続けたら、17,200時間(約2年間に相当)。仮に片道40kmだとしたら、688,000km(地球約17周)の移動距離になります。

もちろん、通勤する人をゼロにできるとは思いません。物理的に移動しなければならない立場・役割は存在するでしょう。

が、現在の状況は、企業に勤める大半の人間が、けっして短くはない時間をかけて通勤しているわけです。

“17,200時間、地球約17周” という数字を見たら、(現実問題としてどうしようもない、という事情はともかくとして)本当にこれでいいんだろうか? と感じるのが、素直な感性だろうと思うんです。

本当に、みんながみんな、これほどの労力をかけて通勤しなければならないんでしょうか。

 

主流なのは「就職できればどこでもいい」という就職活動

「就活で1人平均44社もエントリーしている」という事実からも、似た印象を受けます。

本当に、みんながみんな、こんなに大量にエントリーしなければいけないんでしょうか。

普通に考えて、どうしても入りたい会社が44社平均もあるわけがありません。

僕なんか、どうしても入りたい会社なんて、1社もありませんでしたからね。はは。

必然的に、世の中の就活生の多くは、「就職できればどこでもいい」という就職活動を展開していることになります。

 

「新卒で就職できれば勝ち組」は価値観の一つでしかない

当然と言えば当然なのかもしれないですね。私たちが子供のころから見てきた大人たちの多くは、楽しそうに働いているようには見えなかったですから。

実際、好きではない仕事でも、一家を養うために稼がなくてはならないからと、我慢して働いてきた大人は少なくなかったはずです。終身雇用という恩恵を考えれば、トレードオフで犠牲にするのもアリな選択肢だったのでしょう。

でも現在では、新卒で就職できれば勝ち組という考えは、ある一つの価値観でしかありません。「就職できなければ、のたれ死んでしまう」というなら話は別ですが、もっと世の中を広く俯瞰してみるのも、おもしろいと思います。

よーく見てみると、あちこちに楽しそうな仕事が転がっています。最初はそれがアルバイトだって、何の問題もないと個人的には思います。

そもそも、5社や10社ならまだしも、30社も50社も落とされたら「これは何かおかしいぞ」「自分にはこのやり方は合わないのかもしれない」と疑うのが、まともな感性というものではないでしょうか。

“仕事はお金のために我慢してやるもの” という先入観は捨てて、フラットな目で世の中を見てほしいなと思います。