スマホですぐに読める芥川賞受賞作一覧(2000年〜)

阿部和重、川上未映子、綿矢りさ、朝吹真理子、西村賢太などで有名な芥川賞は、才気溢れる若手の純文学作家に与えられる傾向の賞です(直近の第148回では、例外的に75歳の新人が受賞して話題になりました)。

今回は、Kindle化されている芥川賞受賞作を紹介します。

なお、Kindle書籍は、Amazonの端末『Kindle Fire』等がなくても、無料のKindleアプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレットがあれば読めます。必要なのはスマホとAmazonアカウントだけです。

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第148回芥川賞(2012年下半期) – 黒田 夏子『abさんご』

■内容紹介(Amazonより。以下全作品同様)

「途方もないものを読ませていただいた」──蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴びて早稲田文学新人賞を受賞した本作は、75歳の著者デビュー作。昭和の知的な家庭に生まれたひとりの幼子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語である。半世紀以上ひたむきに文学と向き合い、全文横書き、「固有名詞」や「かぎかっこ」「カタカナ」を一切使わない、日本語の限界に挑む超実験小説を完成させた。第148回芥川賞受賞作。小説集『abさんご』より表題作のみ収録。

■感想(Amazonカスタマーレビューより一部抜粋。以下全作品同様)

  • 読んでいて、まったく面白くない。読む意欲が生まれない。これが文学というものか、これが純文学なのかと、何度も溜息つきながら……
  • 意味わからん。面白くもない。まずい高級ラーメンをドヤ顔で……
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第147回芥川賞(2012年上半期) – 鹿島田真希『冥土めぐり』

■内容紹介

あの過去を確かめるため、私は夫と旅に出た――裕福だった過去に執着する母と弟。彼らから逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病になる。だがそれは完き幸運だった……著者最高傑作!

■感想

  • 芥川賞受賞作、という情報以外は入っていないほとんど先入観のない状態で本書を読みました。まず、文章が読みやすく、描写が的確。流れるようにすらっと読めて……
  • 恵まれない家庭環境には同情するが、それに立ち向かうでも逃避するでもなく、延々と不満が語られる物語。始まりと終わりで主人公に何か変化が起きたのか、私には読み取る事が……
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第146回芥川賞(2011年下半期) – 円城塔『道化師の蝶』

■内容紹介

第146回芥川賞受賞作! 無活用ラテン語で記された小説『猫の下で読むに限る』。希代の多言語作家「友幸友幸」と、資産家A・A・エイブラムスの、言語をめぐって連環してゆく物語。SF、前衛、ユーモア、諧謔…すべての要素を持ちつつ、常に新しい文章の可能性を追いかけ続ける著者の新たな地平。

■感想

  • 美と智で織られた、捩れた織物に入り込むワクワクする体験だった。夢中になったのは芥川賞だったからか。この小説に魅せられ、のめり込み、行きつ戻りつし、その姿を眺め続けた……
  • では、この本は一体いつどこでどのように読むべきなのでしょうか 私には読めませんでした 何が言いたいのかが……
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第146回芥川賞(2011年下半期) – 田中 慎弥『共喰い』

■内容紹介

話題の芥川賞受賞作、文庫化! セックスのときに女を殴る父と右手が義手の母。自分は父とは違うと思えば思うほど、遠馬は血のしがらみに翻弄されて──。映画化が決定した、第146回芥川賞受賞作。瀬戸内寂聴氏との対談を新たに収録。

■感想

  • 思春期の頃の親や異性や自分に対する葛藤やうまく処理できない感情がズブズブ伝わってきた。ヘドロの臭いや酸い匂いがまとわりつく。純文学を味わうとはこういうことなんだと、鈍りつつあった嗅覚を……
  • 芥川賞は小説家としての文章表現力を競う賞なのか。それだったら合格だ。しかし小説として読む者の立場に立って書くのであれば、最低の……
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第144回芥川賞(2010年下半期) – 朝吹真理子『きことわ』

■内容紹介

葉山の高台にある別荘で、幼い日をともに過ごした貴子と永遠子。ある夏、とつぜん断ち切られた親密な時間が、25年後、別荘の解体を前にしてふたたび流れはじめる。ふいにあらわれては消えてゆく、幼年時代の記憶のディテール。やわらかく力づよい文体で、積み重なる時間の層を描きだす、読むことの快楽にみちた愛すべき小説。

■感想

  • 作品テーマでもあるでろう、まるで夢の中を読んでいるような文体。数多ある比喩表現の中から、選びに選んだ比喩、レトリック。ひらがなから漢字への移り変わっていく瞬間などなど、視覚的にも非常に計算されて作られた作品であり……
  • 読んでいて、疲れた。文章がすっと頭に入らない。美しい文章だと?わざと分かりにくくしてるのでは?芥川賞って…ほんと意味不明……
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第144回芥川賞(2010年下半期) – 西村賢太『苦役列車』

■内容紹介

劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日は――。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。

■感想

  • 読み終えて、ただただ圧倒され、出版社宛てに、初めてファンレターのようなものを書きました。「ようなもの」というのは、まだファンになったのかどうか自分でも定かでなく……
  • 父親が性犯罪を犯して逮捕され、いびつな性格になってしまった主人公が友人がほしいんだけど、わざとききょうな行動に走ってしまうというか、内容はそれだけ……
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第138回芥川賞(2008年上半期) – 楊 逸『時が滲む朝』

■内容紹介

梁浩遠と謝志強。2人の中国人大学生の成長を通して、現代中国と日本を描ききった力作。『ワンちゃん』に次ぐ期待の新鋭の第2作!

1988年夏、中国の名門大学に進学した2人の学生、梁浩遠(りょう・こうえん)と謝志強(しゃ・しきょう)。様々な地方から入学した学生たちと出会うなかで、2人は「愛国」「民主化」「アメリカ」などについて考え、天安門広場に行き着く――。大学のキャンパスで浩遠と志強が出会った「我愛中国」とは。同窓の友人たちとの議論や学生生活を通して、現代中国の実像を丹念に描きつつ、中国人の心情がリアルに伝わってくる力作です。物語の後半では日本も登場し、国境を越えるダイナミックな展開から目が離せません。衝撃の前作『ワンちゃん』から半年、スケールアップした新鋭の最新作です。

■感想

  • 「芥川賞を取るレベルの日本語ではない」という批判を聞いていたいので、どうかなと思いつつ読んだが立派なものだ。変にくだけて、それを独創性だと勘違いしている昨今の作家に、見習ってもらいたいぐらい……
  • 題材は面白いと思うが、人物描写が余りにもいい加減で、ストーリーに感情移入出来ないばかりか……
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第136回芥川賞(2006年下半期) – 青山七恵『ひとり日和』

■内容紹介

20歳の知寿が居候することになったのは、71歳の吟子さんの家。奇妙な同居生活の中、知寿はキオスクで働き、恋をし、吟子さんの恋にあてられ、成長していく。選考委員絶賛の第136回芥川賞受賞作!

■感想

  • 私は21歳だから主人公と同い年。それはもう共鳴してしまって、一気に読んだけれど三度も涙し……
  • いや~何が面白いのかわからない作品だった。退屈だった。主人公が美しくない……
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第135回芥川賞(2006年下半期) – 伊藤 たかみ『八月の路上に捨てる』

■内容紹介

暑い夏の一日。僕は30歳の誕生日を目前に離婚しようとしていた。愛していながらなぜずれてしまったのか。現代の若者の生活を覆う社会のひずみに目を向けながら、その生態を明るく軽やかに描く芥川賞受賞作!他一篇収録。

■感想

  • 全体がテンポよく進んで、とにかく文章にキレ味がある。帯にもあるような 『…一日をまとめた』というようなフレーズがここかしこに現れる。著者の感性と力量が……
  • まったく深みのない本と言っていいでしょう。作文として提出したら、小学校の先生にも駄目だし食らい……
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第129回芥川賞(2003年上半期) – 吉村 萬壱『ハリガネムシ』

■内容紹介

吉村萬壱はデビュー作『クチュクチュバーン』において、個体としての人間が他の生命や物質と同化・変態し、巨大な集合体の中に溶け込んでいくプロセスを通して、人類進化の壮大なビジョンを初期筒井康隆の作品世界を彷彿(ほうふつ)とさせるグロテスクかつドタバタふう筆致によって描き上げた。芥川賞受賞作『ハリガネムシ』において、吉村は物語の舞台を近未来から現代(1980年代後半)へ移すとともに、前作において顕著だった暴力と破壊のテーマをさらに発展させ、それらをひとりの人間の内に発する過剰な欲望のありようとしてリアルに表現することに成功している。

物語の主人公は、高校で倫理を教える25歳の平凡な教師中岡慎一。アパートで独り暮らしをする慎一の前に、半年前に知り合った23歳のソープ嬢サチコが現れる。サチコは慎一のアパートに入り浸り、昼間は遊び歩き、夜は情交と酒盛りの日々を送る。サチコの夫は刑務所に服役中で、ふたりの子どもは施設に預けたままだが、詳しい事情は明らかでない。慎一はサチコを伴い車で四国に旅立つが、幼稚な言葉を使い、見境なくはしゃぎまわり体を売るサチコへの欲情と嫌悪が入り交じった複雑な感情は、慎一の中で次第に暴力・殺人願望へと変容していく。慎一は、自身の中に潜在する破壊への思いを、カマキリに寄生するハリガネムシの姿に重ね合わせる。

カマキリの尻から悶(もだ)え出る真っ黒いハリガネムシ、風呂屋の洗い場でロゼワイン色の血尿を放つ男、奇っ怪な叫び声をあげる登場人物など、グロテスクな人物や不穏なイメージに彩られた本作は、すべての読者に平等に支持されるものではないかもしれない。しかし、人間の内に発する欲望や衝動をありのままに記述していこうとする吉村の作家としての姿勢は実直なものであり、倫理的であるとさえいえる。

人間の本性として備わる「欲望」の本質に鋭く迫った問題作である。(榎本正樹)

■感想

  • サチコがいい。サチコが面白い。サチコに泣けた。これはいい本。今年のベスト1かも……
  • 人間のゆがみを描いたつもりなのだろう。そこにセックスや暴力の描写を交え、新感覚で奇才という賞賛を得たかったのかも……
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第128回芥川賞(2002年下半期) – 大道 珠貴『しょっぱいドライブ』

■内容紹介

芥川賞受賞作の表題作を含む3つの作品を収めた本書は、『背く子』や『裸』など、九州を舞台にした作品によってみずからの文学世界を築きあげてきた大道珠貴にとって、新境地となる短編集である。

「しょっぱいドライブ」は海沿いにある小さな町を舞台に、34歳の実穂と60代前半の男性九十九さんの微妙な恋愛関係を、語り手である実穂の視点から描く。実穂は家族ともども、長年にわたって九十九さんの人の良さにつけ込み多大な世話を受けてきた。父が亡くなり実家で暮らす兄とも疎遠になる中で、実穂は隣町でアルバイトをしながら独りで生活する日々を送っていた。実穂は地方劇団の主宰者の遊さんと関係をもつが、気持ちは次第に九十九さんに傾いていく。九十九さんの運転する車に乗って、生まれ故郷の潮の匂いの漂う町でデートを重ねる実穂。実穂の揺れ動く感情の流れと九十九さんの関係の機微を、作者の筆は正確に描き出す。30代女性と60代男性の恋愛という枠組みの中に、性や介護や経済の問題が示唆される。読者は、タイトルに含まれる「しょっぱい」に込められた多重的な意味内容に注意を向けるべきだろう。

このほか、中学2年生の不登校の少女と26歳の相撲取りという不思議な組み合わせのカップルを描いた「富士額」、若い女性同士の密着感のある奇妙な主従関係をつづった「タンポポと流星」を収録。現代人のさまざまな関係の有り様を描いた、つまりは「人間」を描ききった短編集である。(榎本正樹)

■感想

  • この人の文章は非常に特徴があります。飄々としていてユーモアがあって温かくて。疲れた時にたまらなく好い。内容なんてどうでも……
  • 収録されている作品の女性の類似が閉口。受身で希望や意欲なく、でもセックスは……
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第127回芥川賞(2002年上半期) – 吉田 修一『パーク・ライフ』

■内容紹介

昼間の公園のベンチにひとりで座っていると、あなたは何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。『東京湾景』の吉田修一が、日比谷公園を舞台に男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。役者をめざす妻と上京し働き始めた僕が、職場で出会った奇妙な魅力をもつ男を描く「flowers」も収録。

■感想

  • 毎日同じようなライフスタイルをおくっていると、形骸化してくるような感覚になってくるが、この小説はそんな日常の形式化からある女性との偶然の出会いによって目を覚まさせてくれ、そして最後は前向きになれるような、さわやかな小説だと……
  • にかくダサいです。作者の地元の九州を描いた「悪人」の素晴らしさを考えれば、小説家としての力量は疑うまでもないはずなのですが、この芥川賞受賞作はもう耐え難いダサさと……
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第126回芥川賞(2001年下半期) – 長嶋 有『猛スピードで母は』

■内容紹介

文學界新人賞受賞作「サイドカーに犬」と芥川賞受賞作「猛スピードで母は」がカップリングされた長嶋有の第1作品集。

「サイドカーに犬」は、語り手の女性が小学4年生の夏休みに体験した、母親の家出に始まる父親の愛人との共同生活を回顧(懐古)する物語。ムギチョコや500円札、パックマンといったアイテムとともに描かれる1980年代初頭の時代風景が懐かしさをそそる。父の若い愛人である洋子さんの強烈な個性と存在感は、「猛スピードで母は」の母親の姿と相まって、自立的で自由な新しい女性のイメージを提示している。「サイドカーに犬」というタイトルには、大人と子どもの間の微妙な距離感がメタファー(暗喩)として込められている。大人と子どもの相互的なまなざしの交錯が、すぐれて文学的な「間」を演出している。

「猛スピードで母は」は、北海道で暮らす小学5年生の慎と母親の1年あまりの生活を描いた作品。大人の内面にはいっさい立ち入らず、慎の視線に寄り添う三人称体による語りが、子ども独特の皮膚感覚や時間感覚をうまく描き出している。さまざまな問題に直面しながらも、クールに現実に立ち向かう母親の姿を間近で見ることで、自らも自立へと誘われていく慎の姿が感動的だ。先行する車列を愛車シビックで「猛スピード」で追い抜いていく母親の疾走感覚は、この作品のテーマに直結している。物語の結末で示される国道のシーンは、読者の心に強く残るだろう。(榎本正樹)

■感想

  • 文庫になるまで読まなかったことが悔やまれる傑作。「人とのつながり」という手垢のついた言葉の意味を根底から……
  • 何にも中味がない。風雅や洗練さ、緊迫性を好む読者は、極力排除したいらしい「文壇」のお歴々は……
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第125回芥川賞(2001年上半期) – 玄侑 宗久『中陰の花』

■内容紹介

第125回芥川賞受賞作。予知能力を持つという「おがみや」ウメさんの臨終に際して、禅寺の住職則道とその妻圭子の織り成す会話から、「死とは何か」「魂とは何か」を見つめた作品。先に発表された第124回芥川賞候補作『水の舳先』では、死を間近に控えた人々がそれぞれに救いを求める様子を描いていたが、本作は肉体的な死を迎えた後、いわゆる「死後の世界」を主なテーマにおいている。

虫の知らせ、三途の川、憑依、そして成仏。それら、生きている者には確かめようのない民間信仰や仏教理念に、僧・則道が真摯に向き合っていく。ともすると、専門的、宗教的すぎてしまう題材ではあるが、「人は死んだらどうなんの」といった無邪気な言葉を発する妻の存在が、一般の読者にも身近な内容へと引き寄せてくれる。また、則道が、ネットサーフィンで「超能力」を検索する様子や、病院でエロ本を眺める場面など、自らが現役の僧侶である著者ならではの宗教人の等身大の姿が、物語に親近感を持たせていると言えよう。

表題『中陰の花』のイメージとして使われている妻が作る「紙縒タペストリー」の幻想的な華やかさが、いまひとつリアルに伝わってこないのが残念ではあるが、これまで追ってきた厳粛なテーマをすべて包み込むような関西弁の台詞でのエンディングが、読後にやわらかく、心地よい余韻を与えてくれる。(冷水修子)

■感想

  • 文章がすぐれていて、思想性が深い。芥川賞作家を読み続けてやっと本物の文学に辿りついた。オアシスに到着した遊牧民の境地……
  • 現役僧侶によって書かれた、生と死、そして成仏やあの世をテーマにした芥川賞受賞作。確かに丁寧に語られる文章には好感が持てるが、遥かな昔から考え続けられている主題に、現代的なインターネットや先端科学情報を交えて多少新しく見せているだけという印象を……
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第123回芥川賞(2000年上半期) – 町田 康『きれぎれ』

■内容紹介

「―― 大きい俺や小さい俺、青空に円形に展開、みな、くわっとした格好で中空に軽くわなないている ――」。親のすねをかじりながら無為の日々を送っていた「俺」はかつて、ともに芸術家を志し、その才能を軽視していた友人が画家として成功したことを知る。しかも、美貌と評判高い彼の妻は、「俺」が見合いをして断った女だという。よじれて歪んだ心が生むイメージが暴走した果てに「俺」が見たものは…。

著者は、パンク歌手であり詩人であり俳優であるという異色作家。『夫婦茶碗』 『へらへらぼっちゃん』など、独特のビート感あふれる作品を意欲的に発表し、個性派作家として注目を浴びている。若い世代を中心に「ストリート系」、「J文学」などともてはやされる一方で、ナンセンスなストーリー展開やメッセージ性の希薄さなどから「キワモノ」であるという冷ややかな評価も受けていた。ところが、一見、一貫性を欠いているようにも思われる言葉の連射の間隙に、透明感を与えることに成功した本作で芥川賞を受賞したことで評価は一変し、純文学の新たな地平を開く作家としての栄誉を得た。好悪の分かれる作家ではあるが、繰り出される言葉のリズムに身をまかせて一種のカタルシスを得ることができるか、違和感を抱くか、それは作品に触れて確かめてほしい。(梅村千恵)

■感想

  • 間の思考をぐるっとひっくり返したような文体です。考えてることなんて本当は小説みたいに整然としてなぞない。言葉や思考の色んなこまかい断片が集まると、整然とした文章よりも、かえってものすごく的確な……
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以上、2000年以降の受賞作でKindle化されているものは、29作品中15作(51.7 %)でした。

 

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